『都会の小さな町散歩』その7、今回は千代田区番町を歩く。番町とは千代田区にある一番町〜六番町を指すが、元は江戸時代の大番組(将軍を直接警護できる旗本)の居所があったことからついた名前であり、地名のみはこのまま引き継がれている。しかし、江戸時代の大番組の組番号と現在の町の区画は一致しておらず、現在の区画は1938年に定めたもので特に一番町、四番町、五番町は当初の番町とは異なる場所に設定されている。
半蔵門線半蔵門駅で下車、前の坂道を左手に下ると一番町の交差点に出る。そのまま袖擦坂を上がると左手には滝廉太郎の旧居跡、亡くなる2年前、ドイツ留学の直前まで住んでいたのである。
先程の交差点に戻り、左手に曲がる。次の信号の先に石垣が見えてくるが、これがイギリス大使館、反対側にはパラグアイ大使館がある。
内堀通りを右に曲がるとイギリス大使館の正面に出るが、さすがに立派な建物である。土地の広さは3万5000平米あるが、土地は賃借とのことである。一番町1番地はイギリス大使館である。
広いイギリス大使館の前を通り過ぎ、その先を右に曲がる。半蔵門病院、ダイヤモンドホテルの前を通り、しばらく行くと右手に大きなビル。よく見てみると真如苑という宗教法人の友心院というビル。これが寺なの!あまりに立派なので驚く。因みに地下鉄出口直結でした。
ひと昔前はお屋敷町であったようだが、今はオフィスビルや高級マンションが立ち並び、様子は様変わり。変わらないのは坂道と学校くらいであろう。その先には女子学院の建物が見えてくるが道の右手は一番町、左は二番町となるが、1番地はマンションだった。
二番町といえば新橋に移転する以前の日本テレビがあった場所で立派な建物は現在取り壊し中であった。
二番町の案内板を見ると明治時代は貴族や官吏の居住地であり、護憲三派内閣を組閣した加藤高明もこのあたりに住んでいたようである。(以下、次回)