「かなさんどー」 照屋年之監督 ◯ ☆☆
「洗骨」の照屋が伊江島を舞台に父母娘の姿を描きました。沖縄先行上映です。
赤嶺美花(松田るか)は「病気の父親(浅野忠信)がもう長くない。」と電話を受け仕方なく帰省します。美花は母親町子(堀内敬子)が倒れた時電話に出なかった父親を許していませんでした。実家で母の日記を読んで母の本当の気持ちを知り、認知症が進み美花を町子と間違えている父親の最後の時を演出するのでした。
伊江島の自然が美しく、それだけではなく冒頭の口紅を塗る場面が大変官能的に映画に引き込みます。堀内と浅野のやりとりが軽妙ですが、あちらこちらに笑いの小ネタもあります。笑いに暴力やいじめがなく気持ちよく笑えます。吉本のお笑いというと、どついたりいじめたり嗜虐的自虐的な印象ですがそれはまったくありませんでした。
演出がうまくラストにちゃんと感動が待っています。(☆)
個人的には伊江島が舞台なのでチラッとでも反戦平和資料館「ムチドォタカラ(命は宝)の家」映してほしかったけれどまあ無理ですね。
テーマ曲「かなさんどー」は、沖縄民謡の前川守賢の曲で歌唱指導は古謝美佐子さんがしているようです。
タバコは、なし。無煙です。那覇の街なかでは受動喫煙被害で不愉快になることが多いのですが無煙で素晴らしい。伊江島は葉タバコ栽培を未だにしていますがそれが映らなかったのも良かったです。(☆)