蝶人物見遊山記第365回&鎌倉ちょっと不思議な物語第443回
残念ながら5月17日に終ってしまったのだが、「晩年の作品を中心に」集めらた今回の展示品は、毎回変わり映えのしないマンネリ・コレクションにあって、一等抜きんでた内容であったかもしれない。
その中心はなんというても、最晩年の「白梅」、明治の庶民生活の朝昼晩を描いた銘品「朝夕安居」であるが、もっと心に染みたのは、引き出しに収められたサントリー眉美術館所蔵の、鮎やさくらんぼうや様々な身近な素材の素描であった。
日本画家、鏑木清方の最大の武器は、あの印象的な碧を代表選手とする、江戸伝来の上品で洗練された繊細な色遣いであるが、これらの小品を際立たせているのは、西洋画の作家に勝るとも劣らぬ彼特有の理知的なデッサン力で、それが身近な素材に永遠の生命を付与しているのである。
政治家の全部が女性でもいいけれど自公維国に所属するなよ 蝶人