ある晴れた日に第207回
りびえらさんは、枚方の菊人形の会場に幽閉されてしまいました。
りびえらさんに同情した女の子が面会にやってきましたが、許してもらえませんので、仕方なく門の外で、りびえらさんのお母さんとたちつくしておりました。
「お母さん、りびえらさんはどうしてりびえらさんというの?」
「リびえらさんはリビエラからお嫁にやって来たのよ」
「りびえらさんはなにか悪いことをしたの?」
「いいえ、悪い大臣が勝手に牢屋に入れたのよ」
りびえらさんは、リビエラ国のお姫様だったのですが、悪い大臣が黒い戦争を企んだ時にただ独り反対したために、ここに連れてこられたのです。
それから2人は可哀想なお姫様のために「冬のリビエラ」を歌い、1本の薔薇を置いて立ち去りますと、りびえら姫もこんな歌を歌いました。
ふるさとはきっと薔薇の花盛り
でも枚方には菊のお花しかない
み園生の泉の底に沈んでいた勾玉の翠の光の懐かしや
するとその歌を聞き付けた名犬ムクが、りびえら姫の絹のハンカチーフをくわえて走ってきましたので、りびえら姫が急いでそれを開いてみると、赤青翠黄色紫の5色の木の実が入っていたのでした。
