ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

松冨士 @岐阜県岐阜市

2024年12月05日 | 岐阜県(岐阜)

岐阜市の柳ヶ瀬商店街をゆっくり散策したことがあるなら、パチンコ屋(廃業済)の横に細い行き止まりの路地があって、一番奥にお店の看板があるのを見たことがある人もいるかもしれない。伺ったのは割烹の「松冨士」。昼は営業していないのでなかなか機会が作れなかったが、ある日「のはら湯」の火傷必至のスチームで汗を流した後に、ふと思い立って暖簾をくぐってみることに。路地を突き当たると年季の入った「士冨松」と逆読みの看板を掲げた店が見えてきた。店の事は全然知らないし、予約の電話も入れていないので思い切って木戸を引いてみる。入ってすぐカウンター席があり、奥の間には先客が。その奥にも部屋があるようだ。1人と告げるとここで良ければとカウンター席を案内された。物腰柔らかな年配の主人と女将さんでやっていらっしゃる。

ちょっと傾いた椅子に腰掛けビールをお願いした。サッポロラガー大瓶で最初は女将が注いでくれる。お通しはなます。たっぷり汗を流してから来たので体中に滲みていく感じ。ウメー。主人によると品書きは無く、あるものをどんな調理方法で、と注文するのだそう。カウンター上の冷蔵ケースを覗くと立派なアスパラガスがあったので訊くと「バター焼きが多いかな。」とのことなのでお願いした。フライパンで焼かれたアスパラはバター醤油味。ビールにぴったり。

ここからは酒で(酒は品書き有り)。「特選・菊正宗」を”どん燗”(ぬる燗)でお願いした。徳利と猪口で供され、徳利はちゃんと袴を履いている。最近あまり見なくなったなァ。肴は「酢さば」と「衣かつぎ」。「酢さば」は割烹らしいさすがの切り付けとあしらい。漬けは軽め。穂紫蘇や本山葵でいただく。「衣かつぎ」は生姜醤油で。酒の追加はご当地の「日本泉・辛口」。肴はケースの中のきんきを煮付にしてもらった。しっかり湯引きしてから大きな雪平鍋に横たえ、調味料は豪快に一升瓶から。さすが。思いのほか強めに煮詰めるのでかなり濃いめの味わい。このつゆでご飯食べたいなァ(笑)。酒の追加は多治見の「三千盛」。先客が鱚(きす)を焼いてもらうというので乗っかった。串打ちして塩。どの料理も都度添えるあしらいの鮮度がいいのが嬉しい(当り前のことだがそうでない店もある)。「三千盛」だけはちょっと老香(ひねか)を感じたけれど…。いい気分になって勘定してもらい、店を出てひっそりとした商店街を歩いて帰路に就いた。(勘定は¥9,500)

 

 


 

↓ 明治27年(1894)創業の「のはら湯」。周辺がだんだん都市化して路地の銭湯的な雰囲気が希薄になってきた。

 

 


 

 

割烹 松冨士

岐阜県岐阜市柳ケ瀬通2-4

 

( 岐阜 ぎふ 柳ヶ瀬 柳ケ瀬 やながせ 柳ヶ瀬商店街 まつふじ 松富士 小料理 一品料理 日本料理 和食 居酒屋 日本酒 野原湯 銭湯 )


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