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「型破りな教室」

2025-01-20 | 2025映画評

「型破りな教室」 PG12 クリストファー ザラ監督 メキシコ△ ☆

 犯罪と貧困が隣り合わせのアメリカとの国境近くのメキシコの小学校教師が試みた授業を描きました。

 セルヒア(エウヘニオ デルベス)は出産した教師の代理で学力は国内最低、教育設備も教師のやる気もないマタモロスの学校に赴任しました。彼の教育方法は生徒の意識を変えることで自発的に学ぶ力、学ぶ方法を育むことでした。テストの点数を上げることが教師の役割だと勘違いしている他の教師からは疎まれますが校長(ダニエル ハダット)はセルヒアにうまく乗せられ協力してくれます。生徒たちの表情が変わり軌道に乗りつつあったクラスの中で悲しい出来事が起きるのでした。

 冒頭の軍隊のような「従順で秩序正しい国民になるための」朝礼とは真逆の、教室を海に見立てボートに全員が乗って助かるためにどうしたらいいか?という問い掛けから始まる授業は確かに型破りですが、子どもたちからのさまざまな角度から生じる疑問に対応するのは教師の力量も試されています。

 謎を解く面白さ、仮説を検証する科学、生きることを問う哲学・・・。現実的には犯罪に加担したり、母親代わりのヤングケアラーで学校に通えなかったりする子もいますが、なんとかそれぞれが持つ可能性を育てたいものです。

 直接子どもの教育に携わる人だけでなく社会全体で教育を考える参考にするためにもおすすめの作品です。(☆)

 タバコは、犯罪者たちが吸っていたかもしれませんが、マイナスイメージなので△です。

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