無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

恋人たち

2016-03-16 | 2016日本語映画評


「恋人たち」 PG12 橋口亮輔監督 ☓☓☓☓☓ PP JT

 映画評でタバコが登場することはわかっていたので鑑賞の優先順位が低かったのですが、「キネマ旬報」でベストワンになったので、一般の批評家たちが選ぶ基準を勉強するために観ました。
 妻を通り魔に殺されてから橋梁点検というまっとうな仕事をしているにもかかわらず、弁護士への費用などで経済的にも逼迫し、生きることにも絶望しているアツシ(篠原篤 キネマ旬報新人俳優賞受賞)、パートで弁当屋で働き夫と姑の世話をしている皇室と少女趣味のイラストや小説を書いている瞳子(成嶋瞳子)のちょっとした不倫、アツシが相談するゲイの弁護士(池田良)と恋人との別れ、などが描かれています。
 ほとんど新人と思われる俳優が何人かの主役を演じ、そういう意味では新鮮な作品です。新鮮といえば「皇室」ネタが取り上げられているのも新鮮です。ただ、市井の中でそれぞれ悩み苦しみながらも生きている人々を描いているだけでラストでも何も問題は解決せず、「目をつぶったり」「諦めたり」することで「これからも生きていく」でしかない作品です。
 ベテランの脇役、光石研、安藤玉恵、黒田大輔、山中崇、などがそれぞれの役どころをしっかりおさえていました。
 個人的には、夫が食事中に茶碗を投げるなどの暴力は本当に許せないです。こういう暴力は放っておいていいのでしょうか。
 タバコは、あからさまにJTがスポンサーになっているだけに登場人物の殆どが喫煙者という作品でした。タバコ会社から資金を受けているような作品に「芸術文化振興財団」が補助金を出すというのも日本ならではの奇妙な対応です。


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キャロル

2016-03-16 | 2016外国語映画評


「キャロル」 PG12 トッド ヘインズ監督 米 ☓☓☓

 1950年代初頭のニューヨークを舞台に美しい夫人と若い女性の愛を描きました。
 デパートの店員になったテレーズ(ルーニー マーラ)は買い物に来たキャロル(ケイト ブランシェット)に一目で憧れます。忘れていった手袋を届けたことがきっかけとなり二人は親しくなります。実はキャロルは離婚訴訟中で、娘の親権を夫と争っていましたがキャロルの過去の素行が「道徳的条項」に触れ訴訟は不利になっていました。そんな中テレーズは小旅行に誘われキャロルとともに気が向くままの旅行に出るのですが・・・。
 時代的に許されなかった同性愛を当時の経済的に裕福だった社会状況を背景に贅沢なファッションと美貌の二人の女優で描きました。筆者は個人的に「耳に残るは君の歌声」以来今世界で一番美しい女優はケイトだと思っているのですが、今作でも美しかったです。ラストには拍手。
 タバコは、大問題です。時代がそうだったのかもしれませんが、美しいキャロルが完全なニコチン依存症で、周囲の友人たちもほとんどが喫煙者の設定でした。テレーズも大人のキャロルの真似をして喫煙者になってしまいます。ケイトのシワが増えたのも年齢のせいだけではないのでしょうね。役柄とはいえこの作品だけでかなり吸わされました。気の毒なことです。(☓☓☓)


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マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章

2016-03-16 | 2016外国語映画評


「マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章」 ジョン マッデン監督 英米 ◯
 
 2013年公開の「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」の続編です。
 人生の終盤をインドのシャイプールのおんぼろホテルで過ごしているイギリス人の高齢者たちのもとに新たなメンバーが加わったり、オーナーのソニーの結婚問題がこじれたり、恋や仕事の話も盛り上がり、それぞれ「今が最高の時」を生きているのでした。
 「同じ英語」を話すイギリス人とアメリカ人との微妙な違いや、英語が公用語のひとつでもあるインド人たちとの言葉の壁がないコミュニケーションが、カトコト英語しか話せない筆者には興味深くもあり羨ましくもあります。そして、「今が最高の時」というラストにはこれから彼らの年齢に近づいていくことに勇気を与えてくれます。
 タバコは、なし。タバコを吸っていると健康寿命が短くなりますね。


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