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「暗殺の森」(1970年) ベルナルド ベルトリッチ監督 伊仏西ドイツ ☓
日本では1987年の「ラストエンペラー」で有名なベルトリッチ監督の40年以上前に公開された名作のデジタルリマスター版です。
第二次世界大戦前夜のヨーロッパを舞台に少年期の罪の意識を抱えながら、おとなになった青年がファシストの暗殺者へと変貌していくさまを描きました。命令には冷酷に従うマルチェッロ(ジャン ルイトランティニャン)は反ファシズムの大学教授暗殺を命じられ、教授夫妻に近づきます。しかし、若く美しい夫人(ドミニク サンダ)に心を奪われます。一方、マルチェッロはプチブルの娘との婚約の話も進んでいました。愛しい気持ちと絶対的な命令の間で揺れる気持ちを暗く寒々しい風景で描いています。
息を飲むような美しい場面とくすんでうら寂しい風景がどちらも心に残る作品で「映画は芸術である」ということを再確認させてくれます。デジタルリマスターという技術のおかげで名作が復活するのは嬉しいことです。
タバコは、何人かが喫煙しました。製作の時代を考慮し(☓)です。