照る日曇る日 第1894回
「ちいさなかなしいじじつのおはなし」という副題がついているが、今現在世界中で起こっている強権専権者による事実隠蔽、反対者弾圧のじっさいを糾弾する「ああ堂々の正義の絵本」である。
こういう抽象的、政治的な題材を絵画化するのは難しいが、権力を行使するフェイク強派が、ファクト弱派を箱に入れて地下の奥深くに「埋葬」するグラフィックなどはじつに生々しく、中国やシリアやミャンマー、香港などの強権支配を仮想体験させるようで覚えず肌寒くなる。
こういう希少な警世の書を大人はもちろん幼い世代のひとたちにぜひ読んでもらいたいものだ。
同盟や同志国から身を引いて遠ざかり空の上から世界を見たい 蝶人