
「人生、ただいま修行中」 ニコラ・フィリベール監督 仏 ○ ☆
看護学校で学ぶ生徒の成長する姿を追ったドキュメンタリー映画です。
パリ郊外の看護学校には、人種、宗教、出身国、母語そして性別や年齢が異なる様々な学生が看護師になるための勉強をしています。教室で学ぶだけではなく技術訓練の実習、そして実際に患者と向き合う研修を行います。ときには、失敗したり壁にぶつかったりしますが、カウンセリングをする大人たち(カウンセラーか指導者かは不明)と話すことで立ち直り再び目的に向かっていくのです。
40人の学生がそれぞれ自分の個性を発揮しているファッションとヘアスタイルにまず驚かされます。日本だったらみんな同じような服装で画一的なイメージがありますが、ここでは授業中の座り方や姿勢などが全く自由でつまみ食いをしていても注意をされません。そんな些末なことを厳しくするよりも看護師として本当に大切なことをきちんと学ぶことを優先しているようでした。指導者たちのファッションも学生と同じように個性的でした。指導の内容も技術的なことよりもまず、自分がなぜこの職を目指すのかという目的性をきちんと捉えさせ自身と向き合わさせるカウンセリングが大変見事でした。原題「DE CHAQUE INSTANT」のようにラストの瞬間の目が印象的です。こういう指導をしているフランスが羨ましいです。(☆)
演技ではないけれど、研修中の看護師から注射をされるときの患者の不安そうな表情やうまくいったときの安堵の表情が大変面白かったです。
タバコは、なし。無煙です。ただ、訪問看護か不明ですが、屋外で、歯がほとんどない高齢の女性が自分で何かを紙に巻いて口にくわえ火を点けようとしそこでカットという場面はありました。