kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

すごい成長

2015-06-03 | 陸上競技
全ての話しが終わってから幅跳びに出場した女子が結果を報告しに来てくれました。「3本ともファールで記録を残せなかった」と涙ながらに話してくれました。とにかく「悔しい」と。2年間、先輩が幅跳びを教えてくれたとのこと。その先輩が応援に来てくれたのに結果を残せなかった。先生と記録を出すと約束してここに来たのに測ってもらうことさえできなかった、と。それほどまでに競技と向き合えていたのかは分かりません。が、この子の陸上競技生活はこれで終わりになるのです。

この子はリレーの3走を走っていました。リレーに関しては本当に最高の思い出になったと言ってくれました。リレーに出た事がなくて1年生が入ってくれて何とか出場できた。バトンが渡せるかどうか不安しかなかったけど、この2ヶ月間きちんと練習をしてきて良かった、と言ってくれたのは私的に本当に嬉しかったですね。強くなってもこういう気持ちを持ち続けないといけないんですよね。

全体の話しが終わってからわざわざ残って私なところに来てくれました。直接私に結果を伝えたかった、話しをしたかったと。いや、なんなんでしょうね。たった2ヶ月ですが本当に成長してくれたと思います。積極的に何かをやる子ではなかったのですが、2ヶ月間なんだかんだありながらしっかりとやってくれました。いきなり来た私の練習についてきてくれた。シャフト補強などのトレーニングでも手を抜かず取り組んでいました。まー私から「手を抜くな~」「最後までしっかり!」と叱咤激励されながらですが、できる事をやっていたのです。

言い訳せずに3本ファールの話をしてくれました。涙ながらですが。悔しくて悔しくてたまらないと。こういう純粋な選手と時間を共有できるのは幸せな事だと思います。負けて素直に悔しいと言葉にできる。選手によっては言い訳をして、本当はもっとできたのにという者もいます。が、それは現実から目を背けて夢の世界でやっているのと同じ。何も変わらないのです。こういう気持ちは絶対に次につながります。悔しいと思えるのはそれなりに理由があるのでしょう。総体で負けて涙しない選手もたくさんいるのです。この選手は2ヶ月で大きく心の変化があったのだと思います。本当に素晴らしい。

やはり出会いというのは大切です。こうやってきちんと気持ちを伝えるために来てくれるというのはありがたいことです。私もそれが当たり前ではないという感覚を持ち続けていきたいと思っています。私に出会ってくれてありがとう。心からそう思います。
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神様の力を借りれるチームになる

2015-06-03 | 陸上競技
県総体の2日目、うちのチームからは100m男子1人&幅跳の女子1人が出場しました。

100m男子は風が安定しない中で行われました。前半の組は追い風、うちの選手が出場する時は向い風。結果的にうちの選手は向風1.2mの中で11秒67。自己ベストが昨年秋に出した11秒63、追風1.9mです。春先からそれ程記録が出せていなかったですからこれは良く力が出せたのではないかと思っています。この2ヶ月でかなり力が戻った気がします。冬季練習を越えてはいますが、やはり足りなかった部分はあると思います。結果的に予選通過出来ませんでした。5組2着+6でしたが、プラスの7番目でした。あと1人で準決勝。6番目の選手は追風1.4mで11秒64。勝負事に「たられば」はありません。しかし、風が追っていたら間違いなく11秒5台に入れていたと思います。それでも勝負はシビアなのです。7番目ではラウンドは進めません。

幅跳選手の試合結果、実は確認できていませんでした。大会役員で一番大変な2日目、マイルと格闘していました。全く競技を見ることが出来ない部署ですからこの時間の前後は必死ですした。そのこともあってこの日は全体を残らせることにしました。前日は試合でバタバタしているうちに解散になっていましたから、一言も選手と話していませんでしたから。

翌日は全体が集まることはありませんでした。だからこそ、きちんと話をしておきたいと思っていました。長距離は指導に関してはかなり距離を置いています。が、チーム全体のことを考えると同じ方向を向くチーム作りが必要になると思っています。関わりが少なくてもチームとしての取り組みについては考えていかないといけないと思います。

私は陸上競技には「神様」がいると思っています。ロマンチックな話ではなく、実際にいると思っています。これは「運」の話になると思います。大学4年生の時に大学の恩師から言われたことです。地区インカレの予選、私の組は53秒台を持っている選手が2人と私がいました。2着取りだったのでそれ程流せず53秒2くらいで予選を通過しました。肉体的には余裕だった都思っていました。しかし、私のライバルの組は比較的楽な組で全体的に流して54秒後半で1着通過。決勝では350mまでは並んでいましたが最後の一押して負けてしまって優勝を逃しました。

この時に恩師は「運を引き寄せられなかったのは自分の責任。その時点で勝てなかった。」と言われました。本当に強い選手は「運」さえも味方につける、と。さらにその後、全日本インカレへの出場が決まって東京に出発する前にも色々と話を聞きました。「ここまで来れたのはお前1人の力ではない。多くの人に支えられてきたからだ。スタートラインに立った時、その事に感謝して走りなさい。」と。技術的な指導を受けてはいませんでした。が、こういう「心」の部分の影響は多大に受けています。特に学生時代の私は「自分でやっている」という感覚が強くありましたから、そこを諭されていたのだと思います。

この話はしませんでしたが、「陸上競技の神様」の話をしました。50人近く人数がいます。本気で取り組む選手がいても「適当」にやっていたり、裏表があるような行動をしている選手が多ければ神様はこちらを向いてくれません。男子選手の100mの話をしました。チームとして「運」を味方につける事が出来なかったのです。だから風が助けてくれなかった。個人の話ではなく、チームとしての取り組みだと思っています。

今回は全員、チームジャージとチームTシャツでの行動を義務付けました。周りから「hosho」という目で見られる事を意識させるためです。まだまだ遊び半分の者もいます。部活動全員加入になっていますから仕方ない部分もあると思います。が、このままでは「一生懸命にやりたい」と思っている選手にマイナスになります。チームとして同じ方向を向けないようなら辞めてもらう方がいいと思います。自由参加ではダメだと思っています。その空気を感じ取れない選手も多々いるのです。どこを優先するかを考えられないチームにはしたくありませんから。

多くなると話しもなかなか入りません、裏表ないチーム作りをしていきたいのですが、その意味もわからない選手がたくさんいます。そんな状態では神様は味方をしてくれない。やるだけの事を全てやって、プラスアルファでやるべき事もあります。周りに気を使ったり、困っている人に手を差し伸べたりする。重い荷物も持っている人がいれば自然と助けられる。そんな選手になれれば神様はきっと力を貸してくれる。本気でそう思っています。

全体にかなり話しをしました。こんな話しをバカみたいに真剣に話すというのはどうなのか分かりません。が、本気で思っています。そんなチームにしたいのです。神様が最後の最後に助けてくれるチーム。目指していきます。そのためには、やるべき事を全てやっておかないとダメだと思っています。手を抜かす全力で。裏表なく。力があるなしではなく、そうやって純粋に物事に向き合える選手を育てたいと考えています。
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なるべくしてなる

2015-06-03 | 陸上競技
時を同じくして男子の4継もありました。こちらは上手くいけば勝負できるのではないかと考えていました。3年生がきちんとエースとして存在しています。これに「強くなりたい」とチーム1考えている2年がいます。この二人を中心に前半から逃げまくるレースをしようと考えていました。

支部大会の結果を受けて県選手権でメンバーを決め直すと選手には伝えていました。その結果3走を変えて勝負る事になりました。が、変わった1年生3走は故障が多い。身体ができていないのもあるでしょうがこちらも無理はさせていません。ほとんど練習ができていない中で4番目のタイムで走っていたので選んだのですがなかなか思うように練習が積めません。

更には1年生の不注意で3年生エースに怪我をさせてしまいました。そのため数日間エースが練習できない状態へ。下手をすると県総体に出場出来なくなる危険性もあったのです。この意味が分かっているのでしょうか?かなり厳しく指導はしました。温度差があるのですから仕方ない部分かもしれませんが、総体に出場する選手をサポートするべき人間が足を引っ張るというのは考えものだと思います。チームとして機能しない。

更に総体前日、総体当日とまた3走が足が痛いと言い出す。バトン合わせさえもできませんでした。前半の2人はめちゃくちゃ走れるようになっていました。2年生エースはスピードレベルがワンランク上がった感じがありました。それにより戦えるかもしれないという感じがありました。予選を通過すれば2本走れる。これが下級生には財産になる。3年生にはずっと「下級生を育てて欲しい」と伝えていました。が、この状態できちんとバトンがつながるのか?女子とは大きく違う状態がありました。

レース、こちらの狙い通りのかたちで進みました。1走が抜群の走りを見せ2走へ現時点での最高のバトンパスができました。その勢いでかなり上位で3走へ。が、こちらが危惧した通り、早出をしてしまいました。こうなることもあるだろうと予測はしていたので対策はしていましたが、どれだけ止めてもスピードを緩めなかったようです。明らかに準備不足が出た結果です。結局、この区間で失格となりエンド。男子はやり切ることが出来ませんでした。3年生エースは涙していました。当然だと思います。個人レースがあるとはいえ、このメンバーでリレーをするのは最初で最後。それを形に残せなかったのです。

「なるべくしてなる」のです。これだけきちんとバトンができない、練習が出来ない状態で誤魔化そうとしても無理なんだと思います。当然の話です。大切な試合の前に怪我をしてしまう。最後のレースになる部分に向けて準備ができていないのです。練習は正直。やったいない者が結果を残せるほど甘くはないのです。それは厳しいようですが、現実として存在するのです。

結局失格した男子チームは私のところに来ませんでした。ここはいただけません。きちんと報告する必要があると思います。ショックであれ、礼儀は果たす必要がある。この部分も含めて指導していく必要があると思っています。まだまだ心の部分を育てていかないと感じました。ここが変わらないと次も同じ事になる。改めてそう感じました。

ここがスタートライン。この失敗に関してきちんと指導できるかどうかでチーム作りは変わってきます。なるべくしてなる。そこの原因をきちんと指摘していけるかどうかです。成長するための大きな失敗だったと言えるようにしたいと思います。
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