音楽千夜一夜第441回
ベートーヴェンからブラームス、ブルックナー、リヒアルト&ヨハン・シュトラウス、ハイドン、モザール、ウエバー、シューマン、ワーグナーなどの交響曲、管弦楽曲を、これでもかこれでもか、と詰め込んだご存じVENIAS特製のボックスセットずら。
いずれもいつかどこかで聞いたことのある「天下一品の名演奏!」なのだが、どうもこのVENIASの音づくりが気に入らない。
「モノラルでも聴きやすい」とかいうて売りまくっている人気レーベルなのだが、音の圭角、粒立ちにカンナをカケて削った人工的な調音なので、そりゃあ聴きやすいかもしれないけど、金玉を抜かれた宦官のレコード?を聴かされているようだ。
さらに下品な喩えで申し訳ないけれど、「伊エルミタージュ盤のブラームスの2番は勃起しているのに、VENIAS盤ではインポテンツになり下がっている。」のよねえ。
大枚はたいて買い込んで嘗めるように聞いたはいっときの極楽。なんのことはない地獄の一丁目行きとは成り果てましたあ。
あれほどの赤子を死なせたのだから土下座くらいで済むはずはない 蝶人