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今はない草思社という出版社から出された『精選 東京の居酒屋』という本を何気なく買って読み始めたことが私の居酒屋探訪の原点である。
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この本は太田和彦氏著の居酒屋本のはしりで1993年4月に初版が出版されている。もう、出版されと25年になるが、掲載されている店を調べてみると今は閉めてしまった店の多さには驚かされる。
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前置きが長くなったが、先日伺った『みますや』に続き、老舗居酒屋の秋葉原『赤津加』にお邪魔することにした。場所は秋葉原駅から大通りを渡り、周辺にフィギュアの店やメイド喫茶が林立している中に黒塀のお店がぽつんと取り残されている。
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店の看板には『大衆割烹』とあり、つまみのラインナップが木札に書かれて並んでいる。入口は横に入ったところにあり、戸を開けると目の前には時代がかった大きなカウンター、その周りに4人掛けの席がいくつかある。
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カウンターと4人掛けの席のどちらと聞かれて4人掛けの席にする。ふと見上げるといつの時代の物かわからないほど古い三菱電機製のコントローラが柱に、思わず押したくなってしまう。
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最初にビール、なんとなく瓶ビールで乾杯。お通しは『高野豆腐と海老の煮物』、意外に薄味である。
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メニューを見るとオーソドックスなつまみが豊富でまずは『イカ刺し』『鶏もつの煮込み』『揚げだし豆腐』『焼き鳥』を注文。すると、すぐにイカ刺しが登場。イカに青じそが巻いてあるなど切り方にも工夫がされている。この辺りで日本酒にするが、この店はほぼ菊正宗しかないので生酒にしてみる。辛口ではあるが、やはり香りたつわけでもなく可もなく不可もなし。あまり、贅沢は言えないが。
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次に煮込み、グツグツとやや大きめの土鍋に入っている。熱々を頂くが、鶏もつと鶏皮がたっぷり入っていてボリュームがあり、これに薬研堀をたくさんかけて一口、口の中でとろける。さらにコスパもいい。
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さらに揚げだしも糸削りがたっぷり、揚げたてで周りはカリッと、中はふんわり。焼き鳥は塩焼き、とにかくあてとして考えてある。ごく普通のつまみばかりだが、何を食べても美味いし、酒にあう。
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つまみ追加は『穴子の蒲焼き』『エイヒレ』『出汁巻』にするが、辛口のタレが引き立つ蒲焼き、甘みを抑えて出汁が効いている出汁巻、いずれも合格点である。
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意外にも周りで呑んでいる人たちも女性連れが多く、親しみやすい。さらに店の人も愛想がいい。こうした雰囲気の居酒屋はあるようで中々ない、特に秋葉原には。いつまでも残したい名店と思う。ただ、太田和彦氏が書いているように菊正宗だけという点だけはいささか勉強不足なのかもしれないが。
赤津加
千代田区外神田1ー10ー2
0332512585