あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

小池昌代編・片山健画「うち 知ってんねん」を読んで

2023-05-15 11:16:00 | Weblog

 

照る日曇る日 第1899回

 

小池選手が選んだ、なんにんかの詩人たちの詩に、片山選手が絵をつけたもの。

 

私が好きなのは、坂上あんずの「わたしとママ」、川崎洋の「ボタン」、島田陽子の「うち 知ってんねん」、石垣りんの「かなしみ」、岩田宏の「住所とギョウザ」かな。

 

「はよ死ね」と国から言われているようだデジタルについていけないこのわたし 蝶人

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5月の黄金週間に鎌倉・逗子の「名越切通」を歩く

2023-05-14 11:07:38 | Weblog

 

蝶人物見遊山記第363回&鎌倉ちょっと不思議な物語第442回 

 

風薫る5月。久し振りにタクちゃんアルちゃんたちと、鎌倉七口のひとつである「国指定史跡の「名越切通」を歩きました。

 

ここは鎌倉の中心部からかなり距離がありますが、その途中に頼朝・政子が長女大姫の快癒を祈願してお百度参りを敢行した杉本寺から岩殿寺までの中世巡礼路、「まんだら堂やぐら群」、「お猿畠の大切通」などがあり、それから先に行くとあの北条時政の屋敷跡もあるのです。

 

この日は普段は閉鎖されている「まんだら堂やぐら群」を見学することができました。山腹の岩に横穴を掘って内部に五輪搭を安置し、当時の僧侶や武士たちを納骨、供養する聖なる場所がやぐらですが、ここは150以上の最大のやぐらが威容を誇っているのです。

 

鎌倉は三方を山に囲まれた狭小地ですから、このまんだら堂に葬られたのは鎌倉時代のエリート中のエリートで、大半の民草は由比ヶ浜の海岸に埋葬されるというよりは放置されたので、現在の海水浴場の砂の下にも多くの骸骨が眠っているはずです。

 

「お猿畠の大切通」は昔から北条一族が最強の敵三浦一族の強襲に備えて人工的に山腹を刻んだ断崖絶壁と教わって来ましたが、近年はさまざまな異説もあるようです。

 

鎌倉観光といえば馬鹿の一つ覚えの小町通りの食べ歩きとくるようですが、あんな東京資本で埋め尽くされたシンポチの偽小町大路をぶらつくよりは、たまには鎌倉の7つの切通などをハイキングしてみてはいかがでしょう。

 

  大谷がどうのこうのと言う前に天使も見捨てる投壊エンゼルス 蝶人

 

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藤本タツキ著「チェンソーマン11」を読んで

2023-05-13 13:09:51 | Weblog

藤本タツキ著「チェンソーマン11」を読んで

 

照る日曇る日 第1898回

 

某ヒョウロン家が絶賛していたので11巻目の「がんばれチェンソーマン」を手にとってみた。チェンソーを使って人間を殺傷する桁糞悪い映画を前に見たことがあるので、おそらくこういうホラー映画を参考に描きはじめたのではなかろうか?

 

同じ人間なのに、遠慮会釈もなく人殺しをしまくるプロットが非情で暴力的な現代社会を象徴しているのだろうが、物語の基軸は公安対魔特異4課を仕切るミステリアスな「支配の悪魔」マキマに対する「チェンソーの悪魔」デンジの嗜虐的な倒錯愛なのである。

 

強いマキマはテンジを圧倒するが、戦いの最中に、テンジがマキマをいくらチェンソーで切り刻んでも平気で蘇えるのは、どういう約束事になっているのだろうね?

 

       春雨やコウもケンも哀れな奴じゃ 蝶人

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柄谷行人著「ニュー・アソシエーショニスト宣言」を読んで

2023-05-12 11:32:00 | Weblog

照る日曇る日 第1897回

 

かつてこの国に、ニュー・アソシエーション運動(NAM)と称する、著者に拠って提唱された自由でアナーキーな運動体があった。

 

それは2000年からおよそ2年の活動を終えて解散した、自分の意思で自由に参加する自律的な行動態で、原理的には「国家、資本、民族の三位一体」に対抗しようと、新しい協同組合作りなど、多種多様な活動を展開したのだったが、それを総括したのがこの本である。

 

いくら資本主義に口先で反対しても、事態は一向に変わらないどころか、ますます悪化しつつある現在、体制になんとか一矢も二矢も報いようと始まったこの運動は、結果的には失敗したとはいえ、いくつかの点でいまなお耳を傾けるべき多くの示唆を内在させていた。

 

例えば、民主主義の腐敗と堕落、形骸化を防止するための「籤引き」制の導入、また全学連創成期に立ち返って「層としての学生」の役割を見直し、労働者即学生、生産者即消費者てふ一元的一視同仁的な捉えなおし、ストライキ不可能時代における労働放棄と資本から独立した生産&消費点の立ちあげなどなど、我ら民草に、いまなお斬新な問題提起を示し続けているようだ。

 

   比嘉さんのケアのお陰で耕くんの虫歯の治療が出来ました! 蝶人

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W・シェイクスピア作・桒山智成訳「冬物語」を読んで

2023-05-11 11:02:17 | Weblog

W・シェイクスピア作・桒山智成訳「冬物語」を読んで

 

照る日曇る日 第1896回

 

美しい5月の新緑の中で、沙翁晩年の傑作を最新訳で読む快楽よ!

 

ボヘミア王に美貌の妻を寝とられたと勘違いしたシチリア王が、次々に巻き起こす悲劇の連鎖は痛ましい。妻と王子を失った王は、アポロンの神託が出てから、ようやく後悔し始まるが、時すでに遅し。

 

16年後に、妻とボヘミア王との子どもだと思って捨て去った娘が、己の実子と分かり、彼女が、ボヘミア王の息子と結ばれ、死別したはずの妻まで生き還る!という嘘のような奇跡が起こって大団円を迎えるのでR。

 

解説に拠れば沙翁の原文は全篇ブランク・ヴァースという詩形で書かれており、各行で弱母音と強母音の抑揚が5回繰り返されるリズム(弱強5歩格)を持つというのだが、そんなこたあ知らんかった。

 

だから沙翁の原文はそれ自身が音楽性に満ち溢れ、それ自体で朗読朗唱に耐えるのだろうが、本訳では日本語とはいえそれに出来るだけ近ずけようと創意工夫しているので好感が持てる。

 

 「この水着どうかしら?」と聞く君に「超可愛いね」と答える仕合せ 蝶人

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文・目黒実 絵・荒井良二「鳥たちは空を飛ぶ」を読んで

2023-05-10 10:27:17 | Weblog

文・目黒実 絵・荒井良二「鳥たちは空を飛ぶ」を読んで

 

照る日曇る日 第1895回

 

昔むかし空を飛べずに、地面を歩いていた鳥たちが、仲間の動物たちをはじめ、ありとあらゆるおものから迫害されて安住の地を求めて、全地球の東西南北をさまよいあるき、ついに「ある少女」の飛翔をきっかけに、大空を舞うようになる奇跡のように感動的な物語。

 

プロットも気宇壮大だが、それを黙示録のように図像化する荒井選手の絵が圧倒的に素晴らしい!

 

 疲れきって熟睡している妻君の枕を取って毛布取り敷布団まで取り去るコウ君 蝶人

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ジョナ・ウインターぶん・ピート・オズワルドえ・金平茂紀やく「じじつはじじつ、ほんとうのことだよ」を読んで

2023-05-09 09:29:22 | Weblog

 

照る日曇る日 第1894回

 

「ちいさなかなしいじじつのおはなし」という副題がついているが、今現在世界中で起こっている強権専権者による事実隠蔽、反対者弾圧のじっさいを糾弾する「ああ堂々の正義の絵本」である。

 

 こういう抽象的、政治的な題材を絵画化するのは難しいが、権力を行使するフェイク強派が、ファクト弱派を箱に入れて地下の奥深くに「埋葬」するグラフィックなどはじつに生々しく、中国やシリアやミャンマー、香港などの強権支配を仮想体験させるようで覚えず肌寒くなる。

 

こういう希少な警世の書を大人はもちろん幼い世代のひとたちにぜひ読んでもらいたいものだ。

 

  同盟や同志国から身を引いて遠ざかり空の上から世界を見たい 蝶人

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今西祐一郎編注・源氏物語補作「「山路の露」「雲隠六帖」他2篇」を読んで

2023-05-08 11:01:04 | Weblog

 

照る日曇る日 第1893回

 

岩波文庫の源氏物語はもう出尽くしたと思っていたら、なんとなんとグリコのおまけが6つも転がっていたのでホイホイ読んでみた。

 

まず「宇治十帖」の薫と浮舟のその後を語る「山路の露」だが、浮舟がせっかく九死に一生をえて出家して山里にいたのに、薫と面会もせずにグダグダ終ってしまう結末は、いかがなものであろうか?何のための続編かと腹立たしい。

 

ついで源氏六十巻説に応え、源氏の出家と死を語る「雲隠六帖」だが、源氏出家の解説はともかく、続く冷泉院の出家、浮舟の還俗と出産、匂宮の帝位就任、立后した中君の急死に続く浮舟の再出家と、まるでできそこないのハリウッド映画のような杜撰なプロットが、回転木馬のように急テンポで繰り広げられ、講談か「太平記」を読んでいるような気分になる。

 

面白いのは、江戸時代に入って本居宣長が源氏と六条御息所のなれそめを描いた「手枕」で、アンチ宣長の上田秋成がケチをつけているが、いやさすが宣長、紫式部に成りかわってのゴーストライティングはうまいものである。

 

最後の「別本八重葎」は、長い間ほったらかしにされていた末摘花のもとを須磨から戻った源氏が再訪する噺だが、お馴染みのラブストーリーではなく奇妙奇天烈な妖怪譚に変化していて「源氏愛」の読者の意表をつく。

 

とまれかくまれ、本邦、いな世界最大にして最高の大河小説の衣鉢を継ぎたい、という気持ちだけは良く分かるのである。

 

今日という日の記憶を消すまいと新聞記者は必死に記事書く 蝶人

 

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並木浩一・奥泉光著「旧約聖書がわかる本」を読んで

2023-05-07 10:04:57 | Weblog

並木浩一・奥泉光著「旧約聖書がわかる本」を読んで

 

照る日曇る日 第1892回

 

まだ2回しか通読していない「旧約聖書」だが、本書を読んで、自分はいったい何を読んでいたのだろう、どの個所の何を面白いと思っていたのだろうと、それこそ眼から鱗が落ちる思いで驚愕した一冊であった。

 

私は「旧約聖書」というのは、いちイスラエルあるいはユダヤの歴史的、宗教的、思想的、社会的ないきいきした民族史だと思いこみ、もっぱらその文学的、物語的、寓話的な側面を愛好してきたのだが、本書を読んで、これはそういうレベルにとどまらない、深遠で普遍的かつ現代思想的な意義をもつ書物であることを痛感させられたのであった。

 

「旧約聖書」こそ、一地方、民族、宗教の枠を超えた、汎地球、宇宙的と言ってもよい広いパースペクテイブの中心に位置する人類史の原典、ではなかろうか。

と思わず書いてしまったが、そういう一種特別ないでたちの書物だと改めて思わされた。

 

これまで私は、旧約のカミは、イスラエルないしユダヤ民族単一の神に過ぎない、と思っていたが、どうもそれは一面的な解釈で、ほんとうはイスラエルないしユダヤを含みつつも、その傘の上空に君臨し、諸国、諸民族の全体を統べる全知全能のカミとして位置づけられていたのであった。

 

だから旧約のカミは、新約のカミよりも、もっと普遍的、人類全体的な存在として定位しているのではなかろうか。

 

旧約というてもその中身は「創世記」から「出エジプト記」などの歴史書、「サムエル記」「列王記」「イザヤ書」などの預言者の物語、「雅歌」「詩編」などの文学書など、多種多様にまたがるが、画期的、革命的なドキュメントは、「ヨブ記」だろう。

 

なんせ自分は悪いことなど何ひとつしていない(はずの)ヨブ選手が、ある日突然カミによって財産を剥奪され、家族を殺され、村八分に遭い、疥癬を患い、生きながら地獄の責苦に苛まれるのである。

 

他の預言者なら黙って耐え忍ぶところだが、ヨブは怒りに燃え、決死の覚悟て立ち上がり、被創造物である己を生み出した全世界の創造者、支配者に対して、「対等の立場に立って」ああ堂々の論陣を張る姿は、それこそ前代未聞の光景である。

 

ヒトとカミとが全存在を賭けて直接に対峙、対決するモノガタリを平然と載せる「旧約聖書」こそ古今東西唯一無二、空前絶後の書物と称すべきであろう。

 

   神仏を信じている訳ではないけれど困った時は祈るほかない 蝶人

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西暦2023年皐月蝶人映画劇場その1

2023-05-06 14:27:59 | Weblog

 

闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.3287~91

 

1)キング・ヴィダー監督の「ルビー」

ジェニファー・ジョーンズとチャールトン・ヘストンの魅力全開の1954年の人情劇。人権、まして女権などへ弊履の如く顧みられなかったアメリカ南部を舞台に、それでも自立を目指した女性の悲劇をつぶさに描く。

 

2)クリス・スワントン監督の「変身」

カフカの原作の2012年の映像化。家族に忌み嫌われ、見捨てられ、絶望しながら死んでいくグレゴ-ルは障碍者の象徴のようにも思える。

 

3)イリーヤ・ナイシェラー監督の「Ⅿr.ノーバディ」

外見は冴えない普通のオツッサン(ボブ・オデンカーク)が獅子奮迅の大活躍をみせる2021年製作のストレス解消のゲバルトア映画ずら。

 

4)ロバート・スティーヴンソン監督の「裏街」

男と女のすれ違いと腐れ縁が、シャルル・ボワイエとマーガレット・サラヴァンを遠い、遠い所にまで連れて行く1940年の深刻浮気映画。

 

5)ジョージ・マーシャル監督の「青い戦慄」

レイモンド・チャンドラー脚本の1945年のサスペンス映画だが、この人の脚本は、例によって頭の中でこねくり回した一知半解物なので、さっぱり面白くない。

 

 マクガフが抜け村上が超絶不調のヤクルト今季は絶対勝てへんやろう 蝶人

 

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家族の肖像~親子の対話その93

2023-05-04 10:22:24 | Weblog

 

2022年12月

 

お母さん、平和って、なに?

みんながしあわせに暮せることよ。

 

コウといろんなとこへ行ったね。あのときコウ君と会えたね。あれどこだっけ。

相模原で。

そうだったねえ。

 

コウ君といろんなことあったね。コウくんのお陰で楽しい人生だった。ありがとう!

 

お母さん、タイムアウトは?

時間切れよ。

 

わたしバッファローマンです。

こんにちは、バッファローマンさん。

 

「コウさんダメ」って、いわれちゃったのよ。

誰に?

スギウラさんだよ。

いつ?

むかし。

 

お父さん、イシハラサトミ録画してね。

分かりましたあ。

 

フィルムは、写真撮るときでしょう?

そうだね。

 

ご先祖さまって、なに?

おじいいちゃん、おばあちゃん、そのもっと前のおじいちゃん、おばあちゃんたちのことよ。

 

いま福原遥、どんなお仕事してる?

いま空を飛んでいるよ。

ぼく「舞いあがれ!」好きですお。

お父さんも。

 

お父さん、お母さんは?

さて問題です。お母さんはどこへ行ったでしょう?

スイミング!

ピンポン!

 

お父さん、お母さんどこ行ったの?

さて、どこへ行ったでしょう?

何がつくもの?

サだよ。

サ、サ、サ…

サカイ内科だよ。

 

ぼく、アヤベからクンダ行きましたお。ハス咲いてたよ。

クンダって?

クリの栗とたんぼの田だお。

海水浴だね。いつ行ったの?

小学6年のとき。

 

クンダ、誰と行ったの?

お父さんと、お母さんと、ケン君と、ナホちゃんと、ミワさんと、ヒロシさんと。

そうかあ。栗田、きれいな海だったわね。

 

マコトさん、お正月は「明けましておめでとうございます」でしょう?

そうだね。

 

感じるって、思うこと?

そうだね。

 

ぼくはホウコクジ好きですお。

そうなの。

ぼくはホウコクジ行きたいですお。

そうですか。

 

行方不明って、なに?

どこへ行ったか分からなくことよ。

 

あした図書館行ってえ、たらば書房行ってえ、セイユーいきますお。

分かりましたあ。

 

携るって、なに?

持っていくことよ。

 

大変申し訳ございませんでした、って、なに?

済みませんでしたね、よ

 

お母さん、これなあに?

これはねえ、トースターよ?

トースターって、なに?

パ、パン焼きよ。

 

お母さん、このトースター、どうしたの?

ミワさんが亡くなって頂いたのよ。

ミワさんの香典返しでもらったのよ。

 

コウ君、お母さん年取って、もういろいろ出来なくなったわ。

ぼく、助けます! 助けますお!

コウ君が助けてくれるの、ありがとう!

 

お父さん、「ツれる」は車にシンニョウですよ。

え? ツれる?

ツれるのツは、連絡帳の連ですよ。

連れる、かあ。そう、そうだったねえ。

 

お母さん、笑って。

笑ってますよ、ハハハハ。

 

ぼく、オゾウニ食べますよ。

食べてね。

 

 憲法をマジメに読んだこともなくカイケンカイケンと騒いどるんじゃ 蝶人

 

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すべての言葉は通り過ぎてゆく第116回

2023-05-03 10:26:54 | Weblog

すべての言葉は通り過ぎてゆく第116回

 

西暦2023年卯月蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第415回

 

 

負けるはずの山梨学院が、楽勝するはずの報徳学園をやっつける。だから野球は面白い。1強他弱の政治の世界でも、そーゆー番狂わせが起こってほしいものだ。4/1

 

ピアニスト&指揮者のダニエル・バレンボイムが、神経症状の悪化のためにベリリン州立オペラシェフから引退したそうだ(でもシュターツカペレからはリタイアしていない)。あまり好きな音楽家ではないが、まだ80歳なんだからぐあんばって欲しいものだ。4/2

 

哀悼!坂本選手71歳で命終。昔ロールでゴダールに会った時、戸田ツトムの写真集と一緒に彼の当時の最新作「音楽図鑑」を土産に上げたら、眼鏡の奥でどんぐり眼を光らせたので、そう言うと喜んでくれたが、彼がゴダールの映画音楽を担当する日は、遂にやってこなかった。4/3

 

「レコード芸術」が6月20日発売の7月号で休刊になるそうだが、一人のクラシック音楽愛好家として何とも寂しい。かつて一世を風靡した三浦淳史、吉田秀和、宇野功芳などの音楽評論家のエッセイを読みたくて、毎月20日になるとお隣の火星社書店に忍び込んだものだった。4/4

 

イスラエルの情報機関モサドによれば、大国ロシアに比べて兵員、軍備に劣るウクライナは、米国、EUなどの支援を勘定に入れてもロシアを上回る数多くの死傷者と損害を出して劣勢にあり、降伏寸前の様相を呈しているそうだが、本当だろうか?4/5

 

熱しやすく冷めやすいとはおらっちのこと、なんでもかんでも大体2年で厭になる。寝ても覚めてもあれほど好きだった映画鑑賞も、3年目の春でとうとう戦線放棄してしまった。どんな作品からも逃げ出さずに付き合っている映画批評家はただそれだけで偉い。4/7

 

なまじ映画批評家を開業すると、色んな映画の試写状が舞い込んでくるので、義理もあるから、せっせせっせと顔を出す訳だが、コンサートと同様、本当に素晴らしいと思える作品は5%にも満たず、どうしようもない駄作の鑑賞に疲労困憊することになる。4/8

 

「週刊文春」で黒岩神奈川県知事のスキャンダルを読んだ。男も酷いが、浮気相手の女も酷いもんだ。しかし元フジテレビの凡庸な男を、知事にまで成り上がらせた我ら阿呆莫迦神奈川県民が、いちばん酷いことは明明白白。その証拠に、明日もまた懲りずにこの男を選ぶのだろう。4/9

 

大阪で維新が圧勝。ある意味では自民よりも右翼的で国家主義的で大衆扇動的な政党が、なんでこの地域で繁栄しているのかを考えると、その基底に首都東京に対する強いコンプレックスと対抗意識が渦巻いているからだろう。4/10

 

なんのことはない、お前さんが投票しないから、百年一日の自公民や得体の知れないファシスト党に幻想を抱く蒙昧票が、「民意」ということになるのよ。4/11

 

またしても空襲警報のお稽古か。そもそも飛来するミサイルの探知すらできないピーターが、まともな狼警報など出せるはずがない。4/13

 

ミサイルがもし北海道に墜ちたなら、異次元男はどうするだろう?4/14

 

心あるすべての国民を敵に回して、ろくでもない政治をしているから、誰からも狙われるのだ。4/15

 

安倍を銃撃した山上青年の弟分のような木村青年が、今度は安倍の弟分の岸田を狙った。あたかも帝政ロシアのツァーリの独裁に次々に抗ったテロリストたちのように。4/16

 

公凶放送の大河ドラマは前回の鎌倉殿から一転して、徳川家康をやっているようだが、漫画だね。別に漫画が悪いわけではないが、面白くもおかしくもない漫画を見せられる方はたまったものではない。役者も、脚本も、演出も無惨で、唯一良いのはタイトルの書体だけだった。4/17

 

人の好き嫌いって、おかしなものだ。岡田准一や福山雅治はなぜかだんだん嫌いになっていったが、キムタクほどではない。植松聖や松本智津夫は大嫌いだが、不思議なことに山上徹也や木村隆二はテロリストであるにもかかわらず嫌いではない。おかしなものだ。4/18

 

あれほど民草の安寧に敵対する政治を強行していたから、凶行に巻き込まれた訳だが、たまたま安倍蚤糞の二の舞にならなかったというので、支持率が急上昇するのかねえ。おかしなものだ。4/19

 

コロナと大震災は、忘れた頃にやって来る。これから過去最大級のコロナ第9波が来襲するというのに、ノーチェックで外国人を入れたり、2類を5類に切り下げたり、パンデミック規制不能にしたりして、いいのかよ。4/20

 

ヒトの遺伝子は99.9%が同一で、残る0.1%が違いを作っているそうだ。自閉症スペクトラムなどの発達障害の原因も、この僅か0.1%の微細な差異の中に潜んでいるのだろう。日本学術会議は、自閉症真因の解明をターゲットとしたプロジェクトチームを発足させ、ゲノム研究を急いでほしい。4/21

 

日米同盟などというけれど、結局はなにもかも我が国の金で米軍に守って頂いているくらいなら、いっそ彼らに出て行ってもらって、北朝鮮のように、てめえの好きなように自前で武装したほうが、精神的には遥かに健全だろうて。4/22

 

今日もマスメディアでは、腐敗堕落した専制権力に迎合し、嬉々として隷属する金銭亡者の卑しい連中が、尋常小学の級長のようなもっともらしい顔をして、阿呆臭いコメントを連発している。4/23

 

高音部、例えばハイCなどがちゃんと出ない歌手ほど聞き苦しいものはない。例えばイタリアの美貌のソプラノ歌手レナータ・デバルディ。デッカから出ている40枚ほど音源の多くが、きちんと歌い切れずに、ぶら下がりつつもがいているので堪え難い。4/24

 

「維新」の狙いは、野党第1党にとどまらず、自公を打倒して政権を奪取し、令和維新を呼号しながら大衆に迎合するとみせかけて、戦前の日帝を凌駕する「反知性、反民主主義の強権専制侵略天皇主権国家」を創生するにある。4/25

 

スウェーデンの「ストックホルム国際平和研究所」によれば、世界の軍事費は、8年連続で増加。2022年はロシアの侵略戦争、東アジアの緊張激化などで、前年比で実質3.7%増加し、総額2兆2400億ドル(約300兆円)と過去最高を記録した。4/26

 

22年の軍事費は、ウクライナは前年比7.4倍の440億ドル、ロシアは9.2%増の864億ドル、欧州諸国は13%増、米国は8770億ドル、中国は米国に次ぐ2920億ドル、日本は5.9%増の460億ドル(約6兆円)で、60年以降の最高水準。戦争中のウクライナより多い。4/27

 

人は詩を書いている時だけ、詩人と呼ばれるが、それが終われば、只の人に戻る。詩を書かない時にも詩人と呼ばれる人物は、詩人ではなく、仙人と呼ばれる。4/28

 

ともかく「自公維国」を叩き潰さない限り、この国の政治は暗黒時代が続くのだろう。4/29

 

大谷の活躍を讃えるのは結構だが、その大谷は別に本邦のファンのために戦っているのではなく、現在大リーグで1.5ゲーム差で1,2位のレンジャーズとアストロズの後塵を拝している自チームの勝利のために奮戦していることなど、完全に忘れ去られているようだ。4/30

   「9条」を錦の御旗に掲げつつ敵基地深く攻め込む倭軍 蝶人

 

 

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なにゆえに第105回~西暦2023年卯月蝶人花鳥風月狂歌三昧

2023-05-02 10:12:24 | Weblog

なにゆえに第105回~西暦2023年卯月蝶人花鳥風月狂歌三昧

 

ある晴れた日に 第716回

なにゆえに4月馬鹿を言わなくなった毎日世の中馬鹿馬鹿しいので

 

なにゆえにピッチクロックを導入する大リーグの試合がせわしなくなる

 

なにゆえにまたもや物価がじゃんじゃん上がる異次元男がじゃんじゃん上げる

 

なにゆえに好きな人から死んでいくそんなことはないのだろうが

 

なにゆえに芸術は長く人世は短い芸術家でなくても人世は短い

 

なにゆえに読売は妙な追悼文を載せている適任者は他にいるだろう

 

なにゆえに豊田の町はトヨタ車だらけ他社のクルマは走っていない

 

なにゆえにうまくバランスが取れない君の傲慢と君の自負

 

なにゆえに囲碁将棋の世界は清々しい実力だけで白黒争う

 

なにゆえに陸自ヘリは墜落した宮古に基地を作ったからだ

 

なにゆえに自民や維新がのさばり続ける誰も選挙に行かへんさかい

 

なにゆえにアカデミー賞をみなくなったNHKが放送しない

 

なにゆえにまたピーターが喚いてる誰もお前など信用しない

 

なにゆえに振られたら即座にぺらぺら喋るそれがコメンテーターのお仕事なのさ

 

なにゆえに田舎へ行くと狙われる一人で官邸に閉じこもってろ

 

なにゆえにクラウディオ・アバドが懐かしいその音楽よりも優しい笑顔が

 

なにゆえに投票にすら行かないのだから悪い政治家ばかり

 

なにゆえに春にクスノキは葉を落とす押しも押されぬ常緑樹なのに

 

なにゆえに同盟国やら同志国 戦争ごっこはやめとくれ

 

なにゆえに日経新聞は全然読めない活字があまりに小さすぎるぜ

 

なにゆえに蛇は我が家に逆戻りせっかく川に入ろうとしたのに

 

なにゆえに島田雅彦は本音を漏らした本音を吐くと抹殺される

 

なにゆえに何を食ってもウマイ!と叫ぶサッポロ提供の阿呆莫迦番組

 

なにゆえに大リーグならいけると思うた名うてのノーコン藤波投手

 

なにゆえにポピュリスト維新が票伸ばす自民より危険な党と見抜けない

 

なにゆえに邦人だけを救助する仏韓国は日本人も助けてる

 

なにゆえにツインズ前田は5連敗菊池と千賀は好調なんだが

 

なにゆえにプロフェッショナルを自称する客観的な魅力を列挙せよとか迫って

 

なにゆえに連続3四球に大暴投草野球だぜノーコン藤波

 

なにゆえに「ヤングケアラー」と勿体ぶる「若い介護者」でいいじゃないか

 

 

 軒下のツバメが赤ちゃんを産んだのでバンザイしている八百屋のおかみ 蝶人

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西暦2023年卯月蝶人花鳥風月狂歌三昧

2023-05-01 10:13:39 | Weblog

 

ある晴れた日に 第715回

 

首都犬てふ幕府のイヌの罪の認否は明らかならず

 

遠い日の記憶を頼りに考えるゲマインシャフトかゲゼルシャフトか

 

一瞬の沈黙さえも懼れつつ喋りに喋るテレビのキャスター

 

あのツバメ丸まる太っているけれど上手く鳴けないのよと八百屋のおかみ

 

俺様は第1級の詩人だがお前は詩人ではないと決めつける男

 

熱しやすく冷めやすきかな君の頬桜交じりの雨降りかかる

 

誰がなんといおうが嫌いなり男のくせに化粧するやつ

 

監督も役者もキャメラも脚本家もみな死んでいる映画をみてる

 

大谷のホームランを見てる間に着々進む戦の準備

 

窒素は葉リン酸は実でカリウムは根に良い肥料となると教えられたり

 

微かなる揺れにも我らは反応しぐらり揺れると獣に戻る

 

「新しき戦前」を「戦時」に変えるべく攻勢かけるネオナチ「維新」

 

トラウトとジャッジを合わせた値打ちあり2刀流の大谷翔平

 

スタジオで帽子をかぶっている歌手にろくなやつなど一人もいない

 

あっちでは死に物狂いの戦さだがこっちは呑気にお花見してる

 

どさくさにまぎれて大金を外国にばらまいている異次元男

 

ミサイルがもし北海道に墜ちたなら異次元男はどうするんだろう

 

ミサイルがもし北海道に墜ちたなら自公維国はどうするんだろう

 

ミサイルがもし北海道に墜ちたなら俺たちどうすればいいのだろう

 

陰嚢を診てもらった女医さんの眼を見て話すことはできねえ

 

歌いも歌いても尽くせぬ詩詠いても詠いても尽きぬ短歌のごとし

 

発語して1分経てばないもかもわうれるための会話の練習

 

百千の監視カメラに見張られてあなたも私も犯罪予備軍

 

この国も私も壊れているためにテレビが壊れ洗濯機も壊れる

 

山笑うゲマインシャフトかゲゼルシャフトか

 

桜散るゲマインシャフトゲゼルシャフト

 

じぇじぇえとあまちゃんのように鳴く燕かな

 

健三郎、龍一死して春黒々

 

春雨や大江光はどうしているか

 

     春や春ハルジョオンかなヒメジョオンかな 蝶人

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