ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

並木藪蕎麦 @東京・浅草

2013年10月29日 | 東京都(老舗)

<少し前に訪問した老舗覚え書き・6>

大正2(1913)年創業の浅草・並木通りの並木藪蕎麦が2011年に老朽化の為に建て直しすると聞いてガッカリした人は多かっただろう。あの風情ある建物ともお別れかと。地価の高騰や税金の事を考えると、ビルにでもして上階を貸した方が財政的にも有利だろうことは素人でも想像出来る。実際、数多くの老舗店舗がそういう理由でビルに建て直したり、テナントに入ってしまったりして風情ある歴史的建物の多くは消滅の憂き目にあってきた。

最も蕎麦屋らしい佇まいのひとつだった建物の建て替えが終わって(というか建て替え途中で分かったが)、嬉しい驚きを感じたのは自分だけではないはず。建て替え後もほぼ以前のまま。さすがに真新しい壁面の色はまぶしいが、よくぞここまでという再現ぶり。しかも中の造作、意匠まで以前とほとんど変わらない大英断。店主の矜持を窺い知ることが出来る。店内を含む新旧の比較は施工会社のHPで確認出来る。お見事!

ちなみに自分が撮った建て替え以前の写真はこちら↓

Photo

東京一(つまり日本一か)辛いと言われる並木藪のそばつゆ。口をつけてみるとやはりしっかり辛いが出汁の旨味も感じ取れる。ここに裏返しのざるに盛られた蕎麦をちょっとつけて手繰る(どっぷりつけると辛いですよ)。ここより辛いと思えるそばつゆには今のところ遭遇したことはない。特に自分の住む中部地方は、最近でこそそうでもなくなったが、古参の店だとたまり醤油由来なのか、やや甘めのつゆを出す店が多い。実際のところ並木藪のつゆが昔と比べて変わっているのかどうなのかは知らないが、このまま守り続けていって欲しい唯一無二のそばつゆだ。ひとりでテーブルに座るとおばちゃんがさっと新聞紙を持ってきてくれたりする心遣いは相変わらず。混んでいても居心地は悪くないし、ひとり者、カップル、家族、多人数の観光客、とどんな客にも自然体の応対がうれしい。

この後の記事はこちら

並木藪蕎麦

東京都台東区雷門2-11-9

 

(並木薮蕎麦 並木やぶ蕎麦 並木藪そば 並木藪そば 並木やぶ)


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