Yorktownさんのブログ記事を読んで初めて存在を知った郡上八幡の「汁焼きそば」。郡上八幡の焼きそばといえば”パリパリ焼きそば”は知っていたが、そんなものもあるのかと気になって、気になって…。気になったら行くべし。ある休みの日にバイクを駆って郡上八幡まで走った。この日は雨の心配は無かったものの、晴れたり曇ったりとへんな天気。郡上八幡城を目指して坂を上ると、駐車場端に目当ての「キャベツ畑」という名前の店があった。店内にはご高齢の夫婦。女将さんに声をかけると、どこから来たのか尋ねられる。Yorktownさんの記事にあったように、コロナ禍で店内飲食は地元の人のみに限っているのだそうだ。山間の小さなコミュニティーだから特に用心しているのだろう。何度も何度も「悪いけど…」と恐縮するお2人。もちろん異論なんて無い。女将さんの調理を外から見ていたら、主人が外に椅子と冷たい水を持って来てくれた。椅子に腰掛けて女将さんんと世間話をしながら調理の様子を眺める。柔かい郡上弁が耳に心地良い。
茹でた麺を水で締めてから茹でキャベツを合わせ、つゆとソースを入れて味を整えながら加熱。麺はなんと山形県からわざわざ取り寄せているのだそう。向こうのコロナの様子も心配していらっしゃった。普段はフライパンでやっているそうだが、この日の調理は鍋のみで完結。皿に盛って上から紅生姜、青海苔、玉子(この日はスクランブル状の玉子)をのせて出来上がり。盆を渡されたのではす向かいの公園のベンチに座っていただく。
さっそく手繰った麺はストレート麺。出汁の効いたつゆとソースを合わせた特別なつゆは多めなので麺はほぼ浸っている状態。他ではなかなか味わえない感じのつゆは想像したようなジャンクなものでなく、意外と優しい味。出汁の風味とソースが上手くマッチしている。具材の中には小さく切った鶏もも肉も入っている様子。それらが軟らかく茹でられた麺に絡まって、旨い。するすると入っていった。城下の人気店「そばの平甚」をはじめ、昔は何軒かこのスタイルの焼きそばを出していたのだそう。こんな小さな町に2種類もの特殊な焼きそばがあるなんて興味深いなァ。この日の調理に”焼き”の要素はほぼ無いけれど、唯一無二の「汁焼きそば」を楽しんだ。色々話していたので女将さんが「みんなに宣伝しといてね。」とちゃっかり(笑・遅くなって申し訳ありません)。(勘定は¥550)
↓ 店のある郡上八幡城の駐車場が位置するあたりからの郡上八幡市内の眺め。
↓ 町中を流れる水深の浅い小駄良川では小さい子を連れた家族連れが嬌声を上げていた。こんな綺麗な水が町中を流れ、いつでも思い思いに楽しむことが出来るなんて、なんて素敵な町だろう。
↓ こちらは若人の飛び込みで有名な吉田川の新橋。水の色合いや渦で深い淵があることが分かる。こちらも驚くほど水が綺麗だ(何しろ水浴びしている人の横で鮎の友釣りをしている)。囃し立てられて欄干にもたれていた1人が飛び込んだ(写真3枚目)。みんなの注目を浴びてさぞかし気持ち良かろう。やる気持ちは全く分からないが…(→後天性高所恐怖症)。
↓ 国の登録有形文化財にも指定されている大手町の「旧・堀谷医院」(大正9年・1920・建造)◇。前の道の幅が狭く建物の写真は撮りづらいが、しっかり管理されているようで綺麗な外観を保っている。
↓ 「堀谷医院」と同じ通りにある「酒のヨシムラ」(建築詳細不明)◇。サッシがはめてあったりするが、看板建築らしい意匠はしっかりと残っている。
キャベツ畑
岐阜県郡上市八幡町柳町511-2
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