『ぶらり橋巡り』その97。目黒線の高架を越えると住所は『目黒区下目黒』となる。川沿いには高級『高層マンションが林立していて低い建物は殆どなくなる。対岸を見ると大きな岩がゴツゴツした場所になり、その先には目黒雅叙園、さらにアルコタワーと超大型物件が並んでいる。
川沿いには桜が植えられていて葉っぱが西日を浴びて赤く光っている。亀の甲橋、目黒線高架橋を越えると橋が暫くない。
ようやく出てきた橋が『太鼓橋』、名前ほど真ん中が高くはなっていない。実は1769年に初めて作られた橋が石橋であり、歌川広重の絵にも残されるような立派な橋であった。
しかし、この橋は1920年9月の豪雨で流されてしまい、その後2回架け替えられ、今の橋は1932年に作られた鉄橋を1991年に改修したものである。
太鼓橋を越えると左側に城のような建物があるが、これがあの有名な目黒エンペラー。1973年開業でその豪華な造りから一時は日本一有名なラブホであった。昼間に見ると塗装も日焼けしてやや寂しいがシンデレラ城のような風貌は変わらない。
その先は少し上り坂となり、立派なアーチ橋が見えてくるが、これが目黒通りに架かる『目黒新橋』である。立派な親柱と聖橋のような美しくフォルム、長さ25.7m、幅員22mある開腹アーチ橋。1933年に完成、近代土木遺産にも指定されている。
この辺りが権之助坂の底になる場所で橋のたもとには権之助坂の説明した青銅の碑が建てられているが、残念ながら裏に何と刻まれているかはよく読めない。
ここから目黒駅に向かうが標高差20mを登らなくてはならない。すぐに権之助坂商店街アーケードが始まるが驚くのは中華料理店とラーメン屋の多いこと。まるで中華街のようである。
目黒駅前にも鉄橋、これは山手線に架かっているものだが、ちゃんと『下目黒橋』と名前がつけられていた。