kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

県総体~200m~

2013-06-06 | 陸上競技
女子はマイルに出場を止めて個人の200mに集中させる事にしました。4継で2走を走った選手、200mで中国大会に行けるかどうかのギリギリの所にいました。100mでは全く力を出せませんでした。簡単に気持ちを切り替える事ができなかったのだと思います。100mで決勝進出の可能性は十分あったのですがやはり失敗の後に自分の競技に集中する事はできなかったのだと思います。

予選終了後にキャプテンに話をして気持ちを切り替えるように伝えていました。かなり辛い事だと思っていますが、この1年間キャプテンとしてチームを引っ張ってきた存在が気丈に振る舞う事が出来れば周りの者は奮起するはずです。話をしてから表情をみて安心していました。この子に任せておけばここからの小さいエースへの対応とフォローは大丈夫だと。私は主任という事もあり部署を簡単に離れる事はできませんでしたからキャプテンに任せました。

宿舎に帰りキャプテンと小さなエースの二人を呼んで話をしました。小さなエースには中国大会に進んでもらいたい。力的には十分進める。しかし、今回のバトンの事を考え続けていたら絶対に無理です。考えてどうにかなる事であればひたすら考えれば良い。しかし、考えてももう二度とバトンをつなぐ事はできないのです。厳しいようですが現実を受け入れなければ行けません。

小さなエースにできる事は何か?まずは自分の種目に集中することです。そこで自分の力が出せないまま終わってしまったら1走を走ったキャプテンの「想い」はどこにもつないでいけません。いつも一緒にいた二人です。気持ちを共有する部分はかなりあったと思います。キャプテンの気持ちを感じてもらいたい。キャプテンの「想い」を中国につなぐことが出来るのは他の誰でもない小さなエースだけです。

これで小さなエースが力を出しきれなかったらキャプテンは間違いなく自分を責めます。4継がうまく行っていたらと考えるに違いありません。更に2走を走った小さなエースはもっと背負いこむでしょう。そうなると誰も救われなくなります。小さなエースがキャプテンの想いを背負って中国大会を決める事で今回の県総体が「次へとつながる大会」となると感じていました。だからこそきちんと力を出し切ってもらいたいと考えていました。

その事を二人には話しました。だからどんなことがあっても周りを気にしないで自分の事だけに集中をする。ここができるかどうかで200mの走りが決まってくるのです。どうにもならない過去を気にしないで前だけを見て走る。その事が今後の競技人生を大きく変えていく事になると思っていました。今回の失敗を飛躍のきっかけにしなければキャプテンやこれまでの卒業生の想いはつないでいく事ができなくなるからです。ここからのフォローはキャプテンに任せました。信頼をしていますから。

これまで何度か同一種目で中国に進んだ事があります。400m、800m、400mHです。しかし、短い距離、更にハイレベルな種目で複数が中国に進む事はありませんでした。簡単な事ではない。分かっています。大きなエースは100mで優勝をしています。力を出し切れば25秒2では走れるだろうと考えていました。小さなエースはこの大会前までのベストが26秒53。かなりギリギリのラインです。数年前なら問題なく中国に進めていた記録ですがここ最近は26秒前半が必要になっています。何とかそこまで持って行くことができるか?あとは本人の集中と想いの強さにかかってくると思っていました。間違いなく中国に行けるとは言い切れない記録です。自己ベストの更新が最低限の条件となります。

予選、大きなエースはこちらが求めていた通り26秒1で走りました。本当は予選から25秒台で走っておきたかったのですが少し抑えて26秒1を設定していました。小さなエースは力が上の選手と同じ組でしたからまずは着順でラウンドに進まなければいけません。ここに関しては問題はないと思っていました。予選は追風参考でしたが26秒6とほぼベスト記録と同じ。かなり走れていました。

準決勝、私は役員として200mのスタート地点にいました。まだレースが始まっていないので仕事はありません。気になるので様子を見ていましたが良く集中できていたと思います。途中他校の選手が騒がしいと感じたので小さなエースの所に行って「他の事は気にしないで自分の事だけに集中するように」とだけ指示をしました。周りの雰囲気に流されてしまったら集中が保てません。本当に大切な時間です。自分の集中力を切らさないように他の人を気にかけたしまったらダメなのです。

大きなエースは25秒83でトップ通過。チカラ的には抜けています。しかし、本当であればここを25秒5前後で通過できたらと考えていました。少しの向かい風があったとはいえもう少し力を出しておかなければいけなかったと思います。力的にはかなり上のはず。体力の温存というつもりは一切ありませんでした。もったいない展開ですね。
小さなエース、スタートからかなり良い動きをしていました。予選で負けた選手にずっと付いて行く事ができました。直線に入った時には少し前にいます。最後に抜き返されましたが記録はなんと26秒30。大幅ベストでした。見ていて鳥肌が立つ走りでした。かなり良い状態で着順で決勝に進みました。

決勝前は私はあえて声をかけませんでした。最後は選手の気持ちの強さだと思っていたからです。そして任せていたキャプテンがきちんと対応をしてくれると信じていたからです。通常であれば私が動きます。しかし、今回はキャプテンの想いをつなぐことができるかどうかの大きな場面です。信じたいと思いました。

決勝。その舞台に2人が残っています。大きなエースは100mとの二冠、小さなエースは個人で高校初の中国大会がかかっています。この緊張感というのは言葉では言い表し難いものがあります。それでも必ずやってくれると信じていました。
レースは大きなエースがカーブで遅れました。正確にいうとそれほど遅れてはいないのですがこの子がずっと目標にしていた県トップ選手に少し先行されました。普通考えたらここで前に出ておかなければいけない。最後の50mで差がありましたがそこからジワジワ追いついていったのですが間に合いませんでした。記録は25秒53の自己ベストでしたが悔しい2位。本人は悔し涙を流していました。12秒30で走っていますし、私は200mの方が全国で戦える可能性があると考えていましたから本人もこの敗北は悔しかったと思います。すごく大切な経験だと思います。確実に中国大会では本当の力を出してくれるはずです。悔しさは大きな力となります。24秒台を目指してもらいたいですね。

小さなエース9レーンでしたが最初からかなりのスピードで走っていました。最後の50mで6位圏内に入っていました。そこから更に一人抜き去り前を追います。一気に追いついて5位になりました。これは本当に感動しました。なんと記録は25秒95、今シーズンの最大目標にしていた25秒台に2年生で入りました。恐るべき集中力です。


少し話が前後しますが、ogawa先生がスタート前に小さなエースの表情を見たとき「これは中国大会に進むな」と感じたそうです。それほど良い表情していたのだと思います。あとで本人に聞くと「周りは一切見えなかった」とのこと。素晴らしい集中です。

フィニッシュ地点でキャプテンがこの二人を待ってくれていました。涙を流しながら喜んでいる姿を見て私はすごく嬉しかった。想いは形になったのです。中国まで行く事ができなかった悔しさ。力を出し切る前に終わってしまった4継の想いを全ての力を出し切ってつないでくれた小さなエースの200m。言葉にはできません。4継で中国に進んでいたら絶対にこの走りはなかったと思います。中国に進めるという安心感から本来の力を出しきれない部分があったと思います。そういう性格の子ですから。しかし、キャプテンの想いを引き継ぐのは自分しかいないという想いが本当の力を引き出しました。自分の力を出し切ってくれたのです。

大きなエースも同様。100mで走れた事は間違いなく4継の失敗からです。そこに少し安心していた部分もあるでしょう。決勝で負けたことはこの子の将来にとって本当に大きいと思います。次は同じ失敗はしないはずですから。これからチームを引っ張っていく2年生二人が覚醒しつつあると感じました。

これはキャプテンの想いであり、4継を走ることができなかった3年生の想いだと思います。それが二年生に大きな力を与えてくれた。人生を左右するかもしれない大きな衝撃を4継で受けたからこそ、自分たちの眠っている力を引き出せたのだと思います。3年生の存在はやはり大きかったと思います。特にキャプテンのサポートがあったからこそこの二人は力を出せたのだと思っています。自分の苦しさを押し殺して下級生を生かす事に専念してくれたキャプテンや3年生の存在があったからこそここまできたのだと思います。

長くなりました。高校生の力というのは時として信じられないくらいのものが引き出されるのだと改めて感じました。

また書きます。
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県総体~女子マイル~

2013-06-05 | 陸上競技
男子のマイルとは全く逆の選択をしたのが女子のマイルです。女子マイル、出場することを止めました。これにはかなり多くの理由があります。

昨年の県体で女子のマイルが4分8秒で走りました。この時点で「インターハイまで狙える可能性があるのかも」という話になっていました。うちには200mに出場する選手が2人いました。その当時2人にはマイルと200m、どちらも狙う可能性があるという話はしていました。そのため少しだけマイルを意識した練習を冬期の間には取り入れていました(少しだけですが)。本当に力がついてきた選手であれば間違いなく400mを走れます。200mを中心とする選手であれば尚更です。

冬期練習中、短長を中心としている3年生女子の調子が上がりません。こちらが求めていることとは違う行動が多くありました。一人は「追込み練習が怖い」と常に口にしていました。そのためスピードが上がってきているにもかかわらず長い距離(150mくらいですが)の最初から突っ込むことができません。走るだけの練習になっていました。素直で本当に良い選手なのですがこういう部分の「弱さ」がありました。スピード的には62秒を切ってもおかしくないと思うレベルまできているのですがその走りができません。もう一人はハードルを中心にしている選手ですがこちらは自己コントロールがなかなかできない。悪気はないのですが色々とありました。そのためレース後半での失速が大きい。ここを克服できない限りはマイルで戦うのは厳しいと思っていました。

実際にシーズンに入り支部大会で1人が400mで68秒かかりました。この時点で「マイルに力を入れる必要があるのか」という考えに至りました。1人68秒で走れば他の者が全員60秒で走っても4分8秒です。厳しい。このタイムでは中国大会にすらいけないであろうと考えていました。支部大会でこの選手をマイルから外して1年生を投入。これが最後の「賭け」でした。1年生に賭けたのではなく3年生に今自分が置かれている状況を突きつける必要があると考えたからです。「このままではまずい」という鬼気迫る気持ちになってもらわないといけません。そうでなければマイルで中国を狙う意味はなくなってしまいます。

他校の先生方からは「女子のマイルに出るか?」と春先から何度も聞かれていました。中国大会出場を考えるとやはり気になる部分なのだと思います。普通に出場すれば中国大会までは進める可能性があります。6チームしか進めない中国です。この中途半端な状況で中国に出るというのは真剣に中国を狙っているチームにも失礼な部分があります。選手を中国大会に連れて行くためだけのマイルというのはやはり私としては・・・。気持ちの入ったレースができるようでなければ戦えないと考えていました。

同時にこのレベルで負担をかけると上の大会が狙える選手が可能性を失ってしまうという危険性もありました。特に200mではインターハイが狙える力があります。その部分で大きな負担をかけて3日目の200mに影響を及ぼすのはどうか?これまではマイル最優先で200mを棄権してきました。これは「200mでは勝負できない」というのが明らかだったからです。200mに出ても中国で終わり。マイルでインターハイを狙うのであれば3日目の200mは大きな負担になります。その部分を考えて200mの棄権を選択していました。

マイルを捨てるという選択肢、最後まで悩みました。3年生の気迫に賭けていたからです。最後は私の判断で欠場を決めました。4継で勝負というのを最大限に掲げたからです。これに関しては3年生の選手は不満があったかもしれません。この状態であればマイルは出場するだけで終わり。「中国大会出場」を最大目標にマイルを組むのであれば問題はないと思いますが、この状態では中国大会に出場したとしても予選で終わり。そういうチーム状況であれば出ます。県総体だけのことを考えれば出場することも選択できますが「想い」の部分の一致がなければここで出場することはチームにとってプラスになるとは考えられませんでした。

ここには詳しくは書きませんがそれ以外にも「雰囲気」の部分でもマイルを組む意味を考えさせられていました。男子のマイル出場とは違う部分です。もっと「一つのことに向けて」という雰囲気があれば無理をして出場する意味はあったと思います。

総合的な判断としてのマイル欠場でした。支部大会の時から投げかけてきての結果です。

4継で失敗をして3年生を中国に連れて行く手段がなくなりました。気持ちが入った走りができて大きく変わる可能性もあると思っていましたが、4継の2走の今後のことを考えるとここはマイルではなく200m。そう判断しました。厳しい選択だと思います。それでもやるしかないと思っています。選手に恨まれるかもしれませんがそこは決断だと思います。

ここは批判覚悟です。それでも「チーム」としてどこを生かすかということは考えないといけません。その判断が200mにつながったと考えています。チームの今後のためには必要不可欠な部分だと。

また書きます。
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県総体~マイル~

2013-06-05 | 陸上競技
今回の県総体、マイルへの出場は男子のみとしていました。これは1週間前に女子には伝えています。色々と思うとことがあるので。

男子のマイル、中国大会を狙っていました。理由はただ一つ、3年生の男子を中国大会の舞台で走らせてあげたいという想いからです。これは私からの話ではなく選手からの話でした。この冬、総体3日目の種目をどうするか考えていました。男子は200mと800mがあります。この種目を考えるかどうかという部分でした。しかし、選手の中から「マイルで中国大会に行きたい」という話が出てきました。個人で中国大会に進む可能性の高い3年生が2人いました。しかし、もう一人は個人での中国進出は厳しい。その中でどうすればいいか?ここが最大の課題でした。

4継で出場したとしてもこの3年生が走ることはないと思います。しかし、マイルであれば必ず走ることができる。そこで選手から「マイルで中国大会に行きたい」という話が出てきたのです。この申し出があった時本当に嬉しく思いました。一緒に練習してきた仲間のためにリレーで中国へ。この想いを大切にしたいと思いました。それなりに練習をしていたというレベルの選手であればこのような話の流れにはならないと思います。

この3年生、高校に入ってから陸上を始めました。姉がうちの陸上部で競技をしていたという影響も強くあったと思います。中学時代は駅伝に駆り出されて走っていたのですが、短い距離は苦手。その中でうちに入部してきました。当初400mに出場したら60秒以上かかりました。初めてのレースは姉のタイムに勝てていなかったと思います。それでも絶対に手を抜くことなく全力で練習に取り組んできました。補強にしても誰よりも一生懸命にやる。練習中やそれ以外の時間でも周りに気を配る。選手としての努力と人としての気配り両方ができる選手でした。それを近くで3年間見てきた仲間が「一緒に中国で走りたい」と考えている。この想いが本当に嬉しかったですね。

マイルの予選は通過。2日目の準決勝が本当の勝負でした。予選のタイムからすればかなり厳しい状況。3分31秒後半かかっていて30秒切りをしているチームが複数ありました。それでも「狙いたい」という気持ちは変わりません。厳しくてもみんなで一緒に狙う。それはその選手を「走らせたい」という想いからです。レースは1走の1年生がまずまずの位置で持ってきてくれました。その後、2走の400mで中国に進んだ選手が前との差を大きく詰めてくれました。この選手は誰よりも一緒にもう一人の3年生と一緒に練習をしてきました。だからこそ気持ちの入った走りができたのだと思います。大きく差を詰めました。3走は短距離エース。100mと幅が中心なので長い距離は一切走っていません。通常であれば400mのための練習を少しはするものだと思いますが全くです。それでも前半から全力で行きました。2走が詰めてくれていたのでそのままトップへ。正直涙が出ました。役員の仕事をしなければいけないのですが、一緒んそれを忘れてしまうくらいその部分に集中していました。3走が終了の時点でトップ。本当にすごいことです。これは「一緒に練習してきた仲間のために」という想いがあったのだと思います。

4走は3年生。走力的には落ちます。それは最初から分かっていたこと。ここで簡単に逃げれるとは思っていません。他のチームはエースがいます。その中で勝負をするのですから簡単なことではないのです。それでも決して気持ちでは負けていなかったと思います。簡単に先頭を譲ることなく粘り続けました。前半は間違いなくオーバースピードでしょう。持ちタイムとしても5秒以上違うのですから。それでもみんながつないできたバトンを最後まで持って帰るという強い気持ちがありました。この走りも今までで一番だったと思います。結果的に組の5位、3分29秒で決勝には進めず。この時点で「中国へ」という目標は終わりました。

走り終わった選手、2走は倒れこんで涙していました。それほどの「想い」があったのだと思います。うちの男子がそこまで感情を露わにするという事はありません。比較的おとなしい選手たちですから。それでも今回のマイルに賭ける「想い」というのはそれほど大きなものだったと思います。私も涙しました。

「結果」が全てです。行けなかったという事実は変わりません。しかし、「内面の変化」が大きかったというのはこのマイルで良くわかりました。本当に一生懸命に取り組んできたからこその涙でした。私自身、このような選手たちと一緒に競技ができていることを本当に嬉しく感じました。だからこそ自分自身の「力不足」がもどかしい。なんとかできればと思う部分が大きくありました。良いレースを見させてもらえました。心より感謝したいですね。

もうしばらく書きます。お許しを。
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県総体~100m~

2013-06-04 | 陸上競技
4継での失敗、かなり衝撃的でした。私自身、頭が真っ白になっていました。しかし、ここで私が冷静さを失ってしまったら全てが終わってしまいます。選手達は自分を責めてしまいます。繰り返しになりますが選手に責任はありません。私の責任です。気持ちを切り替えさせないといけません。この状態で高校生が気持ちを切り替える事ができるか?難しいと思います。それでも自分のやる事に集中をさせなければいけません。

2走を走った選手は全てを自分の責任だと感じています。ここを簡単に立ち直らせることはできません。100mの招集時間に間に合わなくなります。側に行って少しだけですが話しをしました。ここで落ち込んでいて先に進めないようであれば戦うということはできません。4継の決勝からですが気持ちを切り替えさせないといけない。厳しいようですが「現実を受け止めろ」という話をしました。今考えてもどうにもならないことです。今やらないといけないことは泣き続ける事ではなく前を向くことです。先日も話をしていますがどうにもならない、変えられない過去を悔やむ事で何かを生み出すことはありません。簡単ではないですが前を見ないといけないのです。そこの話をしっかりして立ち上がらせて招集に向かわせました。辛かったと思います。


100mの予選が終わって待機場所に行くとやはりキャプテンが泣き崩れていました。たまたま卒業生が来てくれていて話をしてくれていました。こういう部分では信頼できる卒業生の存在は大きいですね。しかし、キャプテンをこのままにしておくわけにはいきません。チームの精神的な柱となっています。その中心選手が他の選手の前で感情的になっているというのは今後の全てのレースに影響を及ぼします。

個別に呼んで話をしました。誰よりも辛いと思います。個人種目を捨ててでもリレーに賭けるという想いが誰よりもありました。中国大会へと進む唯一の道を閉ざされたのですから簡単に気持ちを切り替えることはできません。しかし、この子だから分かってくれると思い話をしました。今は中国へと進める可能性のある選手のためにサポートしなければいけません。精神的な柱がしっかりしてくれないとチームは崩れてしまうのです。この1年間、キャプテンとして多くのことを伝えて来ました。その力が本当に試されるのはこういうチームが苦しい状況に置かれた時です。その後はすぐに他の選手のために動き始めました。こちらが伝えたきた事がきちんと力になっていました。悔しさや辛さを全て抑え込んで気丈に振る舞う姿は立派だったと思います。

100mの準決勝前、大きなエースが「他のメンバーに何と声をかけて良いのか分からない」と涙を流していました。昨年のことが蘇ったのでしょう。ここも「自分の事だけに集中をしなさい」と伝えました。これで自分の力を出せなかったら本当に何も残りません。失敗を力に変える事ができるかどうかが大切なのです。「できる事は力を出し切って勝つこと」だと話しました。それ以外にないと思います。

小さなエースはやはり気持ち的に引きずっていました。準決勝はベスト更新はしましたがこちらが考えているスピードとは大きな隔たりがありました。ここの切り替えはかなり難しいと思います。メインは200だと考えていましたし、この100mまでの短い時間で全てを切り替えるのは難しい。ここに関してはあとで必ず話をしなければいけないと考えていました。大きなエースは12秒41のベスト更新。気持ちが入っていました。

力があるのはわかっていますが昨年は県新人で大きな失敗をして5位となり中国新人に進めませんでした。3年生を相手にどれだけ自分の力を出し切れるかです。スタートは少し遅れたかもしれませんがそれほど大きな差はありませんでした。この時点で「勝てる」と思いました。根拠はありませんがこのレースに関しては行けると思っていました。中盤から圧倒的なスピードで前を走る選手を抜き去り12秒30の大幅ベストで優勝。持ち味を最大限に生かしたレースだったと思います。

4継の失敗を取り戻す事は絶対にできません。だからと言ってそれ以後の種目が全てダメになってしまうというのは良い事ではありません。その流れを完全に断ち切る優勝だと思います。流れは戻ってきていると確信しました。私自身も切り替えないといけないのです。選手の前で私が動揺を見せると選手はもっと動揺します。だからどんな事があっても大会中は私は気丈であり続けなければいけない。キャプテンに求める以上にです。ここができなければ指導者として許されないと思います。

選手の前では何とか保てましたが、ホテルではまったくと言って良いほど寝れませんでした。申し訳ない気持ちで一杯でした。また何とかして次の日の200mで小さなエースを中国に進めたいと考えると頭の中にあれこれ浮かんできて寝付けませんでした。

この辺りの事はかなり思う事があります。長くのなるので記事を変えます。しばらくお付き合いください。お許しを。
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県総体~女子4継~

2013-06-04 | 陸上競技
県総体、女子の4継はチームの中心に置いていました。ここで何とか48秒台を出してインターハイ路線に進みたいと。1年前1年生に頼らなければいけない状況でリレーを組みました。練習時間が不足していて結果的にバトンミス。早出から大幅減速で0.01秒差で7位となり中国大会に進めませんでした。何年も続いていた「中国大会にリレーで出場」というのが途切れてしまったのです。その日から1年後の県総体でのリベンジを考えてそこだけを目指してやってきました。基本的に走順を固定。これで勝負と。

新年度になり新1年生を3走に置くことにしました。通常であれば一番難しい3走を1年生に走らせるというのはないと思います。3年生を3走に使うという考えももちろんあったのですが走力的な差がありメンバーを変えました。1・2走は固定。これは1年間一切変えることなくやってきました。練習でも失敗することはありません。冬期練習の間も安定してバトンを渡すことができていました。3-4走が走力差があるため少し不安がありました。県選手権ではこの区間でリレーゾーンに入る前にバトンが渡り失格。バトン練習が不足しているためその後の練習は更にバトンに意識をおいたものに変更しました。

大会当日、予選で49秒5、準決勝で49秒4とまずまずの記録で決勝へ。県総体の目標であった48秒台に入るというのが現実を帯びてきたと感じていました。2日目の決勝、朝の練習でもバトンはきちんと渡っていました。調子的にかなり良さそうだったので足長をどうするか考えようかと思っていましたが本人たちが「大丈夫」だと感じていたので変更なし。

決勝、小雨が降る中で行われました。レースは6レーン。普段から練習から6レーンで行っていました。ここは問題なし。1走が内側から多少追いつかれましたが外側のチームを詰めて走って来ました。1走から2走へ。私は役員の仕事でこの区間にいました。出のタイミングはばっちり。問題なしです。後ろから見ていたのですが大丈夫だと感じていました。が、手に渡りません。次のアクションでも渡りません。2度バトンが滑ってしまいそのままオーバーゾーン・・・。受け入れられない現実が目の前にありました。本人たちはその場にしゃがみ込んで立ち上がれません。私も愕然としました。他の選手も同様だったと思います。「普通に」つなげば中国間違いない状況。それでもバトンが渡りませんでした。受け入れがたい現実ですがそれを受け入れないといけない。

2走は泣き崩れていました。もちろん1走も。この区間で失敗をする姿を実は1度も見たことがありません。練習でも大会でもこれまでやってきたバトンの中で失敗する姿はありませんでした。本人も私も「大丈夫」と考えていました。ここに指導者としての「過信」があったのだと思います。後で師匠に「バトンミスは指導者の責任」だと言われました。まさにその通りです。選手には責任はありません。私自身がもっとシビアに考えておかなければいけなかった。様々な状況を想定した練習をしていました。しかし、「詰まった時」のことを想定しての練習は行っていません。また、雨の時に対応も不十分でした。今回手には渡っていました。それが2走が取る前に滑って外れてしまうという状況でした。甘かった。ここの部分も考えておかなければいけないのです。選手は本当に一生懸命に走ってくれました。失敗の全責任は顧問である私。選手は一切悪くありません。

1走はキャプテンでした。私は「信頼」しています。入学当初は15秒くらいの選手でしたが練習をする中で力を付けて昨年から1走。自分でも「個人では戦えない」と感じていた部分があり「リレーにすべてをかける」と公言していました。その選手に最も辛い思いをさせてしまった。本当に申し訳ない気持ちでした。これは言葉にはできません。泣き崩れる姿をみて私も涙が溢れました。キャプテンが泣いていてそれを卒業生が来てくれて慰めてくれていました。ありがたいことです。しかし、その隣には2走の選手も。これは良いことではありません。チームの精神的な「柱」であるキャプテンがこの部分で崩れていたら今後のチームのレース、全てが崩れてしまいます。

個別に呼んで話をしました。辛いことだと思います。この時点でキャプテンの中国大会への道は完全に閉ざされました。最大目標でやってきた4継で中国に進めない。それもバトンパスでのミス。自分のところでという責任を感じる部分もあったでしょう。それでも「キャプテン」としてここで崩れていたらチームは立ち上がれません。辛いのを我慢してでも、自分を押し殺してでもやらなければいけないことがあるのです。すごく過酷な要求をしています。それでも立ち上がらないといけない。キャプテンとしての「役割」です。

辛い要求をしています。それは分かっています。それでも「可能性がある」選手が戦うためには「柱」が必要です。ここに関してはまた別に書きたいことがあります。うちの小さなエースの2走を「生かす」ためにここでキャプテンが下を向いていたらいけないのです。2走は間違いなく自分を責めてしまいます。そこを支えられるのはキャプテンであり1年間一緒にバトンをやってきたこの子しかいないのです。精神的に辛いことがあります。そこを乗り越えられるかどうか。感情を押し殺すという大人でもできないことを高校生に要求する。過酷ですね。それでもこのキャプテンだからできると信じて話をしました。それからは涙を見せずに切り替えてくれていました。

ここまで全てをかけていたといっても過言ではない「4継」でのミス。これがチームにとって大きな起爆剤となります。これに関してはまた書きます。私はこの日の夜、自分の「力不足」が情けなくて一睡もできませんでした。こんなに悔やむのであればもっとできることがあたはず。一生懸命にやってきた選手の「想い」を結果に出せなかったというのは指導者として情けない限りです。選手や保護者に謝っても謝りきれないくらいの感情があります。本当に申し訳ないと思います。
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県総体

2013-06-04 | 陸上競技
県総体が終わりました。この日を迎えるまでに色々なことをしてきましたがあっという間に3日が過ぎていきました。時間をかけてやってきたことが数日で終わってしまう。そのためにどれだけの「努力」と「我慢」をしているか。考えるとすごく感情がこみ上げてきますね。ここに書くというのを迷う部分がありますが、気持ち的なことを何回かに分けて書き記しておきたいと思います。しばらく続くと思いますがお付き合いいただければと思います。

初日、インターハイを狙っている種目の一つである男子幅跳びが行われました。この大会からある部署の主任となっていたので競技展開をみることがほとんどできていませんでした。先週の練習ではかなり良い感じだったのでまずは中国にいって勝負できればと考えていました。3回目の跳躍を終えた時点で6m50ということでした。記録的に物足りない部分はありましたがまずは中国確定だと思っていました。が、他の場所で役員をしながらベスト8の紹介を見ると7番手。正直驚きました。雨の中での競技でしたからそれほど記録が上がらないと考えていました。

役員の関係で遠くで見ておくことしかできない・・・。4跳めファール。さすがに慌てて選手のところに行きました。助走位置を下げること、合わせに行かないことを指示。しかし、結局記録を伸ばすことができませんでした。一番狙っていたところで7位。本当に申し訳ないと思います。跳躍系が分からない部分があり様々な先生方にアドバイスをいただきながらやってきました。私自身がもっともっと勉強してこの選手に細かく対応ができていたら全く違う結果になっていたと思います。選手は本当に良くやってくれていました。言葉にできません。

中国に行けないことが決まり選手は動くことができない感じでした。しかし、すぐに4継の準決勝があります。心を鬼にして「気持ちを切り替えて4継に向かわないと」と話をしました。簡単に切り替えることができないというのは分かっています。しかし、うちの男子のエースですからこの選手が動いてくれないとチームは進みません。しんどいのは分かっていてもやってもらうしかないのです。

跳躍を遠くから見ているときに4継を走る1年生が2人スタンドにいるのが目に入っていました。これから4継を走らないといけないにも関わらずアップに行っていなかった。「応援していた」とのこと。私自身「分かっているだろう」という過信がありました。3年生2人、1年生2人で4継を組んでいました。3年生2人は個人種目に出場しているのでその場にはいません。女子がアップに行っているので大丈夫と思っていたのですが「1年生」という部分をもっと考えておかなければいけませんでした。

アップに行くのは召集開始時間10分くらい前。数本走らせようと思って室内練習場に行きました。もう1本走るように指示をすると「お腹いっぱいで走れない」と・・・。30分くらい前に食事をお腹いっぱい食べたようでした。ここももっともっと細かく言っておかなければいけなかったのかもしれません。これまで競技をやっていたので「食事」は頭にあるだろうと考えていました。つくづく自分の「甘さ」が情けなくなりました。この4継でしっかりと勝負ができたらとやっていました。力的には昨年と同様かそれ以上だと思っていたので。もっともっと私が詳細に行動の流れを話しておかなければいけなかったと思います。

結果的に4継は予選より大きく記録を落とし準決勝落ち。先には進めませんでした。これにより跳躍選手は100mで6位以内に入らないと中国大会に進めないという厳しい状況に置かれました。

翌日の100m。本人の表情はいつも以上に硬いものがありました。当然です。インターハイを目指してやってきたのに中国大会への切符をつかめるかどうかの状況に置かれているのです。予選はスタートで大きく出遅れました。過剰に緊張してる感じがあったので「自分の走りをするように」と話して落ち着かせました。なんとか決勝に残ることができて勝負。これまでで最高レベルの100m決勝だったと思います。10秒台が5人・・・。うちの選手はガチガチになりながらも11秒11で中国に進むことができました。

本来の走りとは程遠い走りでもなんとか中国に進めた。本人も安どの表情でした。もっともっと走れると思います。幅跳びのことは切り替えていかなければいけない。難しいことですが。勝負できる可能性がある種目があるのです。そこでどう戦うかというのかが大事です。この選手が納得の走りができるように私はサポートしていきたいとおもいます。幅跳びの悔しさは言葉にできない大きさだと思います。それだけ思い入れの強い種目でしたから。「ダメだった」ことをどれだけ考えても先には進めない。やり直しはできないのです。それならできることをやる。それが全てだと思います。

この大会でもう一つ大きく自分の「力のなさ」を痛感したことがあります。これはまた別に書きます。
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気持ちの整理

2013-06-03 | 陸上競技
気持ちの整理ができたら書きます。もうちょっと時間をください。すみません。
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