ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

井泉 @東京・湯島

2015年06月21日 | 東京都(老舗)

湯島にある昭和5年(1930)創業のとんかつの「井泉」。「お箸できれるやわらかいとんかつ」で有名な老舗で、「〇泉」と名前が付くとんかつ屋はこちらが出自だそう。もちろん、今ではこの本家よりも露出が多い青山の「まい泉」もこちらの出身で、もともと「青山井泉」という名前だったとか(ただし、まい泉のHPには出自に関する記述は何もない)。細い路地の奥の、風情ある店の前に来ると、店の前には何人もの行列が。中にはスーツケースを転がしている人も居て、人気の程が伺える。上野駅から歩いて来たのかな。待ってまで喰うのも、と思って一応、店の中を覗いてみると、1人ならすぐにOKとの事で、すぐにカウンターに腰を下ろす事が出来た。ありがたい。狭い店内では、調理場を綺麗な白木のカウンターが囲んでいる。井泉は「かつサンド」発祥の店としても知られている。芸妓衆が食べ易いようにと工夫されたのがかつサンドの始まりだとか。もちろんかつサンド(6切れ)を注文し、汗ばむ陽気だったのでビール(中瓶)も追加した。

狭い調理場には8~9人もの職人が入っていてフル回転。揚げ方の人は店の混雑状況と、揚がる時間を上手にやり繰りし、仲居に確認を取りながら油にパン粉をまぶしたカツを入れていく。あぁ、揚げる音もごちそう。揚がったカツは次々と包丁を入れられ(これもいい音)、盛りつけられていく。てきぱきとした作業を眺めながらビールで喉を潤す事が出来るのもカウンターで食べる醍醐味だなァ。さてそろそろ自分のかつサンドの調理が始まった。スライスされたパンの真ん中に少しだけマーガリン(?)が塗られ、野菜類は何も入らない。ソースをまとったカツが挟まれ、綺麗にカットされ、皿の上に。付け合わせはパセリのみ。出来たてのかつサンドは、口まで持って行くと、懐かしいパンの香りと、揚げたてのカツの香りが堪らない。ふわふわのパンじゃないので、かえってカツとの一体感があって、最高に旨い。これにビールだもん、言う事なし。(勘定は¥1,500)

 ↓ 食べた後に寄った神田和泉町の「和泉町ポンプ所」(大正11年・1922・建造)。建物の壁は修繕されているようだが、周囲の煉瓦塀は当時のままのよう。

 

 

井泉 本店 

東京都文京区湯島3-40-3

( 湯島 上野広小路 御徒町 井泉 井泉本店 いせん いせんほんてん かつサンド 元祖かつサンド カツサンド )


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