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「首」 R15+ 北野武監督 ◯
北野武監督が30年の構想を経て実現した贅沢な俳優とスタッフの起用による、戦国大スペクタクルであり、お笑いであり、そして、彼の思う通りの演出が実現し、たくさんの労働を生み出したという点でも超大作です。
天下統一を目指す織田信長(加瀬亮)ですが、毛利、武田、上杉と戦は続いている中、荒木村重(遠藤憲一)が謀反を起こし雲隠れします。信長は自身の後継となることをチラつかせ家臣の明智(西島秀俊)、秀吉(ビートたけし)らに村重の捜索をさせます。秀吉は弟の秀長(大森南朋)や軍師黒田官兵衛(浅野忠信)とともに策を練ります。彼らのもとには芸人上がりの情報屋(木村祐一)や、秀吉のようになりたい農民(中村獅童)などが絡んでくるのでした。
武士だけでなく芸人や農民の物語にしたところが新鮮です。また、たけしと大森、浅野の三人漫才も笑わせてくれました。
タイトル通り生首がポンポン飛びますが慣れてしまうと生々しさもあまりなく「よくできているなあ」と感心する場面すらありました。
少年に対するセクハラ事件が問題になっている今、信長と蘭丸などはみんなが知っている関係ですがそれだけでなく、武士たちがそれぞれ恋愛問題を抱えていたとは新鮮な解釈の時代劇です。
タバコは、なし。無煙です。