kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

支えてもらう事

2017-03-02 | 陸上競技
少し思う事を。

はっきりとした記憶がないのでアヤフヤな部分もありますが。去年指導している中で「陸上競技を一生懸命やった」と卒部式の時に胸を張って言ってもらいたいと伝えた事があります。それくらい全力でやってもらいたい、と。

今回、卒部式のときにその言葉が聞けました。その言葉を発したのは他の誰でもないマネージャーでした。頭の良い子なので私が言った事を覚えていたのかもしれません。それでも私は本当に嬉しかったですね。

実際問題、この子の存在がチームを支え続けていました。少人数の部活。特に女子は上級生がいませんでした。実際に走るわけではないマネージャーが一人。何かあっても相談するところもない。男子はいますがやはり細かいところまでは相談できない。一人で抱え込んで涙する日もあったはずです。男子はそれなりに動きますが女子は本当に動けませんでした。マネージャーが全てやるような感覚。しんどかったと思います。

今でこそそれなりに動く2年生。よく考えたら今の1年生と同じ感じだったと思います。真っ先に帰る。冬の間までそうだった気かまします。それがいつの間にか成長していました。何がキッカケなのかハッキリしませんが。まー今の1年生女子もかなり変わっていますから何処かのタイミングで「キッカケ」があったのかもしれませんね。

チームが成長していく過程で選手の頑張りはもちろん必要です。実際に走る選手が変わってくれなければ先には進めないからです。が、それを一番近くで見続けて支えてくれる人の存在がある。このことをどれどけ感じ取れるか。

マネージャーが「高校時代の一番の思い出は陸上競技」と言ってくれること。私は本当に嬉しく思います。自分が走るわけではない。表立って感謝の言葉を発する者もいない。それでもこちらが求める事を察してくれて自分から動いてくれる。何かあればマネージャーに聞けば分かる。性格的に表に立ってガンガン引っ張るタイプではありませんが、間違いなくチームの中心でした。2年生女子はものすごく慕っていました。この子がいなければうちの女子は終わっていたと思います。過大評価ではなく。

春先、女子には「マネージャーを中国大会へ」と伝え続けていました。本当に感謝するのであればま自分達が強くなって中国大会に進む。そこで走る姿をマネージャーに見てもらう。それが一番の恩返しになる。実際に走れる選手は5人しかいませんでした。そのうち一人は高跳び選手。県選手権で49秒台をいきなり出してこれなら中国大会に進めると思っていた矢先、県総体前日に1走が足を痛め走ることさえ出来ない。危機的状況でした。1秒走力が違う高跳び選手に無理を言って走ってもらうことに。

私は「いつも通り」という話をしていました。マネージャーも常に選手の側にいて「いつも通り」と言い続けてくれた。レースの時には1-2走のバトンパスの上でずっと見ていてくれました。バトン練習を全くやっていない区間でしたから不安もあったと思います。何とか無事に3位に入り中国へ。

アンカーを走った2年生がマネージャーを見た瞬間に泣きながら抱きついていました。「中国に連れて行ける」と言い続けながら泣いていました。もちろんマネージャーも涙を流していました。その姿を見て私も・・・。周りからすれば「行って当然」と思われるかもしれない。しかし、そこにたどり着くまでに考えられないくらいの物語はあります。それを知っているからこそ涙が出る。

マネージャーを特別評価しているわけではありません。しかし、私が見てきたマネージャーの中で一番優れていると思います。控え目ですが最後はきちんと背中を押してくれる。このマネージャーがあと1年いてくれれば本当にチームは抜群のレベルに上がっていたのではないかと思います。それくらいの子でした。

私自身、練習を進めていく中でこの子がいなかったら出来ないこともたくさんありました。こういう性格ですから思いつきでやります。それを全て記録していてくれたので次にやろうとした時にスムーズに練習を進めることができる。この子自身が「陸上競技が好き」だったのも大きいのかなと思います。間違いなく短距離の「太陽」だったと思います。

男子も頑張ってくれていました。ここもかなり評価していますが、やはりマネージャーの存在は大きい。

私がめちゃめちゃキレていてもその理由をきちんと理解してくれていました。もちろん、選手の愚痴を聞く立場にもなっていたでしょう。指導者と選手の間に立って上手くコントロールしてくれていた。いや、本当に良い子でした。

目立つ部分ではないかもしれない。それでも支えてくれる人がいるから出来ることがある。それは決して当たり前ではない。自分がやりたいことをやるためにはそれを影で支えてくれる人がいるから出来るのです。

マネージャーへの感謝。この気持ちがあるなら目の前のことを一生懸命にやるしかないと思います。私自身、この子を越えるマネージャーを育てていきたいと思います。今は誰もいないので不可能ですが。やはり、強いチームには素晴らしいマネージャーが存在する。それは間違いない。

本当に感謝の気持ちしかありません。試合を見にきてくれるということなのでその時に笑顔で安心してレースを見てもらえるようにしっかりと選手を育てていきたいと思います。

完全に偏っています(笑)。お許しを(笑)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

卒業式

2017-03-02 | 陸上競技
3月1日、山口県ではこの日が県立高校の卒業式です。それぞれの学校で多くの生徒が新しい環境に向けて出発する日です。

卒業式の後に部活の集まりがありました。今年は最初だけ全体で集まり、少しして短距離と長距離に別れました。私が赴任したせいで練習や集合は完全に別になってしまいました。このことに関しては申し訳なく思う部分があります。これまでの流れを大きく変えている。今まで通りの流れの方が良いと思う卒業生もいるかもしれません。

短距離だけで話をする時には卒業する5人に一言ずつ話をしてもらいました。それぞれが思う事があったようです。

「結果は残せなかったが様々な種目に挑戦できて良かった。」

「県総体以後、全員で集まって練習に行こうと言っていたが全員揃うことはなかった。一緒に練習できる時間を大切にしてほしい。」

「怪我が多く思うように結果を残す事が出来なかった。それでも最後に一緒に走った県総体。走れて良かった。とにかく怪我をしないようにケアして欲しい。」

「高校時代の一番の思い出は陸上競技。最後の日にそう胸を張って言える。みんなもそうあって欲しい。」

「一人で全部をやろうと思っていた。でも結局出来なかった。みんなで支えあいながら助け合いながらやって欲しい。」

こんな感じの話でした。

この子達は本当に大変だったと思います。2年生になる時に私が赴任してきた。それにより今までとは大きく異なる流れになった。トレーニングの日は練習30分程度で終わっていたがいきなり3時間近い練習になる。これまでやっていた事とは全く違うことをやる。それだけで大きなストレスだったと思います。去年までは〜だったのに。そういう感情が生まれてくるのは当然だと思っています。

最初から「陸上競技をやる」と思って入たわけではなかったと思います。「陸上やろう」くらいだったのではないかと思います。競技をするのであれば和気あいあいという部分だけでは上手くいかなくなります。シビアな事を求めるようになる。そうであれば「想いを共有できるかどうか」は大きい。身体を動かしたいという軽い気持ちで入ってみたら実は本気で練習する部活だった。それは今の2年生ならありえる話だと思います。

3年生は1年間別の流れでやっていた。それがどうだという話ではなく「流れが違う」というのは本人達にとって大きなストレスだったと思います。時間を守る。練習を全力でやる。その部分。これだけを徹底するのにかなり時間を要しました。それなりに練習をやっていても特別問題はなかった1年生の時から2年生になって求める水準が高い変わる。それはしんどい。分かってはいます。それでもこの子達に何かを残すためには嫌われてもやるしかないと考えていました。

先日、かなり部内が揉めました。まー私がブチ切れたというのも大きく影響していたと思うのですが。その時には3年生が数人部活に顔を出してくれました。修学旅行中だったと思います。心配をしてくれる。1年生しかいない時期でした。今の3年生はそれほど深く関わっているわけではありません。それでも気にかけてくれる。そういう中で変わってきたかな、と。

今でこそ2年生がそれなりに動けるようになっていました。特に女子。が、1年生の時は全く。女子の上級生はマネージャー一人だけ。練習で引っ張ったり出来ない。一人で思い悩んだ時期もあったと思います。それでも支えてくれた。そういう段階があるからこそ今のチームがあると思っています。

今の下級生は本当に感謝するべきだと思います。今、普通に練習をしているのは3年生がその土台を作ってくれたからです。1からやらないといけない部分がある。そのしんどさがどれだけのものか。何をどうしたら良いのか分からない。目標とするモノがない。その中で模索しながらやっていく。合宿に参加しても後ろの方に付いているだけ。何も出来ない。そんな日々。今があるのはこの子達のおかげです。辛い部分を乗り越えてくれたからこそ今がある。

もう少し書きたい事があるので。内容が偏るかもしれませんが。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ある程度走る

2017-03-02 | 陸上競技
火曜日、考査は1時間のみ。それが終わってかは表彰式と卒業式の予行練習。さらに掃除もあるので全てが終わるのが13時ごろでした。仕方ないですね。

そのため食事を取ってから練習をすることに。翌日は卒業式なので試験なし。身体を動かしておきたい。気持ち長めにすることにしました。もちろん、勉強時間の確保はします。勉強しないで練習だけやらせるつもりは全くありません。真面目に。

練習はダイナマックスを使ってアップ。ポールと投擲は専門練習から始めることにしました。私はウエイトの手伝いをすることに。ベンチなどは一人でできません。危険ですからついておかなければいけません。投擲選手が数人いるなら自分たちでサポートしながらできますがうちは一人だけ。そのため絶対に補助を付けます。暇なのは私だけですからサポート(笑)

スプリント系はその後往復走。以前と比べると高いスピードでできるようになってきました。ある程度続けていく中で多少なりと適応してきたのかもしれないですね。その後、スパイクを履いてスキップ走。この辺りまでは私は遠目に見ていました。ウエイトをする場所が部室から100mくらい離れているので。まーこの辺りまでは自分でやれるようにならないと。

ある程度やってから複合走。道具の関係で男女が別種目から始めていました。できればタイヤ→ダイナマックス→ランが理想なのですが。まー仕方ないかなと。暖かいのもあり随分動きができるようになってきました。数ヶ月の練習が実を結んできているかなーという感じですね。

バーを使ったらしながらやっています。以前はボールを使ったりバランスディスクを利用しながらやっていました。短いスティックを持って軸作りをしたりというのはやっていました。が、大阪に行ってバーを使った練習を見て間違いなくこちらの方が意識しやすいだろうなと感じました。即導入(笑)

複合走の中にも入れました。タイヤ引きスキップやバウンディングにもバーを持ってやるようにしました。それにより種目が増えるという恐ろしい話になるのですが(笑)。全ての種目を1本ずつにしても良いかなという感じがあります。本数が多くなりすぎるとそれだけで練習が終わってしまう(笑)。

女子は4人しかいません。見ているとずっと同じ場所で走っていたので刺激が少ないなと。入れ替えをする程人数がいないので。そのため隣の入れ替えだけをしました。ローテーションで走る位置を変えていく。いつも隣が同じよりは違う人と走る方が良いかなと。本当はこの辺りの工夫までできると理想なのですが。それは求める水準が高くなりすぎているで我慢。

最後に60mの並走パスをやって終了。1本目にバトンが渡らないところがありました。この経験は大切だと思います。渡らない。試合の時にこれでは困ります。何故渡らないのかを考える。60mの並走ですからその日の自分の調子を正確に把握しておかなければいけません。その中でペアできちんと確認する。今日は自分が良く走れているからいつもより距離を伸ばそう、走りがイマイチだから少し縮めよう。そうやって自分の感覚を相手に伝えて確認する作業をしっかりとやる必要がある。

単純に走るだけではなくそういう部分まで含めて考えていく習慣を身につける必要があると思います。「良かった」「悪かった」というだけではなくその原因を探る姿勢。これは以前であればできませんでした。少しずつこちらが求める水準に上がってきているかもしれない。まー私に言われずにそれが毎回できると良いのですが(笑)

この時、ちょっとした事が。練習途中でしたがうちの選手が突然あらぬ方向に走り始めました。なんだ??と思って見ていると他の部活の子が足を痛めていたらしく荷物を取りに行く事が出来ない。それに気づいて取りに行ってあげたようでした。私は気付きませんでした。本当に足が痛かったようで数センチずつネットにしがみつきながら進んでいました。

別にblogに書く内容ではないかもしれない。それでもこのことは印象的でした。これまでは自分のことさえやらない雰囲気がありました。率先して動く事がない。言われて言われてやっと動く。それが周りの様子を判断して動く。足が痛い人がいるからそれをサポートする。それが自分と同じ部活だからとかではなく困っている人を助ける。少しだけですが感覚に変化が生まれてきたかなと感じます。

練習だけを指導していたらこの変化はないかもしれない。視野が少しずつ広くなって行動が変わる。これだけでも意味がある。もちろん、それだけが目標ではないので結果に繋がるようにしていかなければいけませんが。

少しずつ変わりつつあるのかなと。この日で2月は最後。あっという間です。シーズンインも目前。力が付いているのは間違いありません。あとはどこまでいけるか。これまでと比べると色々な部分が大きく変わってきていると思っています。ここがスタート。そう思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする