お城巡りの後は、養老渓谷の養老温泉へ。明るいうちに養老の滝へ。この滝は粟又の滝というそうだが、別名養老の滝ともいう。養老の滝って、若い頃は会社帰りに、よくこの名の飲み屋に入ったものだが、いまでも養老の滝、あるんだろうか。
(滝つぼへ)
(展望台から)
そして、宿の温泉に入る。ここの温泉は、温泉分析書が幾つも掲げられている。何かと思い眺めると、ちょっと変わったことが書かれている。「温泉法2条の規定するメタケイ酸の項により、温泉に適合する。ただし、療養泉に該当しないので泉質名は無い」だ。
(宿の温泉の入口)
(温泉分析書の一枚)
これ良くわからないので、自宅に帰ってから、温泉ソムリエのテキストで確認した。2021年4月版のテキストは458頁もあるため、たぶん書いているだろうと、確認。
〇 まずこの温泉、泉温は、15℃程、泉温は25℃以上、この項目じゃ温泉にはなれない、ダメ。
〇 溶存物質の総量は、0.588mg、これも1g未満でダメだ。こうなったら鉱泉分析法指針7成分と温泉法の19成分とに比較になる。どちらかに一つでも該当すれば温泉になる。
〇 まず、鉱泉分析法指針の7成分と比較するが、引っかかる成分と成分量はない。指針に引っかかると「療養泉」と名がつく。昔からの名泉は皆これだ。これもダメ。
〇 もう一つの判定の温泉法の19成分のうち、唯一、メタケイ酸が63.7mgで、50mg以上の基準に引っかかった。しかし、温泉法の方では、泉質名がつかない。
〇 その代わり、温泉分析書には、判定を書くことになっている。そうかこれで、「温泉には適合するが、泉質名は無いと判定」となる。納得だ。そしてこの温泉は、低張性・弱アルカリ・冷鉱泉となっている。
なかなか、難しいね。温泉分析書マスターにとっては、歯ごたえのある温泉であった。帰りに頼朝伝説というお土産のお菓子を見かけた。先日鎌倉殿の十三人で、頼朝が石橋山の戦いで負けて、千葉に逃げたシーンがあった。これか。