岐阜県関市のお気に入りの麺類食堂「入船」へ。日曜でもやっているので寄り易く、記事にしていない時も多い。外観からは分からないが、店内に入った途端、土間と座敷で飴色になるまで時を重ねた柱や調度品と、奥に長い調理場、戸で仕切られた板場、竈(かまど)など風情があって何とも言えず贅沢な気分に。先客は1名。冷たい水を持って来てくれた女将さんに「木乃葉丼」をお願いした。「木の葉丼(このはどん)」は関西由来として知られているが、東海地方の古い大衆食堂では「志の田丼」と並んで必ずと言っていいほど品書きにあった丼物。ただし近年減少傾向にあるのは明らかで、少し新しめの食堂ではもう見かけなくなっている。女将さんは相変わらず丼ぶりを湯通しする丁寧な仕事ぶり。調理場の奥から丼ぶりにご飯をついできて、板場で具材やつゆの調理と忙しく歩き回る。
出来上がった「木乃葉丼」はたくあんと熱いお茶と共に運ばれた。”木の葉丼”の仕様は店によってまちまちだが、こちらの具材は椎茸、青ネギ、刻んだ赤縁のかまぼこ、麩、鶏もも肉、刻み海苔といったかんじ。鶏肉を使っている店は時々見かけるが入っていない店の方が多い。つゆの味加減が最高に旨い。じわっと染み出る戻した椎茸の旨味、つゆをたっぷり吸った麩。それらを合わせてご飯もつゆを吸ってくれる。これはイイなァ。しみじみと旨い。椎茸の量は多くないが、大満足の1杯だ。次もこれを頼みそうだが夏季のみの「冷し中華」の紙短冊を見付けた。まだ間に合うかな。(勘定は¥600)
入船
岐阜県関市大平町2-6
( 関 せき たいへいちょう 太平町 いりふね 麺類食堂 大衆食堂 木の葉丼 このは丼 このはどん 木ノ葉丼 カツ丼 かつ丼 )