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「PERFECT DAYS」 ベム ベンダース監督 日 ✗PPピース
2023年76回カンヌ映画祭で役所広司が男優賞を受賞した作品です。
トイレ清掃員の平山(役所広司)は誠実に仕事をし、毎日淡々と同じことを繰り返しているように見えますが、小さな楽しみや発見に満ちた新鮮な日々を送っていました。フィルムカメラで木々の写真を撮ること、車内で好きな曲をテープで聴くこと、寝る前には古書店で買った文庫本を読むこと、眠りにつくと今日の出来事がまぶたをよぎり穏やかな眠りにつきます。
そんな日々も闖入者の登場でかすかに揺らぐのでした。
THE TOKYO TOILETプロジェクトで改修された公共トイレがそれぞれ魅力的で、平山のおかげか(?)大変綺麗です。トイレ掃除のコツがわかります。さすが、TOTOさんが監修しているだけのことはあります。
アナログな平山の姿はシニア層の観客を喜ばせてくれます。テープを売ったり処分したりすることは止めて久しぶりに再生して聞いてみようと思った人も多いのではないでしょうか。
隠れた名優をあちらこちらに贅沢に登場させています。
エンドロールのあとにおもけがあります。明るくなるまで席を立たないように。
平凡な一日を大切にしたくなる作品です。が・・・。
タバコは、無煙映画の俳優賞に推薦しようかなと思い始めたラスト近くでなんと腹立ちを晴らすためにアルコールとタバコに頼るという昭和的な姿にがっかりしました。名優二人が喫煙するシーンでの健康被害はスモークハラスメントです。(ふたりとも久しぶりに吸うためか咳き込んでしまう)ドイツにはタバコ規制がないのでしょうか?