芥川龍之介の小説にありますが、今日の鼻は食べる為の鼻です
写真では、黒くて判り難いですが、二頭のイノシシの鼻です(まだ食べていませんが、美味しいそうです)
写真をクリックすると大きく見えます。
今日のブログはイノシシを殺して、解体する手順なので、気分が悪くなると思う方は読まないでください
殆どの日本人は、哺乳類の肉(牛や豚、羊、馬、等)は食べるけど、殺して解体して肉を取り出した事がないと思います。
実のところ「家畜」を飼っていても、法律があるから自分で殺して肉をとる事はできません
しかし僕は以前から非常に気になっていたのが「殺した事も解体したことも無いのに肉を食っている」事でした
魚の場合は、釣ったのから潜って突いたのまで、中にはヨットのデッキに飛び込んできたイカやトビウオまで殺して、解体して食べています
多分多くの人が、魚を殺して食べたことがあると思います
生きていたモノを食べる場合、基本は殺して、腹を開いて内臓を取り出し、解体して骨と肉を切り分け、その肉を焼いたり、炊いたりして食べます
最初に「殺し」が無ければ、肉は食えません。
ところが・・・動物の場合、現代では狩猟をしている人以外、殆どはこの一連の流れを経験する事が出来ません。
そんな事で狩猟をしない僕は、一度はその流れを経験し「肉を食う」と言う事がどんなことか肌で感じたいと思って、色々な人にお願いしていました
そして、そのチャンスが昨日やってきた訳です
はっきり言って興奮しました。
「殺す=食べる」対象は飼育されたイノシシ
最近の狩猟は鉄砲でなく、檻罠でイノシシを獲ります。
鉄砲と違い、檻罠は生きています
大きなイノシシの場合は、檻に入ったのを鉄砲で撃ったり、槍で刺して殺すそうですが・・・
「瓜坊」と呼ばれる、体に縞が残っているような小さなイノシシが獲れることも良くあり、それは殆どの場合飼育されます。
五千円とか一万円で売買されたりもしますが、いずれにしても誰かが飼って大きくして食べる為です。
ところが・・・飼っていると・・・犬や猫は勿論、牛でも豚でもイノシシでも「なつきます」
皆さんが食べている、牛も豚も生前は飼い主に「なついていた」んです。
しかし牛や豚は飼い主でなく「場」で殺されますが・・・
飼ったイノシシの場合「飼い主または誰か」が殺す事になります
その「誰か」がする作業とその後の全てを経験し体感したくて・・・
殺し方は、前脚の後から心臓に目掛けて刃渡り25センチほどの槍を突き刺します。(牛の場合は頭を大きなハンマーで叩き砕く)
下手に刺すと苦しみますが、うまく心臓に当れば、多少痙攣はありますが即死状態で、刺したところから大量の血が噴出します。
心臓は血を送るポンプと言うのがよく解ります
次に後ろ足を縛って吊るし、喉から頭を切りおとし血を抜きます。
次に下に下ろして、仰向けにし、喉から肛門まで腹を切り開きます
この時、内臓を傷付けない様、注意して浅く、少しづつ包丁を入れます。
腹が開いて、内蔵が見えると「もわ~っ」と生暖かい匂いと湯気のようなものを感じます
僕は「魂が天に昇っていく」ように感じました。
内臓は簡単に取り出せます。
この内臓の温度ですが・・・熱いほどの温かさに驚きます。
一度全部の内臓を出して、今回は心臓と肝臓だけを「食料」として選り分けました
それから、水で腹や体全体の血を洗い流しましたが・・これはイノシシの体温を冷やす役目も兼ねているそうです。
その後、後ろ足一本を縛って吊り下げ、その足の後から、皮をはいでいきます
皮を剥ぐ場合の注意点は、出来るだけ「脂」を身のほうに残し、皮だけを剥ぐように心がけました。
しかし・・・これには特殊な先端が丸くなっている包丁が便利で、僕が持って行った包丁ではなかなか進みませんでした
全部の皮が剥けると、その皮を広げ、その上に裸になったイノシシをうつ伏せに置きます。
そして四本の脚を切り外し、肋骨からはみ出している「ハラミ」を切り取ります。
次に背骨に沿って包丁を入れ、肋骨までの肉「バラ」をとります。
肉が無くなって脊髄と肋骨だけになったイノシシの肋骨を背骨から外し、脊髄は軟骨になっている所に包丁を入れ、小さく切って出汁用に。
脚は骨に沿って包丁を入れ、皮を剥くように肉を外します。
二頭のイノシシを殺す事から始め、肉になるまでの作業を四人でして約三時間でした
殺したからには・・・食べられる所は全て食べないと・・・と切り分けた肉の他、心臓、肝臓、二つの頭と足も貰って来ました。
そして今日、一日中外の流し台で格闘しました。
先ず耳を切り取り、鼻を切り取り、頭の皮を剥ぎ、頬肉やあちこちの肉をとり、最後に舌をとって・・・
耳は沖縄名物「ミミガー」にすべく、毛を剃って茹でて薄皮を剥いて冷蔵庫へ。(細く切ってポン酢や辛子醤油で食べる)(結構沢山のミミクソがあって・・可笑しかった)
鼻も茹でて、薄皮を剥いで冷蔵庫へ(耳と同じに食べる)
舌も茹でて薄皮を取って、これはめんつゆに少し漬けた後スライスして食べよと思っています。
足は「豚足」ならぬ「猪足」で茹でてあるので、これもポン酢にネギを刻んで・・・
肴が沢山出来ました
先ほど、肝臓をスライスして、焼いて塩コショウやケチャップソースで食べたんですが・・・
鮮度が良いからか?本当に美味しかったです
猪は害獣だけど・・・動物の「肉を食う」と言うのは、その動物の「命を食う」事だから、粗末にせず、出来る限り全てを食べなければ成仏してもらえないと思いました
ここ数日、我が倉庫ハウスに来てくれたら、猪足、猪鼻、猪耳、猪舌、心臓、肝臓に勿論「肉」もありますので味見が出来ますよ
写真では、黒くて判り難いですが、二頭のイノシシの鼻です(まだ食べていませんが、美味しいそうです)
写真をクリックすると大きく見えます。
今日のブログはイノシシを殺して、解体する手順なので、気分が悪くなると思う方は読まないでください
殆どの日本人は、哺乳類の肉(牛や豚、羊、馬、等)は食べるけど、殺して解体して肉を取り出した事がないと思います。
実のところ「家畜」を飼っていても、法律があるから自分で殺して肉をとる事はできません
しかし僕は以前から非常に気になっていたのが「殺した事も解体したことも無いのに肉を食っている」事でした
魚の場合は、釣ったのから潜って突いたのまで、中にはヨットのデッキに飛び込んできたイカやトビウオまで殺して、解体して食べています
多分多くの人が、魚を殺して食べたことがあると思います
生きていたモノを食べる場合、基本は殺して、腹を開いて内臓を取り出し、解体して骨と肉を切り分け、その肉を焼いたり、炊いたりして食べます
最初に「殺し」が無ければ、肉は食えません。
ところが・・・動物の場合、現代では狩猟をしている人以外、殆どはこの一連の流れを経験する事が出来ません。
そんな事で狩猟をしない僕は、一度はその流れを経験し「肉を食う」と言う事がどんなことか肌で感じたいと思って、色々な人にお願いしていました
そして、そのチャンスが昨日やってきた訳です
はっきり言って興奮しました。
「殺す=食べる」対象は飼育されたイノシシ
最近の狩猟は鉄砲でなく、檻罠でイノシシを獲ります。
鉄砲と違い、檻罠は生きています
大きなイノシシの場合は、檻に入ったのを鉄砲で撃ったり、槍で刺して殺すそうですが・・・
「瓜坊」と呼ばれる、体に縞が残っているような小さなイノシシが獲れることも良くあり、それは殆どの場合飼育されます。
五千円とか一万円で売買されたりもしますが、いずれにしても誰かが飼って大きくして食べる為です。
ところが・・・飼っていると・・・犬や猫は勿論、牛でも豚でもイノシシでも「なつきます」
皆さんが食べている、牛も豚も生前は飼い主に「なついていた」んです。
しかし牛や豚は飼い主でなく「場」で殺されますが・・・
飼ったイノシシの場合「飼い主または誰か」が殺す事になります
その「誰か」がする作業とその後の全てを経験し体感したくて・・・
殺し方は、前脚の後から心臓に目掛けて刃渡り25センチほどの槍を突き刺します。(牛の場合は頭を大きなハンマーで叩き砕く)
下手に刺すと苦しみますが、うまく心臓に当れば、多少痙攣はありますが即死状態で、刺したところから大量の血が噴出します。
心臓は血を送るポンプと言うのがよく解ります
次に後ろ足を縛って吊るし、喉から頭を切りおとし血を抜きます。
次に下に下ろして、仰向けにし、喉から肛門まで腹を切り開きます
この時、内臓を傷付けない様、注意して浅く、少しづつ包丁を入れます。
腹が開いて、内蔵が見えると「もわ~っ」と生暖かい匂いと湯気のようなものを感じます
僕は「魂が天に昇っていく」ように感じました。
内臓は簡単に取り出せます。
この内臓の温度ですが・・・熱いほどの温かさに驚きます。
一度全部の内臓を出して、今回は心臓と肝臓だけを「食料」として選り分けました
それから、水で腹や体全体の血を洗い流しましたが・・これはイノシシの体温を冷やす役目も兼ねているそうです。
その後、後ろ足一本を縛って吊り下げ、その足の後から、皮をはいでいきます
皮を剥ぐ場合の注意点は、出来るだけ「脂」を身のほうに残し、皮だけを剥ぐように心がけました。
しかし・・・これには特殊な先端が丸くなっている包丁が便利で、僕が持って行った包丁ではなかなか進みませんでした
全部の皮が剥けると、その皮を広げ、その上に裸になったイノシシをうつ伏せに置きます。
そして四本の脚を切り外し、肋骨からはみ出している「ハラミ」を切り取ります。
次に背骨に沿って包丁を入れ、肋骨までの肉「バラ」をとります。
肉が無くなって脊髄と肋骨だけになったイノシシの肋骨を背骨から外し、脊髄は軟骨になっている所に包丁を入れ、小さく切って出汁用に。
脚は骨に沿って包丁を入れ、皮を剥くように肉を外します。
二頭のイノシシを殺す事から始め、肉になるまでの作業を四人でして約三時間でした
殺したからには・・・食べられる所は全て食べないと・・・と切り分けた肉の他、心臓、肝臓、二つの頭と足も貰って来ました。
そして今日、一日中外の流し台で格闘しました。
先ず耳を切り取り、鼻を切り取り、頭の皮を剥ぎ、頬肉やあちこちの肉をとり、最後に舌をとって・・・
耳は沖縄名物「ミミガー」にすべく、毛を剃って茹でて薄皮を剥いて冷蔵庫へ。(細く切ってポン酢や辛子醤油で食べる)(結構沢山のミミクソがあって・・可笑しかった)
鼻も茹でて、薄皮を剥いで冷蔵庫へ(耳と同じに食べる)
舌も茹でて薄皮を取って、これはめんつゆに少し漬けた後スライスして食べよと思っています。
足は「豚足」ならぬ「猪足」で茹でてあるので、これもポン酢にネギを刻んで・・・
肴が沢山出来ました
先ほど、肝臓をスライスして、焼いて塩コショウやケチャップソースで食べたんですが・・・
鮮度が良いからか?本当に美味しかったです
猪は害獣だけど・・・動物の「肉を食う」と言うのは、その動物の「命を食う」事だから、粗末にせず、出来る限り全てを食べなければ成仏してもらえないと思いました
ここ数日、我が倉庫ハウスに来てくれたら、猪足、猪鼻、猪耳、猪舌、心臓、肝臓に勿論「肉」もありますので味見が出来ますよ