闇にまぎれて cyojin cine-archives vol.1095、1096
○サミュエル・フラー監督の「最前線物語」をみて
第1次大戦にも出兵した鬼軍曹リー・マーヴィンに率いられて第2次大戦の欧州各地を転戦する6名の若き兵士らの痛苦に満ちた赤裸々な体験を、サミュエル・フラーが悠揚せまらずじっくり描いて見ごたえあり。第1次大戦の終結を知らずに敵兵を殺した軍曹は、第2次大戦でもその過ちを犯すが、幸い兵は一命を取り留めるという終わり方がいかにもフラーらしい。
○ドルトン・トランボ監督の「ジョニーは戦場へ行った」をみて
ジョニーは彼女が逃げろと云うのに国のためだからというて戦争に行った。案の定死ぬより悲惨な生ける屍になってしまった。どんな立派な国よりも大切なのは自分の命。いかなる大義名分で押しつけられようとも兵士になってはならない。
死なずともいい人が死にさにあらざる人が生きてるようだおいらはどっち 蝶人