kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

卒部式〜伝えたいことは3〜

2019-03-03 | 陸上競技

す続き。

そんな話をしながら。これまでこの子達がやってきたことの意味をもう一度考えてもらう時間としました。

この日は卒業式。実は娘も同じ歳なので卒業式を迎えています。「卒業式には行かないのか?」と他の人に聞かれたという話をこの子達にもしました。どうなんだろう?と。

私の中で「この子達の卒業式に出ない」という選択肢はありませんでした。これも感覚的分かってもらえないかもしれませんか。毎日毎日この子達とは3時間以上一緒に過ごしてきました。この事は一番最初の記事にも書きました。娘も大切だと思います。が、この子達と共有してきた時間は計り知れないくらいのものがあります。この子達と一緒にやっていなかったら今の私はない。救われています。

正直な気持ちを伝えました。「みんなのことが本当に大好きだ」と。この子達のお陰で今の自分がいます。感謝している。ありがとう、と。これは直接言いたかった。この子達の顔を見ながら伝えたい。ポストカードにもメッセージを書きました。しかし、それだけではなく直接自分の言葉でこの子達の顔を見ながら話をしたかった。不思議と涙は出ませんでした。3年生も誰一人泣いていませんでした。

繰り返し。この場で伝えるというよりは今まで伝えてきたことがすべてだと。そして卒業は終わりではない。今からが本当に力が試される時だと思います。これまで身につけて来たことをこれからの生活にどう生かすか。進学5人、就職1人。それぞれの道を進んでいきます。その時に今までやって来たことが本物かどうか問われる。目標に向かって進んでいけるか。周りの人から可愛がってもらえるか。支える立場として考えていけるか。一人一人に投げかけました。

ここでもう一度話を。先日全体に話した内容。

今できることは

触れにくい内容ではあります。それでもこの子達と同じ年齢の子が様々な事と向き合っている。そうであれば今から自分達がなにをするか。やろうと思えばやることができる。そのことに関してどう考えるかだと思います。この子達であればこちらの想いは伝わると思います。デリケートな話だとは思いますが伝えました。

何かあったら戻ってくるように、と。これも書いたことがあるかもしれません。前任校で指導していたmakinoは戻るところがありません。私が指導していた前任校では私の転勤と同時に短距離募集が停止になりました。戻って練習しようと思った時に場所がないのです。仲間も集まる場所もない。

Soの姉であるmikaも同様。高校に戻って練習しようと思っても指導されていたBOSSは退職されて今は学校にはいません。「戻ってくる場所」がないのです。それがどれだけ寂しいことか。これは在校生に対してのメッセージでもあります。この子達がいつでも戻ってこれる場所を作っておかなければいけません。卒部式がある前に少し別件でありえないことに対しての話をしましたが、そんな部活になっていたら卒業して戻ってくる気にはなりません。だからこそ人数に関係なく良いチームを作らないといけないと思います。

戻ってこれる場所を保ち続けたい。だから安心して巣立っていって良いという話で締めくくりました。涙は出ませんでした。泣き尽くしたというのもあります。前日にSに「笑顔で送り出すからね」という話をしていたのもあります。安心して送り出したいですからね。最後まで泣き続けているのはうちのチームらしくないですから。

6人から色紙と花束をもらいました。  

在校生が3年生に個別に色々渡していました。特に女子はあれこれやっていました。可愛らしいなと思いながら見ていました。全体で写真などを撮って解散。寂しさもありますがこれでもう2度と会えないわけではない。そう自分に言い聞かせました。

みんなと別れて車の中でしばらく泣きました。このタイミングで色々あったというのもありますが。さっきまで偉そうな事を話していたのに(笑)。情けないなと思いながらも涙は止まりませんでした。ドライに生きていけるのであればそれは楽かもしれません。別れをなんとも思わない生き方をすることができるならどれだけ楽か。私自身にとってこの子達の存在は本当に大きい。本当に支えられていました。

感謝の言葉をもらいましたが、本当はこちらが救われていたのです。本当に本当に感謝の言葉しかないなと思っています。この子達がこれから先、大きく羽ばたいてくれる事を心から願います。それぞれの進路で可愛がってもらいたい。それだけの素養は身につけていると思います。本当に大好きです。言葉に尽くせません。ありがとう。本当にありがとう。

まだ書きたいことはあるのですが。時間がある時にまた書けたらと思います。言葉が尽きません。感謝。

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卒部式〜伝えたいことは2〜

2019-03-03 | 陸上競技

続きを。

本当は個人的に全員と話をしたい。物理的に無理。そこは分かっています。だから一般的な話になりやすいのですが。こちらは想いを伝える。それだけしかできません。

女子に関わる時間が自然と長くなっていました。結果的な事もあるので。男子について触れることは少なくなっています。が、この子達が居てくれたから女子が活躍できたのは間違いないと思います。

前の記事の後半の話の流れで。男子は思うような結果は出せていませんでした。県総体、Oは中国出場を目指していましたが予選落ち。これは本人はしんどかったと思います。当然です。色々な事情もあり全ての練習ができない。その中でどうやって戦っていくか。少ない人数の中でリレーで中国を目指す。4継はアンカーまではトップで戦えるくらいの力がありました。それでも総合力としてはない。苦しい中でのレースになっていました。準決勝敗退。

Oが予選で落ちた時、本来であれば個別に話をしなければいけない状態でした。「全てが終わってから話をしよう。まだ何も終わっていない。」と伝えました。無責任かもしれません。しかし、個人種目一つか終わったからといって全てが終わったわけではない。まだまだやらなければいけないことがある。

Tの幅跳び。県総体までのベストが5m90。記録が測ってもらえる所まで届いていませんでした。この子は入ってきた時には女子の練習パートナー。悔しかったと思います。途中何度も辞めそうになりました。それでもムードメーカーとして残ってくれた。13秒後半だった走力も11秒台へ。そして県総体の一番大切な場面で6m20を跳びました。この事はきっと周りには分からないと思います。うちの選手にとっては心から歓喜する出来事。

県総体。女子の4継の予選。バトンが落ちました。SとNMが中学時代、勧誘に行った時に「一緒に日本一を目指して欲しい」と伝えました。競技力から考えたらそこまで到達するのは難しい。分かっています。が、私はこの3人と一緒に死ぬ気で陸上競技がやりたいと思っていました。2年生の時にあと一歩で届かなかったインターハイ。今年は絶対に戦いにいく。そのことだけを考えてやっていました。それなのに予選で全てが終わってしまう。頭が痛く真っ白になる。

が、その時奇跡的にバトンがどこにも飛んでいかない。足元に落ちてくれました。それを冷静にSが拾って Mに渡す。そこからの Mの走りは一生忘れられないと思います。バトンを持った時の Mは自分のためにだけではないので本当に強い。あっという間に追いついてくれました。

本当に奇跡だと思います。冷静さを失わずにその場でやるべき事をやったS。諦めてしまってもおかしくない状態から信じられないスピードで前を追ってくれたM。この子達の想いがあったからこそ県総体の結果があったと思います。その話をしました。

伝えたい事は何か。走った選手だけではないのです。100階同じ場面があったら99回はバトンが飛んでいってもおかしくない状態。100回バトンパスをやればSとMのバトンは100回渡っていました。想定しないことが起きうる。その時に何をするか。

本当の力というのはこういう時に問われるのだと思います。Oが自分の結果で下を向くのではなくチームのサポートを全力でしてくれた。Tが土壇場で最大目標の6m20を跳ぶ。普段では考えられないことが起きても冷静に対応できる。この子達の力だと思います。常に男子が練習を盛り上げてくれて女子に気を配ってやりやすい環境を作ってくれていた。だからこういう時に大きな力を発揮できる。

目立っていたのは女子だと思います。強い選手が集まっているのだから当然だと揶揄する人もたくさんいたと思います。本人たちが「hoshoだからこれだけ強くなれた」という言葉。比較はできません。他の環境でも同じだったかもしれない。しかし、絶対にそれはないと言い切れます。このメンバーだからやってこれた。男子がサポートしてくれて女子がそれを感じながら走れる環境が作れた。だからこそインターハイに届いた。全てが終わってしまってもおかしくない状況の中で紙一重のところで救われて勝ち上がった。今のメンバーがいてくれたから。ここだけは自信を持って言えます。

不思議と話をしていても涙は出ませんでした。この手の話をする時には涙もろくなっているのもあり号泣してしまうのですが。3年生の顔を一人一人見ながら話をすることに集中していたのもあると思います。下級生も保護者もいましたが一切目に入っていなかった。失礼なのかもしれませんが私がこの子達と過ごしてきた時間のことを思うと他の事は考えられない。そんな感覚がありました。

うーん。まとまらないですね。何でしょうか。また書きます。

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卒部式〜伝えたいことは〜

2019-03-03 | 陸上競技

続きを。

3年生がそれぞれ話をしてくれました。この時点で私が話をすることはもうないなと思っていました。これは前からずっと言い続けています。高校最後の日だからといって特別なことを話す必要はないと思います。大切なのはこの日を迎えるまでに何をどう伝えてきたのか。ここでいきなり「私の考え方」みたいなことを言いだしても何のことか分からないと思います。

この子達の話を聞いていてかなり涙が止まりませんでした。逆に前で話す時にはもう泣かないなという感覚がありました。この子達の想いを感じ取ることがでたし、こちらの想いも伝わっている。そうであればここで何かを話す必要はないかなと。

少しだけ話をしました。私の感覚的には「少しだけ」ですが案外長く話したのかもしれませんが。

3年生の話をして総括するような内容を心がけました。全員が「同級生の存在」の大きさについて触れていました。色々とありました。チームとして崩壊するレベルのこともありました。そこに対して私の責任を問われることも。実際問題私が悪いのかもしれませんが。本質的には他に大きな要因があったと思います。責任転嫁ではなく。この時期、男子との関係は崩れました。かなり酷い言い方で批判もされました。顧問を代われとまで言われましたからね。それでもグッと堪えてきました。その辺りのことも少しだけ触れました。

何人かは「途中で辞めようと思った」という話をしていました。が、結果辞めずにその場にいる。ここに大きな意味があると思っています。残った選手は「陸上競技が好き」という感情を持っていてだから残って続けている。辞めていった者は「◯◯が悪い」「××が嫌だ」という考え方で辞めていく。陸上競技に興味関心がなくて「所属しているだけ」であればやはり楽しくないと思います。辞めようと思って辞めない者と辞める者には差があります。「好きなことだけやる」という考え方ではやはり物事は続けていけないと思います。

好きでやってくれる選手と一緒にできた時間は私にとって本当に貴重な時間でした。感謝の気持ちをこちらからも伝えました。この子達が入ってくる前、本当に陸上競技を辞めようと思っていた時期があります。本当に競技指導をする意欲が皆無になるくらいの時期がありました。それでも中学時代のNMやSと一緒に練習をする機会があって気持ちを保てていました。

前の記事にも書きましたが「先生の元で一緒に陸上競技がやりたくてhoshoに入学した」というSの言葉に救われました。この子達との出会いがなければどうなっていたのか分かりません。NMとの出会いもそうですし様々な出会いが私を保ってくれました。

話の中でOが「自分は何も残せなかった」という話をしていました。本当にそうなのか?という部分ももう一度触れました。日本一になる選手は1人、中国1位になれる選手も1人、県1位になれるのも1人。そうであれば県で勝つことができたNの競技には意味があってそれ以外の選手の競技には意味がなかったことになる。Oは謙遜して言っている部分があります。しかし、そこに関してはきちんと全体に理解してもらいたいなというのがありました。

この子達がいる時に何度も「最後に涙を流せるか」という話をしてきました。中途半端な取り組みであればやはり涙は出ません。思い出づくりに競技をやっている、とりあえず他の人よりも足が速いから試合に出ている。みんなが入っているからやる。そんなレベルの取り組みで最後に本当の意味の涙が流せるとは思いません。

もちろんそれぞれの価値観の中でやっていることなので否定するつもりはありませんが私の想いとは全く異なる。本気で競技と向き合って上手く行くこと行かないことを経験する。集団の中での自分の立ち位置を見つけて行動をする。本気でやるから分かってくることがあると思います。

「結果」も大切かもしれない。しかし、私はそこにたどり着くまでに何をしているか。何を身につけているかの方が圧倒的に大切だと思っています。陸上競技がなくなった時に自分の中に何が残っているか。これまでやってきたことが自分の中でどう生きていくか。ここが大切だと思っています。

だからこそ私はこの子達と競技ができてこの日を迎えることができたことが良かったと思っている。それぞれが自分の言葉で自分の考えを伝える。自分のことだけではなく他者への感謝や仲間への想いを言葉にできる。普段、言葉数が少ないNMがみんなの前で涙しながら想いを伝える。この姿をみて私が生きてきて競技指導に関わってきた「意味」があるなと。この感覚も周りには分かってもらえないと思います。本当に本当に貴重な時間だと思います。

少し長くなりつつあります。記事を替えます。もうしばらくお付き合いください。

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