西暦2013年霜月蝶人狂言畸語輯&バガテル-そんな私のここだけの話op.176
俳句もショパンも滞空時間が短く、まるで線香花火のように燃え尽きる。ジュジュジュ。11/24
われわれは皆他人の不幸には充分耐えられるだけの強さを持っている。ラ・ロシュフコー「箴言集」
君主の寛恕は、往々にして民心を得るための術策に過ぎない。ラ・ロシュフコー「箴言集」
他のいかなる男も「その子」の良人になることができるが、「その子」の全絃を鳴らすことができないだろうと思うのであった。山本周五郎「栄花物語」
自由は大いなる犠牲と責任によって贖われる。黒澤明「わが青春に悔なし」11/27
人間は夢と同じもので出来ており、その短い生涯を眠りで終わらせるのだ。シェークスピア「テンペスト」11/28
歩きながら観察すればそれが「小説」になり、立ち止まって物想いに耽ればそれが「詩歌」になる。11/24
私は「特定秘密保護法案」に反対します。賛成の方とは席を同じくしたくないので、どうぞお引き取りください。11/26
もうあれだよね、世の中投げちゃってるんだろうね。国会の秘密ごっこなんか知らんぷりしてひみつのあっこちゃん読んでる人は。11/25
猪瀬ももちろん無節操で無責任なお調子者だが、彼がそういう手合いだと見抜けずに投票した434万人の都民の見識の無さのほうが、本当はずっと罪が重いのではないだろうか。悪辣非道な安倍自民党に投じた選挙民と同様に。11/24
ほんとうに感動感激したコンサートには「ブラボー」、お金を返してほしい下らないコンサートには「ブウ!」と叫びましょう。訳も分からず無暗に拍手するのだけはやめてけれ。13/11/16
短歌の面白さを知ったのは今からおよそ3年前、詩を書く楽しさに目覚めたのは今年の6月だから、歳を取ってもそれなりに前に進んでいることもあるのだな。11/19
脳みその中で長々ともて遊んだために、言葉だけはえらく洗練されているが既に命は絶え、意味内容なぞ自分でも分かったような分からんような歌を苦悩しながら製造して、それがさも値打ちありげにうぬぼれている歌人が多いことだなあ。11/20
わが愛する青鷺のベンジャミンは死んだが、母親のザミュエルが今頃になって滑川に戻って来た! 娘を探し求めるその姿は、さながら梅若丸を喪った「隅田川」の狂女のようだ。11/17
アニメ映画の登場人物ってどうしてみなおんなじような顔をしているんだろう?11/16
しかし欲望は叶えられなかった。保坂和志「未明の闘争」より
私のようにミクシやら、フェイスブックやらツイツイツイッタアやらを通じて己のなにやかやを人様の前で恥ずかしげもなく晒しまくる人間に比べて、ブログもSNSもいっさいやらないひとたちの人格の高潔さが一際きわだつ秋であることよなあ。11/12
じっさいフルトヴェングラーのベートーヴェンやブラームスを実演ではないにしろ耳にしたあとで、「もっともっと」とあれやこれやの指揮者の演奏を聴きまくるというのは、じつに浅ましくも無益な耳汚しというものではではなかろうか?11/12
彼は日曜日の朝、木立を眺めながら手だけを宙の中で動かし、太極拳の有名な21の型を取りながら息を引き取りました。ルー・リードの妻、ローリー・アンダーソン11/12
偉そうなことを言うんだったら一晩に三回オナニーしてみろ! 保坂和志「未明の闘争」11/12
ベケットは晩年毎日同じカフェの同じ席に何時間も座っていた。保坂和志「未明の闘争」より
谷川俊太郎の詩業をかえりみると、質もさることながら結局は分量だと思う。血と汗と涙とユニの筆跡の蓄積キログラムだ。日々ひたすら書き続けて死に至ること。それが詩人の生き方である。11/14
楽器奏者たちが演奏に命を賭けるのは、生き物の体の一部がそこに使われているからだ。保坂和志「未明の闘争」より
「秘密国家」に奉仕して国民の基本的人権に奉仕しない「秘密保護法案」をなんとか廃棄処分にしたいものだ。11/12
このごろスケバンやヤンキーを見ないが、そういう時代はちょっとヤバイのではないかいな?11/11
三波春夫の代表歌は「東京五輪音頭」ではなく「元禄名槍譜 俵星玄蕃」であり、島倉千代子の代表歌は「人生いろいろ」ではなく「からたち日記」である。11/10
一般的には子どもの絵の方が大人の絵よりも値打ちがある。11/8
子どもの初々しい目と心をどうやって取り戻すかが、大人のいちばん大きな課題だ。11/9
わが愛する青鷺ベンジャミン身罷りにけり。11/7
石原慎太郎と同様、石原裕次郎も嫌いだが、小林旭は好きだ。巨人よりも阪神のほうが好きというようなもんかなあ。長すぎる映画は嫌いだが、短い映画は好きだ。大人より子供が好きというようなもんかなあ。13/11/2
まずは「治天の君に依る」という奴隷の思想を廃すことだ。すべてはそこから始まる。11/2
政治は民衆の幸福への奉仕の宣言からはじまり、政敵への憎悪と抹殺、に終わる。政治的人間は、政治のほんらいの目的に向かう前に政敵を傷つけ、殺し、そのことによって自己を滅却するのである。11/2
私は政治のすべてに絶望し、疲労困憊のあまりギロチンの凍れる刃すら最高存在からの最後の慰藉と感じ、甘んじてこうべを差し伸べたロベスピエールの孤独と悲しみが少し分かるような気がする。11/2
この国でシャッポはすっかり跡を絶ったが、残されたたった1つの帽子がある。むかしは立派だったが、いまでは相当古ぼけているので、ときどきそれを新調したがるお節介なやつも出てくるが、もしそれが無くなれば、そういうものかと思って全員が無帽で我慢するようになるのだろう。13/11/2
この国の花鳥風月と俳句と消費文化とふぁっちょんビジネスには、旧暦こそふさわしい。旧きを取り戻したがっているあの自称軍国主義者の右翼が、「旧暦を取り戻そう」と叫ばないのはじつに不思議だ。13/11/1
何故紅旗征戎非吾事笑而不答天地水明 蝶人