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「燃えあがる女性記者たち」
リントゥ トーマス、スシュミト ゴーシュ共同監督 インド◯☆☆☆
インドの被差別階級の女性たちが立ち上げた新聞社「カバル ラハリヤ(ニュースの波)」を追ったドキュメンタリー映画です。
北部のウッタルプラデーシュ州にある女性だけで立ち上げた新聞社はスマホの時代となり紙媒体からデジタルメディアへ新しい挑戦を始めます。スマホは英語表記だから全くわからない、と怖気づくメンバーへは丁寧に教え撮影の仕方なども練習します。
一方、被差別カーストの女性たちを巡る社会や家庭内の父親や夫の対応は厳しいものもあります。それでも14歳で結婚し子どもを親に預けおっぱいをあげながら学び続けた主任ミーラを始めメンバーたちはなんとか折り合いをつけながら仕事を続けるのでした。
働く女性のたいへんさ、女性だから受けるさまざまな暴力、その上カーストによる差別などの問題を考えさせられました。男たちはといえば「ヒンズー至上主義」みたいになっていて、モディ首相の真の姿を垣間見ることもできました。宗教で対立させ社会の課題を見えにくくさせているのはリーダーとしていかがなものでしょう。
ジャーナリストが殺されたニュースが入りますが、めげずに屈強な男性たちに囲まれながらも毅然としてインタビューを続ける彼女たちに拍手です。
テーマは重いのですが親睦旅行の楽しそうな場面やエンディングの音楽が観客の女性たちを「あなたもがんばって!」という励ましになっています。
タバコは、なし。無煙です。無煙映画・外国映画賞候補