Keep Bangin' On The Walls / Asian Dub Foundation (2003)
エイジアン・ダブ・ファウンデイション(Asian Dub Foundation)の2003年のツアーを収録したライヴ・アルバム。MCからも分かるように日本公演の音源も収録している。以前からライヴには定評があり、日本にもフェス等で来日していたので存在を知ってはいたが購入するまでには至っていなかった。結局、彼らのアルバムを初めて聴いたのは2000年の「Community Music」だった。
レゲエ、ダンス、ヒップホップ、パンク、ハードコア、ダブ、といった様々な音楽にインドなど東洋の旋律を見事に組み入れた独自の音楽性が魅力。日本ではあまり知られていないし、イメージが湧かないが、移民の国でもあるイギリスの社会状況を反映しているともいえる。特にアジア系移民はイギリスで低所得者層とも重なるので歌詞もそういったバックグラウンドを映し出した社会的なものが多い。ただ歌詞にリアリティが感じられないこの日本では「ダンス・ミュージック」として充分機能している。
自分が最初にこのバンドを聴いた当時のヴォーカル、ディーダー・ザマン(Deeder Zaman)はこのアルバムでは脱退してしまっているので、ある種キッズ・ライクで独特だったヴォーカルは聴けず、野太いヴォーカルなのでよりハードコアっぽい感じがする。演奏とMCのクオリティは高いが、ライヴ・アルバムらしさは少し控えめで、もう少し会場の熱さが伝わってくるミックスだとなお良かったかな。DVDも発売されているのでそちらの方が熱さが伝わってくるだろうか。
ブックオフにて購入(¥250)