『江戸の坂、東京の坂』その107。犬坂から桃園川緑道に出て左に曲がる。この緑道は桃園川暗渠化の跡に作られてていて宝仙橋(の跡)を左に曲がる。
長く、木陰など全くない緑道を歩くと次々に橋の跡が出てくる。金剛橋、金渓橋と渡り、ようやく慈眼堂橋に到着。
この道を左に曲がるとゆるい坂道になっていているが、これが『小笠原橋』、ただなぜこんな名前がついているのかはわからない。
一旦登った坂道を緑道まで戻り左折する。また、次々と橋の名残が出てきて仲園橋、北裏橋、三味線橋。三味線橋は『さみせんはし』と書かれている。
もみじ山通りを越えて桃花小学校を目指す。くねくねと曲がる道の先に正門があるが、その前には古い橋の跡が。よく見ると『かう志ん橋』『大正十三年』と書かれているが、周りには暗渠もなさそうである。
色々と調べて行くと『暗渠さんぽ』というブログを書いた方が古い地図を見ると桃園川は緑道公園よりさらに南側まで来ていたため、こんなところに残されたのだろうとのこと。ただ、橋の半分だけがこれだけ完全に残されているのも珍しい。
桃花小学校の前を通過して左に登っていくと『鳥見坂』となる。その由来はかつて桃園川にかかっていた鳥見橋に向かう坂のため、この名前となったらしい。今はない桃園川にちなむ地名がたくさん残されているのは面白い。
坂を一旦下り、左に曲がる。さらに次の角を右に曲がると中央西公園の横を通る。その先を右に曲がると下り坂となるが、この坂が『水車坂』で以前は周りの人が作った標識があったらしいのだが、今はない。
この辺りの窪地に水車小屋があったためついた名前らしいが、ここにも桃園川又はその支流が流れていたのだろう。
坂を下り、大久保通りを渡ってしばらく真っ直ぐ歩くと中野駅近くにたどり着く。その少し手前を左に登って行く坂道が『レンガ坂』。この坂沿いに飲食店や商店が並ぶが、入口にヨーロッパ風のゲートがあり、そこに『RENGA ZAKA』と書かれている。
レンガ坂商店街と名前をつけてお洒落な雰囲気を醸し出し、また、路面もレンガにしてある。とくにアイリッシュバーの『みなみのカエル』が気になった。一度ふらっと飲みにきたい坂道である。