あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

ロブ・ライナー監督の「スタンド・バイ・ミー」をみて~「これでも詩かよ」第69番

2014-03-09 10:12:35 | Weblog

闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.627&ある晴れた日に第208回



鉄橋の上を驀進する機関車は、君を轢き殺そうとしている。

獰猛なドーベルマンは、君のふぐりを噛み切ろうとしている。

ちんけなちんぴらは、ジャックナイフを振りかざして君に迫ってくる。

世界は、無数の殺意で満ちている。


君の兄さんは、突如としてこの世を身罷った。

君は、君の父親の愛を感じることができない。

森の中の池のほとりで、少年はひとりぼっちで死んでいる。

世界は、無数の死で満ちている。


けれども、森の中には一頭のヘラ鹿が遊んでいる。

そして君の傍には、たった一人の友がいる。

すべての人々を敵に回しても、君の傍らに立ち続けるであろう一人の友人が。

世界は無数の殺意と死と一滴の愛で作られているのだ。



なにゆえに軍艦の色は灰色か人を殺すは憂鬱なるゆえ  蝶人
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