今年は師匠が国体チームの総監督に就任された。これまでも一生懸命にやってきたつもりだがこの上なくお世話になっている方の為に自分に出来ることは最大限にやろうと思っていた。私の力なんて微々たるものでチームに貢献できるかどうかは分からない。それでも何かをしたいと思う。
今回のミーティングから「決意表明」があった。臨時に作られる「県代表」お互いのことをなかなか理解できないままで終わってしまう。我々は短距離のコーチなので「リレーで戦いたい」という気持ちがある。いつもは後半になって選手同士が打ち解ける感じがあるが今年は例年よりは早いと感じた。その決意表明の中で深く感じることがあった。
成年選手。何人かは競技人生の後半に来ている。成年女子の幅跳選手は昨年、全日本実業団で入賞しその後主要大会で全て入賞している。昨年が初めての全国入賞。勢いで出した記録ではない。指導者と二人三脚で少しずつ積み重ねてきた事がこうやって結果につながったんだと思う。本当にすごいこと。
決意表明の中で話す内容に「高校生と比べると一試合一試合に賭ける想いの強さが全く違うと感じた。何度もチャンスがあるわけではない。来年から成年女子の幅跳はなくなる。ひょっとしたら今回の国体が幅跳選手として参加する最後の国体になるかもしれない。先週全日本実業団で入賞して疲れも残っていると思う。それでも「お世話になった先生のためにも優勝する」と宣言をしていた。文字に起こすとなかなかこの想いの強さが伝わらないと思うが本当にすごいなと思った。一瞬一瞬に賭ける想い。これをうちの選手に聞かせたかった。なかなか伝わらないと思うけど。感じることが出来る者であればどれだけここに向けてやってきたのかが分かる。心から応援したいと思える選手。
成年ハードル選手。この選手は一時期競技を離れていたのではないかというくらいレースに出ている様子がなかった。それが今年の春から完全復活。復活というとなんか違う。生まれ変わったという感じでしょうか。31歳だということですが自己ベストを出して先週の全国大会出て決勝へ。その勢いのまま国体へ。話を聞いてみると「限られた時間でどれだけやるか」と言っていた。仕事が終わって家に帰る。「1時間だけ練習させて欲しい」という家族に話をして近くの公園へ行ってアップもそこそこに走る。時間をかけられないから100m走って100m歩くみたいな感じで100mを10本走って終わって帰る。細かいことを考えていたり、時間をかけてやる余裕はない。もちろん毎日ではないが、そういう練習の中でしっかりと力を付けている。
以前山口県選手として国体に出場していた選手と同級生。その選手が先週感動したという話をしてくれました。31歳でも記録を更新できるんだという想い。更には昨年一緒に国体に参加した成年選手もワザワザ電話してきてくれました。大きな刺激を受けたようです。一人の選手の存在が周りを突き動かす。予選で追い風参考ながら自己ベストを越える記録で予選突破。すぐに駆け付けて「おめでとう!」と伝える。が、「先生、すみません。軽く肉離れしてしまいました。」と謝ってきました。いや、私たち云々よりも本人が一番悔しいだろうにそれでも「ジョグでもレースに出て1点取ってくる」と言う発言。いや、頭が下がります。国体は県対抗です。そこが頭にある。
師匠は「辞めた方が良いのでは」と話してくれました。上述のように年齢も高くなり大きな怪我につながってしまったら競技人生が終わってしまうからです。予選の他の組で進路妨害があり救済され決勝は9人となっていました。走り終えても1点も取れないかもしれない。それよりは怪我を治して来年もうひと勝負をする方が良いのではないか。師匠は本当に優しいですから。それでも本人は「ハードル種目だから誰か途中で転倒するかもしれない」と言ってレースに出てくれました。結局、9位となりましたが、この状況と彼の気持ちを知っているコーチ陣は目頭が熱くなりました。「山口県のために1点」「個人レースだったら絶対出ない」という言葉が心に残ります。来年、県内で競り合って山口県記録を更新してもらいたい。そして大きな舞台で輝いて欲しい。残りの時間を最大限に使ってもらいたい。
もう一人、大学生。大学の後輩です。まー後輩と言えるレベルではないくらい離れていますが。昨年はプラスで決勝に残り抱き合って喜びました。今年は経験を重ね大学生の大会で入賞。その勢いのでこの大会へ。大学の大会での結果に全く納得していませんでした。「勝てるチャンスがあった」と。決意表明では「予選を着順で突破して決勝で勝負したい」と。その宣言通り1着で予選通過。更にその日の決意表明では「日本記録保持者と前日本記録保持者と初めて一緒にレースが出来る。楽しみ。勝ちに行きたい。」と。本当にすごい選手です。
決勝は我々も声を枯らしながら叫び続けました。ラスト120m地、我々の応援の前でトップに立つ。夢を見させてもらいました。最後は3位となりましたが「戦った」というレースだったと思います。感動しました。
成年選手、本当に素晴らしい。国体があるからこのような選手と関わることができます。彼ら彼女らの「競技に賭ける想い」を目の当たりにすることができるのは本当に幸せなことだと思います。
高校生にもここまでの「想い」を持ってもらいたい。限られた時間しか競技ができないというのは社会人も高校生も中学生も同じなのです。高校生や中学生は「時間が無限にある」と感じてしまう。が、実際はあっという間に過ぎていく。高校3年間で競技を引退するのであればあっという間なのです。分からないことかもしれない。でも気がついたら終わってしまう。だから目の前の事を一生懸命やる事を覚えて欲しい。
本当に良い成年選手たちと出会えました。心から感謝したいと思います。私はこういう想いを選手に伝えていかなければいけない。そしてこういう想いを持った選手達と前に進んでいきたい。速いとか速くないではない。大切なのは「想いの強さ」だと思っています。私にできることはやっていきたい。本気でそう思います。
今回のミーティングから「決意表明」があった。臨時に作られる「県代表」お互いのことをなかなか理解できないままで終わってしまう。我々は短距離のコーチなので「リレーで戦いたい」という気持ちがある。いつもは後半になって選手同士が打ち解ける感じがあるが今年は例年よりは早いと感じた。その決意表明の中で深く感じることがあった。
成年選手。何人かは競技人生の後半に来ている。成年女子の幅跳選手は昨年、全日本実業団で入賞しその後主要大会で全て入賞している。昨年が初めての全国入賞。勢いで出した記録ではない。指導者と二人三脚で少しずつ積み重ねてきた事がこうやって結果につながったんだと思う。本当にすごいこと。
決意表明の中で話す内容に「高校生と比べると一試合一試合に賭ける想いの強さが全く違うと感じた。何度もチャンスがあるわけではない。来年から成年女子の幅跳はなくなる。ひょっとしたら今回の国体が幅跳選手として参加する最後の国体になるかもしれない。先週全日本実業団で入賞して疲れも残っていると思う。それでも「お世話になった先生のためにも優勝する」と宣言をしていた。文字に起こすとなかなかこの想いの強さが伝わらないと思うが本当にすごいなと思った。一瞬一瞬に賭ける想い。これをうちの選手に聞かせたかった。なかなか伝わらないと思うけど。感じることが出来る者であればどれだけここに向けてやってきたのかが分かる。心から応援したいと思える選手。
成年ハードル選手。この選手は一時期競技を離れていたのではないかというくらいレースに出ている様子がなかった。それが今年の春から完全復活。復活というとなんか違う。生まれ変わったという感じでしょうか。31歳だということですが自己ベストを出して先週の全国大会出て決勝へ。その勢いのまま国体へ。話を聞いてみると「限られた時間でどれだけやるか」と言っていた。仕事が終わって家に帰る。「1時間だけ練習させて欲しい」という家族に話をして近くの公園へ行ってアップもそこそこに走る。時間をかけられないから100m走って100m歩くみたいな感じで100mを10本走って終わって帰る。細かいことを考えていたり、時間をかけてやる余裕はない。もちろん毎日ではないが、そういう練習の中でしっかりと力を付けている。
以前山口県選手として国体に出場していた選手と同級生。その選手が先週感動したという話をしてくれました。31歳でも記録を更新できるんだという想い。更には昨年一緒に国体に参加した成年選手もワザワザ電話してきてくれました。大きな刺激を受けたようです。一人の選手の存在が周りを突き動かす。予選で追い風参考ながら自己ベストを越える記録で予選突破。すぐに駆け付けて「おめでとう!」と伝える。が、「先生、すみません。軽く肉離れしてしまいました。」と謝ってきました。いや、私たち云々よりも本人が一番悔しいだろうにそれでも「ジョグでもレースに出て1点取ってくる」と言う発言。いや、頭が下がります。国体は県対抗です。そこが頭にある。
師匠は「辞めた方が良いのでは」と話してくれました。上述のように年齢も高くなり大きな怪我につながってしまったら競技人生が終わってしまうからです。予選の他の組で進路妨害があり救済され決勝は9人となっていました。走り終えても1点も取れないかもしれない。それよりは怪我を治して来年もうひと勝負をする方が良いのではないか。師匠は本当に優しいですから。それでも本人は「ハードル種目だから誰か途中で転倒するかもしれない」と言ってレースに出てくれました。結局、9位となりましたが、この状況と彼の気持ちを知っているコーチ陣は目頭が熱くなりました。「山口県のために1点」「個人レースだったら絶対出ない」という言葉が心に残ります。来年、県内で競り合って山口県記録を更新してもらいたい。そして大きな舞台で輝いて欲しい。残りの時間を最大限に使ってもらいたい。
もう一人、大学生。大学の後輩です。まー後輩と言えるレベルではないくらい離れていますが。昨年はプラスで決勝に残り抱き合って喜びました。今年は経験を重ね大学生の大会で入賞。その勢いのでこの大会へ。大学の大会での結果に全く納得していませんでした。「勝てるチャンスがあった」と。決意表明では「予選を着順で突破して決勝で勝負したい」と。その宣言通り1着で予選通過。更にその日の決意表明では「日本記録保持者と前日本記録保持者と初めて一緒にレースが出来る。楽しみ。勝ちに行きたい。」と。本当にすごい選手です。
決勝は我々も声を枯らしながら叫び続けました。ラスト120m地、我々の応援の前でトップに立つ。夢を見させてもらいました。最後は3位となりましたが「戦った」というレースだったと思います。感動しました。
成年選手、本当に素晴らしい。国体があるからこのような選手と関わることができます。彼ら彼女らの「競技に賭ける想い」を目の当たりにすることができるのは本当に幸せなことだと思います。
高校生にもここまでの「想い」を持ってもらいたい。限られた時間しか競技ができないというのは社会人も高校生も中学生も同じなのです。高校生や中学生は「時間が無限にある」と感じてしまう。が、実際はあっという間に過ぎていく。高校3年間で競技を引退するのであればあっという間なのです。分からないことかもしれない。でも気がついたら終わってしまう。だから目の前の事を一生懸命やる事を覚えて欲しい。
本当に良い成年選手たちと出会えました。心から感謝したいと思います。私はこういう想いを選手に伝えていかなければいけない。そしてこういう想いを持った選手達と前に進んでいきたい。速いとか速くないではない。大切なのは「想いの強さ」だと思っています。私にできることはやっていきたい。本気でそう思います。