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裁かれるは善人のみ

2016-01-20 | 2016外国語映画評


「裁かれるは善人のみ」 アンドレイ ズビャギンツェフ監督 ロシア  ☓☓☓☓☓

 アメリカで実際に起きた再開発を巡る悲劇的事件を元に、無実の罪を問われ財産を失った男の物語や旧約聖書、トマス ホッブズの「リヴァイアサン」などを織り交ぜ、舞台をロシアの北部に設定して、理不尽な悲劇と圧倒する自然、そして立ちはだかるロシア正教会の雄大なドラマに仕上げました。
 入江に面した小さな町で自動車修理を営むコーリャは妻リリアと息子の3人で暮らしていました。強欲な市長ヴァディムはコーリャの土地を買収しようとします。コーリャは友人で弁護士のディーマをモスクワから呼び裁判に臨みます。ディーマはヴァディムの悪事を明るみに出すと交渉しますが、悪事にかけてはヴァディムの方がずっと上手であれよあれよというまにディーマもコーリャもリリアも息子も不幸のどん底に落とされて行くのでした。
 真に神を必要とする人には背を向け、裕福な者達のみに微笑む絢爛豪華な教会、権力を握るものだけが持つ暴力的支配、不平等な社会を「これでもか」というほど描いています。それでも私たちは正直に生きなければいけないのでしょうか。
 辛い物語ですが、映像の美しさと音楽が観客への救いとなっています。
 タバコは、登場する大人のほとんどが喫煙者で、(☓☓☓☓)少年も喫煙します。(☓)奇妙なことに悪役は喫煙しません。悪役の俳優はかなりメタボで喫煙すると危険だったのかもしれません。また、ウォッカなどをがぶ飲みし、その上車の運転もしてしまうというロシアのいい加減さはいかがなものでしょうか。


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