ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

酒の穴 @大阪市浪速区・新世界

2015年07月26日 | 大阪府

久しぶりに大阪の地に立った。2008年のザ・フー(The Who)のライヴの時以来だから7年ぶりか。そんな大阪は、知らないうちに大陸人に占拠されていた(笑)。どこへ行っても、どんな路地に入っても、どんな店に入っても、あちらの人ばかり。その活動バイタリティーには感心させられる。ただ街のルールもあっちの人達の基準が浸食し始めていることが散見出来て、ちょっと心配にもなる。ただ、商売をやっている人達にとっては、これだけの人数が買物をしたり、飲食をしてくれるんだから、有難い存在だろう。ホテルを予約しようにも、難波や心斎橋近辺のシティーホテルには空き部屋がほとんど無い(もちろんある程度金を出せばある)。訊くとやはり大陸の人達のツアー予約で一杯なのだという。ホテルには寝に帰るだけと分かっていたから、御堂筋線で適当に選んだら「新世界(動物園前)」になった。初めての場所なので、これはこれで面白そうだ。

駅を出て通天閣方面へ歩いて行くと、串カツ屋と呑み屋だらけ。週末とあってか、有名な串カツ屋は昼間からどこも行列で、すでに出来上がっている人も多い。以前はもっと荒れた場所だと聞いていたが、今は若い人や旅行者が多くなり、随分と雰囲気が変わったそうだ。うちの母は大阪出身だが、若い女学生の頃に、ここ新世界とか鶴橋は決して立ち寄らない場所だったと言う。街をひとまわりして、新築されたばかりのホテルにチェックインし、行列の串カツ屋を横目に向かったのは、居酒屋「酒の穴」。

店に着くとなぜか同じ名前の看板の店が並んでおり、入口も別。とりあえず、常連らしきおじさん達で一杯の方に入る。カウンターに囲まれていて、店員は3名程。テレビでは阪神戦デーゲーム中継の真っ最中。客は意外と冷静なのに、明るい店員のお兄さんはずっと一喜一憂している(笑)。さすがにこんな店にまでは大陸の人々も来ないようだ。ビールの大瓶を注文。外の看板に名物とあった「八宝菜」と、串かつ(牛)を注文した。すぐに出てきた八宝菜は、じゃが芋も入ってシチューのようで、すきっ腹を落ち着かせるにはちょうど良かった。これが200円というのだから凄い。どの品も値付けが安く、味も量もそこそこだが、呑むにはちょうどいい按配。阪神が打てば喝采を、抑えられると野次がテレビ画面に浴びせかけられる(もちろん店員から・笑)。そんな微笑ましい雰囲気で呑むビールもまた格別。基本的にはひとりで静かに呑むことが出来て居心地がいい店だ。串や牛スジ煮などを適当に追加で注文して、旨い旨いと呑んでいると、もう他所へ行くのは止めちゃおうかと、1軒目にしてここで終わってしまいそうになる。外から全身極彩色(髪の毛まで!)という信じられない出で立ちの派手なおばちゃんが普通に店に入って来て、向かいに座ったのを見届けて勘定してもらった。分かってはいたが、その安さにも驚いた。(勘定は¥1,070)

 ↓ 絵に描いたような新世界・通天閣のある風景。串かつ屋ばかり乱立していた。よく成り立つもんだなァ。こちらもすれ違うのは大陸の人達ばかり。

 ↓ 「新世界国際劇場(旧・南陽演舞場)」(昭和5年・1930・建造)。手書き看板も健在の、素晴しい「ザ・昭和」映画館だが、「ハッテン」していると評判なのでもちろん入らない(笑)。

 ↓ 「ギャラリー再会(旧・喫茶再会)」(昭和28年・1953・建造) ※国登録有形文化財

 

酒の穴

大阪府大阪市浪速区恵美須東2-4-21

( 新世界 動物園前 さけのあな 吉田類 酒場放浪記 串かつ 串カツ )


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