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地元青果卸売業のお話

2016-01-16 23:43:32 | 15期生のブログリレー

みなさま

 

15期生の矢口です。

 

本日研修会の機会があり、

水戸市公設地方卸売市場内にある青果仲卸業の方から

いろいろと卸売業についてお話を伺ってきました。

 

卸売業は未知でしたが、重要な役割を持っていることが分かり、

参考になった点が多かったので以下に共有します。

(今日の今日なのでまとめきれていない点はご了承ください)

 

・卸売市場は中央(農水省管轄)、地方(自治体管轄)、民間の3種類がある。

今回の水戸のは県内唯一の地方卸売市場で、24時間営業している。

自治体で管理しきれずに民間管理に移っているところが多い。

 

・野菜などを荷入れしているのは、農家直接、JAや組合、(市場間で動かしている)移出商の3パターンある。

荷受け時の代金は、中央の大田や築地のものが相場となって全国的に決まっている。

荷入れ者には3日後に代金が入金される。

 

・生産者側としては、市場取引では(価格は安いが)早期決済、売り切りができるメリットがある。

 

・(今冬のような暖冬の場合)出来過ぎてしまった場合は、価格維持のために生産者は収穫せずに潰してしまって補填金を得る。

箱代や市場までの運賃も省くことができる。

 

・市場や卸の複雑な仕組みは、リスク分散のためである。

両者ともに共通しているのは、完全に売り切ることであり、卸としては(一時の利益よりも)いかに回転させるか、が最優先事項。

仲卸業の肝は、いかに周りに迷惑をかけないでいいところ取りをするか、長期的な利害を一致させるか、である。

職人肌や暗黙知の部分が多いので、どう見える化させていくのか課題がある。

 

・青果以外の加工品や日販品も顧客の要望があり幅広く扱っており、利益はほぼ出ていないが、

他の業者がやっていないので、逆に強みになっている。

 

・茨城の特徴として、耕作面積も広く何でも作れてしまう、首都圏(大消費地)に近いので直販率が高く、市場や組合への卸が多くない、ことがある。

食料生産・販売的には不自由ないので性格的に焦る風土がない、個々の力強く小さい田畑を統合させていくのがやりにくい、傾向がある。

旬の時期(他の産地が多く作っている時)でなく、わざと促成や抑成して時期をずらして作って通年供給している形なので、

味は旬のものには敵わなく、特徴を出しづらいきらいがある。

 

・TPPへの対応としては、輸出を増やすことに力を入れ、取り扱いを増やして規模の経済を機能させ価格を落としながらも海外で売り上げを増やしていけるように

海外で売れる仕組みを作っていきたい(鮮度のためにも茨城空港の活用を考えている)。

海外からの輸入に対しては、品質を高めて対抗していく。

 

・ブランドとは、品質の高いものを安定して供給できること、で名前が有名なだけでは不十分。

生産者の意識、ボトムアップが必要である。

 

・有機栽培と慣行栽培のものでは価格は10倍くらい違うが、味はそこまで違いはないと言われている。

有機の方を求めているのは一般消費者でもごく一部に過ぎない。

 

 

良い悪いは別として、多くの税金が投入されて保護・調整されている日本の農産物の現状が興味深かったとともに、

いわきなどで付き合いのあった有機農家や消費者側としてしか今まで見えていなかったことに納得しきれないながらも、

卸売業としては個々のこだわりよりも量、効率性が重視される立場も理解でき、大変勉強になりました。

 

 

私自身は年明けからフリーター生活に突入し、

今後の方向性を絞り切れずモヤモヤしたまま来てしまっています。

ズルズルとさせず前向きに定めてまいりますので、

お見守りいただければ幸いです。

(実際にキャリアの選択って難しいですね)

コメント (3)
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