kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

不在中の練習

2015-10-08 | 陸上競技
ここ10年くらい毎回国体に参加させてもらっています。その間、学校の練習に関しては「自分達でやっていく」形になります。前任校ではそれが「当たり前」でした。が、今はそれは「当たり前」ではない。当然のことです。流れもありませんから本人達がどれだけきちんとした意識で練習をしていくかにかかっています。

月曜日と火曜日の練習に関しては書いていたと思いますが走りました。水曜日と木曜日に関してはトレーニングとしました。この日のトレーニングからは少し重さを増やしました。基本的な考え方に関しては「漸進性の原則」というのがあります。慣れてきたら効果が上がりにくくなるので少しずつ負荷を増やしていくというものです。前の段階でも股関節の曲りが十分ではない選手も複数いました。本人達はしっかりと曲がっていると思っているのですが、本当は曲がっていない。このギャップがなかなか埋まりません。主観と客観の違いいです。それでもやっていかないといけないのです。

二日連続でトレーニングを入れました。かなりキツイと思います。それでも負荷をかけました。普段はこのような形はとりません。それでもやるときにはきちんとやらないといけないと思っています。この手の練習をやり続けるためにはある程度の「モチベーション」が必要になってくる。「なんとなく」ではできません。私のやり方や負荷のかけ方が正しいかどうかはわかりません。「楽しくやりたい」「それなりにやりたい」という選手にとっては「過剰な負荷」かもしれないという気はします。まーどこに合わせるのか??という部分だと思いますね。

金曜日は走練習。バトンを中心にやらせました。これも見ていないのでどれくらいのスピードで練習ができたのか分かりません。これは本当に難しい。

土曜日は翌日の学校行事の準備だったので一日中バタバタしていたようです。そこで走らずに学校でトレーニング。ここは見極めだと思います。走れない日なら割り切ってトレーニング。もちろん、上述のように意識して取り組まないといけないのだけは間違いないですが。

日曜日は学校行事だったので練習は休み。

月曜日と火曜日は選手は学校が休みになるので朝から練習としました。どちらも走練習。月曜日は短い距離。負荷をかけるための工夫はしています。動きの部分に関してはほとんど確認できませんが、強制的に負荷をかけられるようにしました。火曜日はかなり走らせました。きちんと追い込めたかどうかは分かりませんが。バトンを使った走り込みを2セットから3セットに増やしました。1週間前の火曜日にやった時には2セットでヘトヘトでした。が、この日はひたすら走るようにしました。自分達でやっていく感覚をもってもらいたいから。私に何か言われてやり続けるようでは強くはなれない。そういう気持ちが伝わるかどうかは分かりません。

やらされる練習からの脱却。この部分に関して話をしてきました。伝わっているかどうかは分かりません。少しずつ伝わる者もいると思います。一気に変えるというのは良いことではない。分かっています。それでもやっていくしかないと思っています。見ていないので何とも言えない部分です。練習した選手達がどうだったかは分かっていると思います。きちんとできたと信じておきます。

一応、やった事だけは記しておきます。
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感じたこと5

2015-10-08 | 陸上競技
総まとめ的に書いておきます。

勝負をする。こういう感覚を持ちたい。そして持たせたい。そこはすごく大切なことだと思っています。色々と話を聞く機会がありました。どれだけ身体能力が高くてもそれを突き動かす「心」がきちんと育たなければ結果にはつながらないのだと感じています。どんなに技術論を語っても、継続的なトレーニングを行ってもやはり大切なのは物事に対する考え方です。

これは何度か書いています。前任校での話。中学時代にそれなりに練習をやって結果を出していた。が、高校に入ってこれまでと同じような感じでやる。もちろん「甘い」と指摘受ける。本人達はなぜ指摘されるのか分からない。「自分はこんなにやっているのになぜ先生は私達を怒るのか?」となる。そういう感覚だと指導することは入っていかない。当然の話です。否定的な部分からスタートしていますから。

実際は自分達の中にどれだけの可能性があるのかを理解できていない選手が多い。不可能な話ですが同一人物が2人いる。それがA高校、B高校で異なる練習をする。で、結果的にどちらが良かったかを判断する。同じようにこちらが指摘した部分を自分の事として考え自分で本当に必死にやる場合と「こんなにやっているのだから」とある程度のところでやっている場合。これを比較することはできない。どちらか一方しかないのだから。客観的に見た場合はそれがわかる。でも、主観として自分のことだけを考えていたらそれは分からない。「こんなに一生懸命にやっているのに何故認めてもらえないのか?」という感覚があればその選手は伸びない。

本当に努力している選手、本当に強くなりたいと願っている選手は自分はこんなに努力しているんだとは決して言わない。どちらかというと「このままでは足りない」と思うことの方が多い。自分が目指すところが明確であったり、もっともっと先を見るから。しかし、大半の選手は自分はこんなに頑張っているんだという部分に満足してしまう。もっというとそこまでの欲がないのかもしれない。限られた時間のなかでやっていくこととしたらもったいないのではないかと思う。が、それは周りが思うだけであり本人はそんなに思っていなかったりする。ここのギャップを埋めるというのは簡単なことではない。

前任校で指導していたKさん。中学時代は26秒9。私が預かった初めての県チャンピオンでした。例年の記録と比べると低いのかもしれませんが。この選手の最初の目標は「高校時代に12秒台を出すこと」でした。あまりにも目標値が低い(笑)。それでもそういう感覚だったのだと思います。自分の中にある可能性が分からないから。

が、2年生の春の総体でバトンミスをして失格。その辺りから変わってきました。更にはその年大分インターハイに連れて行きました。そこで見た他県の強豪校の取り組み。これが彼女にとって大きなキッカケとなりました。春には12秒9がベストでしたが秋には12秒35です。この意味がどれだけなのか??普段はそんなに熱くなることはありませんが、こと勝負に関しては本当に負けたくないという気持ちが出ていました。

冬季練習では絶対にリレーでインターハイに行くという気持ちを持つ。周りからはどう思われていたか分かりません。が、私は本気でした。Kさんも。上手くいかなくて衝突することもありましたがそれでも「絶対にリレーでインターハイに行く」という気持ちは誰にも負けていない。表面的な彼女の行動や発言だけに目を奪われるとこの子の「芯の強さ」は分からないと思います。

結果的に100m、200m、4継全て中国で4位となりインターハイへ。12秒17、25秒28、48秒29まで記録を伸ばしました。国体にも出場して県代表として走りました。誰が彼女がここまで伸びると想像したでしょうか?多分保護者も本人も中学時代の恩師も考えてもみなかったと思います。私も(笑)。

何があったのか?これは「その気になった」から。自分のミスで失格したと自分を責めた。そして、インターハイを見にいって「自分たちの取り組みの甘さ」に気づかされた。もちろん全てが一気に変わったとは思いません。甘い部分はたくさんありましたが、「想いの強さ」は確実に大きくなっていた。試合に出る選手のサポートやバトンパスに関して今まで自分達がやっていたのはなんだっだのか?本当に強いチームと比べたらやってないのと同じレベルだと話していました。これがきっかけだと思います。

私が言っていることはこれまでと同じ。技術的なこともトレーニングも同じ。変わったのは本人が絶対に強くなってやるという気持ちを持ったこと。それだけです。今までやっていた事が全てではない。そう思った瞬間から人は大きく変わるのです。だから自分では頑張っているとは思わない。もっと必要だと思うから。

成年選手になったから分かることなのか?やはりきっかけだと思います。少年選手でも絶対に気づける。そのきっかけを与えるのが我々の仕事なのかなと。本気になれば選手は自分達で強くなります。そこに対して適切な技術と適切なトレーニング、適切なサポートをしていけば良い。「勝手に練習をして強くなる」という人もいるかもしれませんがそれは違うと思います。上述のように同一人物を異なる環境で育てることはできない。勝手に練習して強くなるという判断ではなく、もっと強くなるために適切な関わり方があるという認識を我々も持たないといけないと思っています。

様々な事を考えることができました。こういう機会を与えてもらえた事を心から感謝したい。その裏で多くの方に迷惑をかけていることも忘れてはいけない。学校行事を抜けています。多くの方に感謝していく。その感謝を示すためにも自分にできる事を精一杯やる事が大切。心からそう思います。

もっともっと自分を磨いていきたい。そう思えた1週間でした。
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感じたこと4

2015-10-08 | 陸上競技
疲れてなかなか行動が次に向かいません。もう少し元気だったら良いのですが。明らかに疲れています(笑)。久々に全日程だったというのもあると思います。他県に比べるとスタッフが少ない。これは人口の問題もあると思いますから仕方ないですね。競技人口が多ければそれだけ予算が付きます。簡単に比較できるものではありません。

県によっては全選手が国体期間中ずっと滞在する。すごい金額がかかります。選手はその辺りのことが分からないと思います。私もコーチになった最初の時は予算など考えることはありませんでした。チーム作りとしては時間を共有する方が確実に良いですから。分かりきっていることですが実際はそれにはお金がかかる。ない袖は振れないのです。そういう部分があるから我々と選手の距離感を近づけていかないといけなくなる。他県とは異なる方法で強化していくというか、雰囲気を変えていかないといけなくなる。

選手との距離感の取り方というのが難しくなる。普段から走りを見ているわけではないし、直前に動きを指摘するのは逆効果になることが多い。ある選手の保護者から「動きが崩れているので見てもらいたい」という話があった。結局実現しなかったため動きの修正や課題の克服にはつながらなかった。師匠の所にはある投擲選手が定期的に通って来たという話を聞いた。本当は学校の枠を越えた指導も必要になるのかもしれない。

先輩が指導をするなかで「どこまで言って良いのか」という話をされていた。正に。こういう場で関わるのはあくまで他校の選手の場合が多い。他校の指導者が指導されている内容とこちらが感じている部分が全く違うことだってある。先日合宿である大学生の動きが気になった。腿上げなどの全ての動きで「脚が回る」部分があった。これでは進まないだろうなと感じたので少し指摘した。その選手、先輩に確認すると「大学でその動きをするように指導されているらしい」とのこと。先輩が個別に見るなかでも感じたのだがあえて触れなかったと話されていた。

合宿の場でもそうだが「こちらが正しい」と思っている動きと本人がやろうとしている動きが異なることがある。この部分に関してどうやって指導するかは本当に考えないといけない。どちらが正しいとかではなく「中途半端な指導は混乱を生む」と感じるから。だからこういう場面での指導は難しい。明らかに効率が悪い動きをしているとしてもそこに対してどのようにアプローチしていけば良いか。そこも見極める必要があると思う。

県全体のレベルを上げる。これは理想。が、実際は指導に対する考え方が統一されないので難しい部分がある。他校の選手にアドバイスする。これが果たして良いことなのかどうか。考えさせられる部分です。そういう意味では自分の所の選手に対する指導が一番やりやすい。毎日丁寧にやっていくことが出来るから。月に1度見るよりは毎日見る方がこちらのやりたい事ができる。当然の話だと思う。

こういう言い方をすると批判されるのかもしれないが「自分の所で育てる」のが一番効率的になる。もちろんそんなに簡単ではないのは分かっている。集めるだけ集めて勝手に強くなるという感覚はない。来てもらったらそれに見合うだけのエネルギーと時間を注ぐ。当然の話。

指導スタンスに関しても考えさせられる時間でした。何がベストなのか分からない。それでもやっていかないといけない。批判は覚悟しながらですね。矢面に立ちながら進んでいきたい。
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