続きを。ヨンパのことを突き詰めてやっていくと本当に面白いと思います。大変の指導では「ハードルを跳ぶ」ということに時間を割きます。もちろん、重要だと思いますが。ヨンパが「戦略」で戦えるようになるというのはそれほど知られていないのかもしれません。そんな話をする人がいないだけかもしれませんが。私的には「可能性がある種目」だと思っています。走力だけではなく「戦える」のです。もちろん、「走力」があるほうが圧倒的に良いのは間違いありません。
足が速い選手はヨンパが速い。これは覆すことができない事実です。
話が若干それましたが。かなりの時間を「インターバルの走り」に要しました。しかし、これだけでは足りません。もう一つの要素、「歩数の切り替え」のところも少しだけやりました。ヨンパでの減速の一番の要因は「歩数が増える」というところです。ショートハードルではあまりないことです。男子で15歩から17歩になる。女子で17歩から19歩になる。この状態になることで一気に減速します。
これも基本的な話ですが「タッチダウンが落ちる」と次のタッチダウンはさらに落ちます。挽回できることはよほどのことがない限りありません。理想的には2台目がスピードピークでそこからなだらかにスピードが落ちていく。インターバルが詰まって大きく減速するとスピードを戻すというのは並大抵のことではありません。
大半の失敗は「歩数が増える」というところにあります。歩数が増えるのは仕方ないと思います。トップ選手でも増えます。が、これが1歩増えるのか、2歩増えるのかで全く違ってきます。このハードル練習会ではそれを見越して最初から「逆足の練習」を取り入れてきました。自分自身が「もっと早く逆足の練習をしておけばよかった」と思う部分があります。高校の早い段階から逆足をやっておく。もっというと中学校からやるほうが幅が広がると思います。
15歩から17歩になるとストライド的に1歩で20cmくらい変わります。単純に20cmといっても分かりにくいと思います。本当はそのための練習があるのですが、コロナの影響で冬季練習中にそれができませんでした。2歩増えることでハードル前で大きく減速する選手が増えます。止まるくらいの流れになります。そこで順位が変わることがあります。上述のように「落ちたスピードは戻せない」部分がある。疲れてきてからの減速は戻せないと思っています。
1歩増やす。このための練習もしました。レースパターンについても本人たちが抱いているパターンとはちょっと違うかもしれません。その理由も話をしながら「歩数をいつ切り替えるのか」という部分を理解してもらいました。ひょっとしたら各顧問がすでに指示を出しているのかもしれません。その時はその指示に従うのが一番だと思います。大半の場合、5台目が終わってからの切り替え。ここも重要かなとは思います。状況に応じて展開を考える必要があります。ここは企業秘密的なところで(笑)。
で、意図的に「切り替えの練習」を。疲れた中での切り替えとは少し違う部分もありますが。それでもこの局面は重要になります。意図的にピッチアップする必要があります。この局面を抜き出してやっていく。逆足の練習として「ハードルを逆足で越える」のはやるかもしれません。しかし、本当に必要なのは「レースで行かせる逆足」です。実際のスピードで走って切り替えができないと意味がありません。逆足の一歩ハードルなどもやりはしますが、これはあくまで「慣れるため」であって「実践的な練習」ではない。レースに生かすために「準備練習」として色々とやりますが。
本数的には絞ってやりました。感覚はある程度つかめたようです。これが実際のレースでできるかどうか。やりたいことができれば減速が小さくなります。「選手が自分で判断して走る」というのもヨンパの特徴なのかもしれませんが、ある程度こちらでイニシアティブをとって「レースプラン」を作ることも重要だと思っています。実際に県総体では大幅にプラン変更を行って4秒短縮しました。もう少し時間があればというのもありますが。
このあたりのことを細かくやっていくと「戦える」種目になってきます。女子の参加者はきちんと走れば62秒くらいまではいくのではないかなと思います。県総体で大きなミスをしていても走力で取り戻しています。このミスがなければ間違いなく62秒はでています。こうやって練習会に参加してくれる選手が力を発揮できるといいなと思います。ぜひとも中国大会でワンツーを決めてほしい。
やりたいことができるというのは大きなことです。選手にとってプラスになる。できれば近いうちにこれを「中学生向け」にやりたいと思っています。nsy先生と話をしていたのですが、これが「高校生」からのスタートではなく「中学生」からのスタートであればもっと効率よく競技力の向上ができると思います。他県と戦うためには今までとは違う取り組みも必要。このblogを中学校関係者が見ているとは思いませんが、そういう取り組みをしたいと思っているというのはここで示しておきたいと思います。
短距離講習会もできるといいなとは思っています。またいつの日にか・・・という感じではありますが。
記録しておきます。