悲願のビッグタイトル初獲得-。11月16日に佐賀県唐津市であった天元戦5番勝負の第3局で、山下敬吾天元・本因坊を破り、新天元の座に就いた結城聡九段(38)=関西棋院。囲碁の七大タイトル獲得は6回目の挑戦にして初めて。「正直、もうタイトルは取れないかもしれないと思ったこともあった。3連勝できるとは」と、ほっとした表情を見せた。
<結城聡新天元の話>
形勢判断の難しい展開でしたが、大ヨセに入ったところでは少し良いと思いました。形勢の悪かった第2局を勝てたのが大きかった。5番勝負開幕前は一つ勝てるかどうかと思っていたので、信じられない結果です。
<山下敬吾前天元の話>
中盤、右上隅に入った手では、中央に打っておいた方が良かった。実戦はわかりやすい展開にしてしまいました。まずい手が多く、3局とも内容が悪すぎました。この結果は仕方ないです。
(西日本新聞より抜粋)
「結城 着実な足取りで完勝、光る冷静な判断力」、「山下 巻き返しならず」
(週刊碁、見出しより)
第36期天元戦第2局/結城、混戦制し2連勝
山下敬吾天元・本因坊に結城聡九段が挑戦している天元戦5番勝負の第2局が11月9日、愛知県清須市で打たれ、白番の結城が2目半勝ちし、2連勝で初タイトルにあと1勝に迫った。
<結城聡九段の話>
最初はまずい展開でしたが、中盤から黒の形が悪くなったので勝負形になりました。終盤にもミスをしてしまい、最後まで勝ちが分からなかったです。
<山下敬吾天元の話>
中央を攻められたのは誤算でした。終盤は少し得をしましたが、足りなかったようです。
(西日本新聞より抜粋)
「結城 連勝、劣勢耐えて大反撃」、「山下 危うしカド番に」
(週刊碁、見出しより)
◇ ◇ ◇
結城挑戦者が3連勝で新天元、七大タイトル挑戦6回目での奪取、感無量でしょうね。
坂井碁聖が、タイトルを奪取した影響もあったと思います。
これで関西棋院は碁聖・天元の二冠を保持、西風の勢いはしばらく続くでしょうか。
天元位を失った山下本因坊、3連敗は意外でした。戦前の対戦成績も山下本因坊が圧倒していたのに、勝負の流れは微妙ですね。
今年のタイトル戦はストレート勝負が多かったようです。最終局までもつれる対戦を期待する囲碁ファン、主催者にとってはやや残念な一年でした。
◇ ◇ ◇
第2局の対局地は愛知県清須市の「清洲城・芸能文化館」。
清須市は織田信長の居城、信長亡きあとの後継者を決める「清州会議」など、歴史小説でたびたび目にしていました。
市名は「清須市」ですが、城は「清洲城」と表記が混在して、ややこしいですね。
第2局の立会は二十四世本因坊秀芳(石田)。この清須市(旧新川町)の出身だそうです。
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第3局の対局地は佐賀県唐津市の「唐津ロイヤルホテル」。
15年ほど前、家族での九州旅行。唐津市の「呼子」というところに訪れ、新鮮なイカを満喫しました。食に関してはあまりうるさくないのですが、家族が喜色満面で食べていた思い出は忘れませんね。
また映画「フーテンの寅さん」で唐津が舞台になったのを見たことがあります。町の風景と寅さんが、違和感なく溶け込んでいるようでした。
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