菅直人首相のやり方は小沢一郎前民主党幹事長と変わらないようだ。野党時代は多数派の暴挙と騒いでいたのに、与党になれば、平気で数の力で物事を決めようとするからだ。主義主張についても、一貫性がない。何が支持されているかというと、クリーンだというイメージが先行しているからだろう。その演出を手伝っているのがマスコミなのである。しかし、それでいて、やっていることは強権政治である。このままでは、民主党は予算委員会も開催せずに、16日で国会を閉めようとしている。難問が山積しているのを、国民に知られるのが嫌なのである。今日の代表質問に対する菅首相の答弁も、奇兵隊内閣を名乗っているわりには、内容が乏しかった。沖縄の普天間基地の移設問題について質問されたときに、菅首相が永井陽之助の『平和の代償』を持ち出したのには、ただただビックリしてしまった。永井がその本のなかで力説しているのは「自らの力で、周辺の善意ある第三者に対して、最小限度の安全感を与えるだけの政治的安定性と抵抗力を培養することは、現在のすべての国民に課せられた平和への最低限の義務である」と断じていたからだ。そして、「過小防衛は、過剰防衛と同じくらい、ハタ迷惑なのである」と主張したのだった。それは国家として武力行使をためらうことへの牽制球なのであり、平和憲法を否定することでもある。そこまで考慮して菅首相は発言したのだろうか。菅首相や民主党を支持している人たちは、一体それでいいのだろうか。ぜひともその意見を聞いてみたい。
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