今回の中国総体、これまでと比べるとかなりレベルが上がっているなと感じました。他地区と比べるとまだまだなのかもしれませんが。
100mH、前任校の選手が出場していました。これに関しては顧問の先生とやり取りをしながら今回の中国総体でIHに進むために力になれたらというのがありました。冬季練習でもハードル練習会を定期的に実施して「課題」を浮き彫りにして次の時までに克服してくる。次の課題に取り組むというのを繰り返すことができました。
今回は予選で14秒36(+2.1)でした。後半の課題があったのでそこの部分を意識した動きをして準決勝を迎えましたが、スタートで遅れてしまって14秒46(+1.7)で組の4着。14秒27までが決勝へ。力になれませんでした。もう少し何かできかなというのがあります。IH出場ラインが14秒12(+2.4)。今の最大限の力を出し切ってもこの記録には届かなかったと思います。
準決勝の前に同じ組に13秒台が3人いるというのが分かっていました。それでも「記録で拾われるようにしないと」という前向きな発言がありました。こういう部分があるからこそ応援したくなる選手だなと思っていました。
高校入学時は100mが14秒台。運動していなかったというのもありますがかなり遅い。ハードルを跳びたいという話を何度もしていましたが。「まずは速く走れること」というのを徹底しました。直接毎日指導できたのは1年間だけでしたが、それ以後も「練習スタイル」を変えずに取り組んでくれていました。同級生と一緒に。真面目に一生懸命に取り組む。上手くいかなくてもあきらめない。そういう姿勢は誇らしく思えるくらいの選手たちでした。
終わってからあいさつに来てくれました。最初は中国大会に進むことさえ考えられなかったのに、インターハイを本気で目指せる気持ちになれた。力は出し切れたということでした。14秒1を出せるほどの力はありませんでした。最大限で14秒3が出たら可能性があるかなと思っていましたが、現実はそれ以上にレベルが高く厳しい現実を突きつけられた気がしています。
これから先、ハードル種目でIHを目指すことができるのか。今は想像できません。県のトップの選手が14秒10でギリギリのインターハイ出場。潜在能力はかなり高い選手です。それでも5位。こうなると今のやり方では間違いなく女子は戦えない。すごい能力が高い選手が複数名いれば可能なのかもしれません。が、今はそんな感じはない。先が見えない。
ありがたいことに前任校の選手たちが「引退する」という報告をしてくれました。一緒に競技ができてよかったと言ってくれたことに救われます。たった1年間でしたが「陸上競技の本当の姿」を感じてくれていたのだと思います。力があるかないかではない。本気で取り組めるかどうか。ここが私の中では大きいなと改めて感じました。
自分自身が何を目指すのか。これまでとは異なる形がいいのではないか。何が一番「強くなりたい」と思う選手にとって必要なのか。そこを考えていきたいなと思います。
時代が流れ「競技力格差」が生まれています。中国大会も「強いチーム」と「普通のチーム」の格差が大きくなってきています。強いチームはかなり力を抜いて予選を勝ち上がれる。それは「普通のチーム」の選手が本当に「普通」だからです。上位層と下位層の「格差」が大きくなっている。それでも「一生懸命にやる」選手に対して何かを提供したいなと思っています。本当にできるかどうかは分かりませんが。
競技を離れるのも一つの方法なのかなという気持ちもあります。また考えます。自分自身、「陸上競技」を好きでいたい。が、なんとなくそれが厳しいなと思う部分も出ています。どうするのがよいか。わかりません。