思うことを。
色々と見ていて気付くことがあります。先日の中国大会。ハードルのアップのために何人かで準備していました。基本的には正規の距離ではなく「1足詰め」でやります。「距離を変えてはいけない」という感じで言われますが。複数名で瞬時に戻す形で実施しています。批判もあるかもしれませんが。やるからには「必要な動き」をやる。
2つのレーンが使える状況でした。8・9と使える状況で8レーンで跳びます。どちらのレーンもほとんど人がいない状況であれば9レーンでやるほうがいい。ハードルを立てたり倒したりするのがあるからです。他の選手にサポートの中でやっていくので接触のリスクが少ないレーンのほうがやりやすい。ハードルのアップに選手が一人で来るところもあります。こうなると1台目だけを跳びたいというのがなかなかできない。2台目を倒しておかないと危ないが、一人ではできない。「ハードル上げ下げ係」といっていますが、アップを円滑にするためにサポートします。これは国体などでも必要です。コミュニケーションをとりながらやっていくことが重要。
で、その状況でやっていたら9レーンに選手が増えてきました。8レーンはほとんどの選手がやっていません。指導している選手も同様にずっと9レーンに並んでいます。ジェスチャーで8レーンに移るように指示しますが伝わりません。このことは今に始まったことではなく前からずっとあります。こちらが指示を出している内容とは全く違うことをする。
競技場で練習しているときに「ホームストレート」にハードルを置いていました。「どちらで跳びますか?」という質問を受ける。はーむにハードルを置いているし、風も追い風。ホームを指さしながら「こっちでやろう」と伝えると「バックストレートですか?」という返答。膝から崩れ落ちるようでした。単純な指示が届かない。そうなると技術的なこともきちんと伝わっているとは思えません。どこかで「変換」されて全く違う解釈をしているのだと思います。
レースでは前半で遅れました。「前半遅れた理由は?」と聞くと「隣の選手と接触しました」との返答。うーん。1台目に入るまでに接触することがあるのか。こうなると「きちんとした分析」はできないと思います。大半のことがこちらが課題を指摘しても「いや、・・・・」というような反論が出てきます。自分ができていないことが入らないのかなというのもあります。
前も書きましたが「中国大会では400mHで勝負したい」と自ら申し出てきたのに、その後の練習はショートハードルの準備しかしない。こちらも多くは言いませんでした。結局は全て自分自身に返ってくるからです。で、県選手権が終わったくらいから「ヨンパの練習をしようと思う」といってくる。本当に「勝負をする」というのであればもっと早い段階からやっておく必要があります。15歩では届かないので16歩で前半押していく。16歩の練習が全くできない状態で5月を迎えてそこから県総体まで「勝負したい」といわれても「あーそうですか」という話になります。
「考えてやる」というのが必要だとは思います。が、まずは「素直に人の話を聞く」というのが必要です。指摘されたら「言い返してやろう」という感じがあればこちらもわざわざ時間をかけて指導する必要性はないと思います。他のことをやっていても一方的に話しかけてくるというのも困ります。「自分のペース」でしか動けないというのでは何もできないからです。
集団行動をする。この中で間違いなく「社会性」や「協調性」、「客観視」できる能力は磨けます。言われたことを「真面目にやる」というだけでは何も変わらないのです。「真面目にやるから強くなる」というのではない。だからこそ「どうすればいいのか」を常に考える能力が必要です。ここの部分をどのようにして身に付けていくのかは時間がかかるのかもしれません。指摘してもそれを素直に受け入れようとする姿勢がなければ何も変化は生まれないのです。難しい部分ですが。
「強くなりたい」と素直に思って活動できる選手になれるかどうか。純粋に競技に取り組めるかどうか。
この状況で行けば男子のショートハードル、女子の両ハードルは指導している選手が県で勝つことになると思います。が、「県で勝つ」というだけでは今年度と同じような流れになります。1年後に中国大会に進んだとしても「予選落ち」で終わり。男子のショートハードルであれば最低でも15秒5を切るくらいにならないと何のために中国大会に進むのか分かりません。「中国大会に出たい」というのが目標であればそれもありなのかなと思います。殻を破るためには「自分自身の取り組みの見直し」や「考え方の見直し」「姿勢の見直し」「目標の見直し」が必要不可欠です。
そしてその「見直し」のためには「客観視」することと「素直に受け入れること」が重要。「なぜ行動を指摘されているのか」がわからないままで何かをするのは不可能だと思っています。
何か変わるか。伝わるか。最近はそのことが頭にあります。「競技で強くなる」という前段階のところが大きいのかなと思っています。それをどうするか。考えさせられます。