IZUNOHANA’s blog

     後期高齢驀進中者の戯言

空蝉の庭・・・中秋

2009-10-07 09:44:09 | 空蝉の庭


[ ムラサキシキブ ]    

 [写真提供:O・Rさん(空蝉の庭のご主人です)]


「ムラサキシキブ」という植物を、私の脳に強くインプットされたのは、もう40年位前の晩秋だったと思う。
何の目的も持たずに、ぶらりと一人旅で、一週間位、信州方面へ出かけた折だった(当時はそんな旅をよくしていた。良い時代だったように思うが、単に私が無防備なだけだったのか・・・)。
どこからどこへ歩いたのか、すっかり忘れてしまったが、途中、中軽井沢辺りで、地元の人に浅間山の絶景場所に案内して貰う事になり、浅間山の対岸である小さな山を上って、まさに山裾まですっきりと見渡せる絶景の浅間山と対面した。
その道すがら、登山道などとは呼べないような山道を、枝を払い、ススキをかき分けて、ひたすら足元ばかりを見ていた私に、案内してくれた人が示してくれたのが、紫色の実が付いたこの木で、名前は「ムラサキシキブ」だと教えてくれたのだった。「浅間」には「ムラサキシキブ」がよく似合う・・・と、「太宰」を真似てみたりして・・・。
その後に鎌倉で「風情あるムラサキシキブ」を味わい、京都での「平安貴族を彷彿するムラサキシキブ」を堪能したり、いろいろ機会があったけれど、「浅間の秋の野に、なにげなく存在するムラサキシキブ」が鮮明に浮んでくるのは、最初というインパクトもあろうけれど、あの草叢の中で、人間の手を借りずに「種」を残していく為に、最善、最高の生命力を発揮していた姿だったから・・・と、私は説明付けているのだが・・・案外、一人旅の感傷だったりして・・・。


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コメント (1)
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