ある晴れた日に 第715回
首都犬てふ幕府のイヌの罪の認否は明らかならず
遠い日の記憶を頼りに考えるゲマインシャフトかゲゼルシャフトか
一瞬の沈黙さえも懼れつつ喋りに喋るテレビのキャスター
あのツバメ丸まる太っているけれど上手く鳴けないのよと八百屋のおかみ
俺様は第1級の詩人だがお前は詩人ではないと決めつける男
熱しやすく冷めやすきかな君の頬桜交じりの雨降りかかる
誰がなんといおうが嫌いなり男のくせに化粧するやつ
監督も役者もキャメラも脚本家もみな死んでいる映画をみてる
大谷のホームランを見てる間に着々進む戦の準備
窒素は葉リン酸は実でカリウムは根に良い肥料となると教えられたり
微かなる揺れにも我らは反応しぐらり揺れると獣に戻る
「新しき戦前」を「戦時」に変えるべく攻勢かけるネオナチ「維新」
トラウトとジャッジを合わせた値打ちあり2刀流の大谷翔平
スタジオで帽子をかぶっている歌手にろくなやつなど一人もいない
あっちでは死に物狂いの戦さだがこっちは呑気にお花見してる
どさくさにまぎれて大金を外国にばらまいている異次元男
ミサイルがもし北海道に墜ちたなら異次元男はどうするんだろう
ミサイルがもし北海道に墜ちたなら自公維国はどうするんだろう
ミサイルがもし北海道に墜ちたなら俺たちどうすればいいのだろう
陰嚢を診てもらった女医さんの眼を見て話すことはできねえ
歌いも歌いても尽くせぬ詩詠いても詠いても尽きぬ短歌のごとし
発語して1分経てばないもかもわうれるための会話の練習
百千の監視カメラに見張られてあなたも私も犯罪予備軍
この国も私も壊れているためにテレビが壊れ洗濯機も壊れる
山笑うゲマインシャフトかゲゼルシャフトか
桜散るゲマインシャフトゲゼルシャフト
じぇじぇえとあまちゃんのように鳴く燕かな
健三郎、龍一死して春黒々
春雨や大江光はどうしているか
春や春ハルジョオンかなヒメジョオンかな 蝶人