先日お城巡りで登城した、清須城。ここが舞台になった小説を読む。「清須会議」、久しぶりに面白かった。この文庫本、著者は三谷幸喜氏、別に名作と言うわけではない、清須会議という映画があったが、このストーリーのようだ。そして全編、現代語でシナリオになっている。こシナリオでそのまま映画が撮影できるようだ、面白い構成だ。
登場人物は、会議に出席する羽柴秀吉、柴田勝家、丹羽長秀、池田恒興等の武将、それに犬千代(前田利家)、黒田官兵衛、お市の方、秀吉の妻寧々、三法師の母親松姫、織田兄弟の信雄、信孝などだ。
主役は、羽柴秀吉と柴田勝家。その行動から見ると、秀吉がだいぶ上だ。勝家は、織田家を再興しようとしているが、秀吉は自分が天下取りをしようとしている。そこが全く違う。さすが、トップに立つべき人は、高い目標を持っている。秀吉の場合、論理力は黒田官兵衛が知恵を出し、コミュニケーション力は本人が秀でている。
高い目標では、イチローや、本田圭祐などは子供のころから高い目標・夢を持っていて、それを大変な努力で実現した。秀吉もいつの頃か天下人を夢見て、その実現に努力した、その一部が清須会議だろうと想像する。
戦国時代に「会議」とはやや不思議だが、同じ織田家中の出来事、いきなり戦(いくさ)もできないだろう。戦国だが、会議になる。
議長や会議メンバーを誰にするか、そしても最も重要な、「根回し」はどうか、など、現代と全く同じだ。私もサラリーマン時代は、同じ悩みを持ち、どうやって会議を運営して行こうか、試行錯誤していたから、この文庫本は、よくわかる。サラリーマン諸氏、面白いですよ!