「週刊碁」に連載の四字熟語、「つるりん(鶴山淳志八段、林漢傑八段)式観る碁のすすめ」
第62回:博覧強記/安達利昌七段
★博覧強記(はくらん・きょうき):広く物事を見知って、よく覚えていること。博覧は知識が豊富、強記は記憶力に優れていること。
りん:記憶力がいい棋士はけっこうたくさんいるよね。
つる:あえて一人選ぶとしたら?
りん:安達(利昌七段)くんかな。どんな複雑で難しい変化でもサラサラって並べるよね。口癖は「たしかこれは」。
つる:あまりにも淀みなく解説するから、最近は安達解説員って呼ばれているね。
第63回:孤笈飄然/光永淳造六段
★孤笈飄然(こきゅう・ひょうぜん):学ぶ心を持ってさまようこと。何にも縛られずに自分が求めるものをのびのびと追求すること
つる:光永さんはね、数学の超天才なんだよ。
りん:・・・どうして棋士に・・・。
つる:それは天才だから。碁に興味が出ちゃったから。ツイッターでは囲碁のヨセについての考察。光永さんが言うには、実際の局面では例外が多すぎて法則は役にたたないことが多いんだって。
りん:じゃあ、何のためにやっているの?
つる:分かってないなぁ。光永さんは「○○のため」なんてことに縛られないの。それが天才なの。
第64回:彫心鏤骨/趙治勲名誉名人
★彫心鏤骨(ちょうしん・るこつ):詩文を磨きあげるのに、心に彫りつけ骨に刻むように、非常な苦心をすること。
つる:研究者的な彫心鏤骨では梶原(武雄)先生の右に出る人はいないかもしれないけど、勝負師的な彫心鏤骨では僕の師匠、趙治勲名誉名人はすごいと思うよ。
りん:前に「だから勝つのだ!」っていう先生の自伝を読んだことがあるけど、各章の見出しがすごい。「負けて明日ありと思うな」とか「死の意識と虚無感が人間を鍛える」とか「あのとき負け続けて、俺は鬼になったとか。
つる:弟子から見ても師匠の碁に対する姿勢は怖いくらいだったよ。
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安達利昌七段(31)は、今期のNHK杯1回戦で伊田篤史九段に敗退、伊田さんの大模様作戦に屈しました。
11/6放送の「安斎伸彰八段×沼舘沙輝哉七段」戦では解説を担当、淀みない解説にナルホド・・・。
光永淳造六段(48)は、かつて学生囲碁界で活躍していました。なぜ棋士に? そこに囲碁があるから・・・。
当ブログも「何のため」などとヤボは言いません。凡才ですが・・・。
趙治勲名誉名人(66)、最近イベントのスピーチではオチャラケ気味ですが、彫心鏤骨はどこへ・・・。
最新刊「趙治勲、囲碁と生きる」を購入しました。感想は別途・・・。
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