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宇宙と食のビジネス

2024-06-03 12:00:00 | 23期生のブログリレー

こんにちは、稼プロ!23期生の曽我剛です。今回は最近私が学んだ宇宙と食のビジネスついて書きます。

稼プロ!23期生の執筆チームの一員として、最近宇宙ビジネスについて調べています。宇宙ビジネスと言っても、様々な分野があります。もっとも皆様が想像しやすいのがロケットや衛星のビジネスだと思います。「下町ロケット」のように、もし中小企業で部品加工に関わっていたら、「ロケットの部品を手掛けてみたい」というロマンを抱いてしまうかもしれません。ロケット打ち上げは世間の注目度が高く、日本の次期主力ロケット「H3」が今年の2月に打ち上げられた際にもニュースになりました。

その他の宇宙ビジネスとして最近多いのが衛星データ活用ビジネスです。宇宙で取得する衛星データの活用は、宇宙ビジネスの1つとして捉えられて、様々な分野で活用が進んでいます。地震や洪水などの災害把握、作物の適地や漁場の把握、インフラの安全性の監視など多種多様です。

今回私が注目したのは、「宇宙と食」についてのビジネスです。一般社団法人 SPACE FOODSPHEREという団体があります。この団体の目的は、「宇宙食料関連マーケットの早期創出に向けて、国内外における産学官の有機的な連携を促進する」となっています。民間企業とともにJAXAも運営に関わっており、その他多数の民間企業や大学関係者が参画しています。

SPACE FOODSPHEREは、将来人々が月面で生活することを想定して、企業などが得意領域を活かして「食」に関して必要なものを開発し、さらにそれを地上のビジネスに転用し事業化していくことを推進しています。宇宙の「食」に限定してしまうと、市場が小さくて事業化しにくいですが、地上でも宇宙に似た制約の状況はあり、地上の市場の方が今は大きいので、まずはそこを狙って事業化を進めていこうという考え方です。

進行中のプロジェクトの1つに「スペース・スタジアム・フード」というものがあります。宇宙食はまだバリエーションが豊富ではないので選ぶ楽しさがありません。また無重力環境では食器は扱いにくく、食べる場所も限られます。それらと似た課題があるのが地上では「スタジアム」だという発想を元にしています。サッカーや野球などのスポーツ観戦するスタジアムでは、「調理設備が不足」、「食べられる場所が狭く限られている」、「ゴミが大量に出ると困る」など、まさに宇宙での課題と一致します。

「スペース・スタジアム・フード」では、すでに日本のプロサッカーチームととともに取り組みをスタートさせていて、スタジアムで売るためのフードの開発を進めています。スタジアムに適したおいしいフードを作れば、最終的に宇宙食にも転用できる可能性があります。宇宙食だけを目指す小さな事業ではなく、地上におけるイノベーションも同時に起こし、宇宙と地上の両方の食のニーズを満たしていけるのです。

宇宙食の課題を抽象化して、類似点のある領域を身近なところに探して、そこを狙って事業化していく、という視点は非常に合理的で興味深い手法だと思いました。スタジアムフードの開発が宇宙食にすぐ結びつくかはやや疑問がありますが、間接的に将来結びつくことはあるでしょう。スタジアムフードをただ開発するよりも、宇宙と結びつけることで、関係者のモチベーションがあがると思いますし、宣伝にもなって面白い取り組みだと思いました。

SPACE FOODSPHEREは、宇宙での制約を解決するソリューションが多くの人の宇宙生活を実現するものであり、同時に地上の課題を解決するものにもなるという発想で、様々な取り組みを行っています。今後もその活動に注目していきたいです。

コメント (4)
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