「もみの家」 坂本欣弘(さかもとよしひろ)監督 ○ 製作委員会
さまざまな問題を抱えた若者たちを農作業体験と共同生活を通じて生き続けられるよう取り組んでいる「もみの家」を舞台に学校に通えなくなった少女の成長を描きました。
16歳の彩花(南沙良)は学校でどう振る舞っていいのかわからずなんとなく通えない状態が続き、母親(渡辺真起子)はなんとかしなくては、と「もみの家」に強引に彩花を連れてきます。はじめは野菜も食べられず田んぼの仕事などとんでもなかった彩花ですが、もみの家を主宰する佐藤夫妻(緒形直人、田中美里)や仲間たち、農作業の指導者、そして励ましてくれたご近所さん(佐々木すみ江)と関わることで活きる力を取り戻すのでした。
「なにもない、というかイオンしかない。」と言われている富山の田園地帯ですが、その自然の美しさと地域で毎年繰り返されてきた獅子舞という地域伝統芸術は見ているだけでも豊かな気持ちになります。主演の南沙良の成長も見どころですが、彼女を支えるベテラン俳優のさりげない競演が作品に安定感を与えています。
タバコは、なし。無煙です。(○)