◇【途中中止】府中市美術館 企画展・春の江戸絵画まつり『ふつうの系譜 「奇想」があるなら「ふつう」もあります-京の絵画と敦賀コレクション』(2020年3月14日~5月10日)
5月4日の総理会見で、緊急事態宣言の全国一律延長が発表された。その影響で、一番ガッカリしたのは『ふつうの系譜』展の後期が公開されないまま中止になってしまったことだ。金子信久先生の「『ふつう展』日記」によれば、わずか17日間の開館中に三千人のお客さんが見たという。私もそのひとりだ。でも後期は、ほぼほぼ全作品が入れ替わるはずだったし、今回のメインビジュアルだった、敦賀市立博物館の「姫」(土佐光起『伊勢図』)に会えなかったのが本当に残念。それにしても「ふつう」展が、こんな「ふつうじゃない」事態に巻き込まれるとは、ちょっと皮肉な感じがする。
ついでなので、新型コロナウイルス感染症の影響で、見られなかった展覧会の数々をメモしておく。
◇【途中中止】奈良国立博物館 特別展『毘沙門天-北方鎮護のカミ』(2020年2月4日~3月22日)
◇【途中中止】大和文華館 特別企画展『水のめぐみ 大地のみのり-野菜、果物、魚介の美術-』(2020年2月21日~4月5日)
これらは3月下旬に関西に行ったら見ようと思っていたのに、直前でどこもバタバタと休館になり、そのまま終了してしまった。
◇【開催中止】東京国立博物館 特別展『法隆寺金堂壁画と百済観音』(2020年3月13日~5月10日)
◇【開催中止】大倉集古館 企画展『彩られた紙-料紙装飾の時代-』(2020年4月4日~5月24日)
そして、いつの間にか中止が決まっていたのがこれら。百済観音の東京での公開は23年ぶり(見に行っていないけど覚えている)だったのに、誰の目にも触れずにお帰りになってしまった。
以下は、東京地区で、開催が延期になっているもの。会期が5月中のものは、このまま中止の公算が大きい。6月以降まであるものは、まだ短縮開催のチャンスがあるかもしれない。
◇【延期/未定】国立歴史民俗博物館 企画展示『昆布とミヨク-潮香るくらしの日韓比較文化誌』(2020年3月17日~5月17日)
◇【延期/未定】東京国立博物館 ユネスコ無形文化遺産 特別展『体感! 日本の伝統芸能-歌舞伎・文楽・能楽・雅楽・組踊の世界-』(2020年3月10日~5月24日)
◇【延期/未定】東京藝術大学大学美術館 御即位記念特別展『雅楽の美』(2020年4月4日~5月31日)
◇【延期/未定】東京国立博物館 特別展『きもの KIMONO』(2020年4月14日~6月7日)
◇【延期/未定】日本民藝館 特別展『洋風画と泥絵 異国文化から生れた「工芸的絵画」』(2020年3月31日~6月14日)
◇【延期/未定】国立科学博物館 特別展『和食~日本の自然、人々の知恵~』(2020年3月14日~6月14日)
◇【延期/未定】江戸東京博物館 特別展『奇才-江戸絵画の冒険者たち-』(2020年04月25日〜6月21日)
以下は関西方面。大和文華館は、今年、開館60周年で『コレクションの歩み展』IとII、そのあとも力の入った展覧会が続くのに出鼻をくじかれて残念である。もっと可哀想な京都京セラ美術館(旧・京都市美術館)は、リニューアルオープンが延期になってしまった。
◇【延期/未定】大和文華館 大和文華館開館60周年記念『コレクションの歩み展 I』(2020年4月10日~5月17日)
◇【延期/未定】京都国立博物館 西国三十三所草創1300年記念特別展『聖地をたずねて-西国三十三所の信仰と至宝-』(2020年4月11日~5月31日)
◇【延期/未定】MIHO MUSEUM 『MIHO MUSEUMコレクションの形成-日本絵画を中心に-』(2020年3月14日~6月7日)
◇【延期/未定】京都京セラ美術館 館開館記念展『京都の美術 250年の夢.第1部 江戸から明治へ:近代への飛躍-江戸の綺羅星(スーパースター)から明治の京都画壇へ』(2020年4月18日~6月14日)
◇【延期/未定】大阪市立東洋陶磁美術館 特別展『天目-中国黒釉の美』(2020年4月25日~8月16日)
半年以上、会期を後ろ倒しにしてしまったのはみんぱく。これは正しい判断だったと言えよう。
◇【開催期間変更】国立民族学博物館 特別展『先住民の宝』(2020年3月19日~6月2日)→(2020年10月1日~12月15日)
いま、一番気になっているのは、6月から始まる以下の展覧会である。果たして聖林寺の十一面観音さまの東京での初公開は実現するか。実現してほしいけれど、「密」を避けて鑑賞するのは難しそうである。
◇東京国立博物館 特別展『国宝 聖林寺十一面観音-三輪山信仰のみほとけ』(2020年6月16日~ 8月31日)