蝶人狂人綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第385回
○転任社員歓迎会/支社長のあいさつ
本日は、わが日本損保株式会社西本町支店に、黒川善二君を新たなメンバーとして迎え、皆さんと共にささやかな歓迎会をもつことができてたいへんうれしくおもいます。
黒川君はわが社の夕陽ケ丘支店で外勤セールスを5年、由良川支店で3年間内勤販売統括を経験された極めて優秀な営業マンです。*1
彼は、セールス活動の傍ら、ボランティアやボーイスカウトのリーダーとして活動され、ミニコミ情報誌を発行するなど、一貫して地域に密着した市民活動に取り組んできました。黒川君は会社の業務活動とご自分の市民活動を見事に融合しながらビジネス面においても、パーソナル面においてもめざましい成果を発揮され、昨年は第24期社長賞を獲得されたのみならず、城南市ボランティア大賞をあわせて受賞されています。
仕事と趣味、対外的利益活動と内面的充足活動の両面を同時並行して展開してゆくという黒川流のウエイ・オブ・ライフは、現代では当然といえば当然のライフスタイルなのでしょうが、わたくしのような年配の者の目には極めて斬新な生き方のように映ります。*2
先月の全国支店長会議で、その黒田君が新人事制度による「自己申告転勤希望制度」適用の第1号になったという報告を耳にしたわたくしは、早速人事部長に掛け合い、当西本町支店の副支店長として着任してもらうことになったわけです。
さて、皆さんもご承知のように21世紀に入って、われわれ保険業界も大きく変化しようとしています。*3
その一例が、最近当社が米国のエネルギー商社エンロンと提携して製品開発した「天候デリバティブ」です。冷夏や長雨など気象条件の大幅な変動による企業の損失をデリバティブ、すなわち金融派生商品の手法を使って補償する新商品は、レジャー、エアコン、飲食店、百貨店など多くの「お天気商売」顧客を獲得し、今夏の販売額は年初予算を45%突破いたしました。
「天候デリバティブ」は損害保険と違って法的規制がほとんどない自由な相対(あいたい)取引なので今後はお客様のニーズにあわせたオーダーメード取引条件の設定も可能になってくると思います。これが前近代的といわれる金融保険業界の構造改革の尖兵になってくれるといいなと昨日も黒川君と話しておりました。*4
皆さん「天候デリバティブ」という新製品と黒川君というニューフェースを“天からの配剤”として存分に活用し、忘年会では最高にうまい酒をたらふく飲もうではありませんか。
○アドバイス
*1転任者の経歴で非常にユニークな点、紹介すると列席者に刺激や感銘をあたえそうな素材をあらかじめ取材しておき、要所要所で披露すると効果的である。その際、本人のプライバシーを尊重し、スピーチの了解を得ておくことがのぞましい。
*2許される範囲で社内情報の裏話をもらすことは、聴くものの興味をひきつけ、支店長の立場と権威を再確認してもらえる格好な機会でもある。
*3管理職のスピーチは部下やスタッフのスピーチと違う。つねに傾聴され批評の対象になるべき性質のものであることを自覚する必要がある。当該企業の当面のビジネスの核となる話題にさりげなく触れることも重要。
*4最後に主役を引き立てるオチを作る。
公明党創価学会のシンパだが石原さとみはとても可愛い 蝶人